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『すべて真夜中の恋人たち』 川上未映子

2011年11月30日 | 
ブログの編集画面を開こうとしたら、gooのトップページのニュース欄に
‘芥川賞夫婦・川上未映子さん結婚’の文字にびっくり!!
ちょうど彼女の新刊について書こうと思っていたので。

お相手は、阿部和重さん43歳。
2005年『グランド・フィナーレ』で芥川賞を受賞されたそうです。
阿部さんの作品はまだ読んでいないので、読む本リストに入れようと思っています。



川上未映子さん、2年ぶりの長編小説だそうです。
前作『ヘブン』から2年も経ったなんて・・・。
過去記事探してホントに2009年11月の記事でした。

初の恋愛小説は、著者の胸のウチを感じる事となりました。
主人公の冬子という女性・・・
最初のうちは透明な印象なのだけれど、
彼女の目を通して語られる日常に、次第に色が加わっていくような
細やかな描写が心地いい文章なのです。
彼女のフィルターからこぼれる表現の一つ一つが
共感を誘う。

最初は、冬子の仕事仲間の聖という女性に惹きつけられたのです。
聖が冬子に語って聞かせる‘信頼’と‘信用’の話にとても共感してしまったので。

冬子と聖は同じ34歳だけれど、
大手出版社で仕事ばりばりこなして、言いたいことははっきり口にして
美人で私生活も楽しむ聖。
冬子は、その全てが対照的に描かれています。

それがだんだんと、冬子と同化していくように
彼女の心と共に物語に入り込んでしまうのでした。
そして、冬子が感じているように緊張し、
うつむいたり、はにかんだり、哀しんだり、微笑んだり・・・。
そして感極まり、涙がこぼれてしまいました。

ああ、冬子と同じ思いで人を恋うているのだと、
雑踏の中で立ち尽くす冬子の思いが胸を締め付けるようでした。

伝える言葉を持たなかった14歳から、
もがきながら懸命に生きる中で、人が言葉をつかむ、そんな物語だと思いました。。

*川上未映子さん、ご結婚おめでとうございます!
 ステキな物語をありがとう!!
 末永く、お幸せに。。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おじゃまします (nonki)
2011-12-04 22:16:54
私も川上未映子さんの『すべて真夜中の恋人たち』以前より気になっていて現在図書館で予約中でが、やっぱりいいようですね。
Pokeさんのブログを拝見して、ますます楽しみです♪♪♪
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nonkiさんへ (Poke)
2011-12-05 18:55:01
こんばんは。
この本良かったので、おすすめです。

川上未映子さんは一作ごとに違った感じの本をお書きになっているように思います。
なんにしても注目してしまう作家さんですね。
来年初夏に出産予定だそうで、また違ったお顔を拝見できるのが楽しみです。。
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こんばんは (nonki)
2012-01-07 23:25:24
おじゃまします。
やっと『すべて真夜中の恋人たち』を読了しました。
余韻の残る物語でした。
私も読了後、最初のページを思わず読み返しました。
冬子の気持ちがより深く伝わってきました。
いつか、また読み返してみたいそんな一冊でした。
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うれしい悲鳴 (Poke)
2012-01-10 18:43:59
nonkiさん、こんばんは。
レス遅くなってごめんなさいm(__)m
読了感想の書き込みとてもうれしいです。

>余韻の残る物語でした。

ほんとにそうですね。
今でもいとおしくなる様な、そんな物語だと思っています。
読み返したい本が増えるのは、うれしい悲鳴というやつですね。。
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