趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

「チエちゃんと私」吉本ばなな

2009年05月22日 | 
大好きなばななさん、文庫版発売でつい買ってしまいました。
最近子どもの本購入にまぎれる様に
ついつい買ってしまっています。
でも、手元に置きたい一冊でした。
とてもとても良かったので。

主人公42歳のカオリさんと、従姉妹の35歳チエちゃんとの同居の物語。
チエちゃんには色々な事情があるのだけれど
カオリさんの感性がそれを受け止め
寄り添う、という生活を描いています。

その受け止めるということ
相手のあるがままを
自分に湧き上がる感情を
静かに見つめ、考え、受け入れていく様子がステキです。
急がなくていい、ゆっくりでいい、無理しなくていい
大切な何かを、見失わないために。

そういったことを地道に繰り返すしかないのだと思いました。
あきらめずに丁寧に暮らしていくことで積み上げるモノ、
それがその人の道標となっていくのだと。

はっとさせられた箇所。
『私は愛情をかけられなかったわけではないが、ずっとひとりだった。』
『この胸の中の輝きは誰にも分かりはしない、簡単に分からせはしない』
道に迷う全ての人に。。



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