風になれたら

SUZUKI Bandit1250Sに乗って風になり
中島みゆきや渡辺美里を聴いて風になり
山を歩いて風になる

北アルプス表銀座を行く 3日目

2018-01-13 | 徒歩の旅

9/20 晴れのち雨

まだ暗い中お湯を沸かしてフリーズドライのおこわとスープで身体を温める。気温は一桁だろう。テントをたたんで常念山脈を南に向かう。

右側は深い谷に繋がっている。そして右前方にはいつも槍ヶ岳の勇姿が聳えている。そんな稜線の白い道を進んでいく。谷から吹きあげる風が思いのほか強い。ときおり身体を押されてバランスが崩れるほどだ。

樹林帯に入り秋の気配を感じながら今日の中間地点の大天井岳を目指す。

樹林帯を抜けて歩いていると前方でクークーと声がした。なんかいるのかなと思ったら大きな鳥が2匹歩いていた。雷鳥だ。急いで写真を撮ったがピンボケだ。

少しずつ岩場が現れてきた。ここの切り通しには小林喜作のレリーフがある。槍ヶ岳の東鎌尾根に喜作新道と呼ばれる道を作った人だ。

風が強くレリーフの先の痩せ尾根をビビリながら素早く通過した。今回初めてのドッキリ場所だ。

風はますます強くなり大天井岳の山頂近くまで身を低くして歩いた。ときおり身体があおられて転びそうになり生きた心地がしない。みんなよく歩いているなと思った。後で聞いた話だがみんな恐ろしかったそうで転んだ人もいたらしい。

大天井岳の頂上も風が強く和める雰囲気ではないので先に向かった。

大天井ヒュッテまで降ると稜線から少し外れて樹林帯となりホッとする。この辺りの岳樺(ダケカンバ)は根元から横に生えている。雪による影響だろう。

小米草(コゴメグサ)

穏やかな道を歩き西岳のテン場に着いた。テントを張っていると急に空が暗くなり風が強くなってペグを打っていないテントが飛びそうになった。テントが飛ばされないよう咄嗟にポールを掴んだらポールがグニャリとしたので急いでフックを外した。セーフ、ポールが折れるのを避けることができた。周りの人たちも四苦八苦してテントを設営していた。テントを張り終わって中に潜り込んで一息つく。身体も冷えて疲れてしまったのでそのまま3時間ほど横になる。その内雨も降ってきてテントがしなり喚起口から水飛沫がたまに入ってくる。日本の山岳テント買うか?と思う。

ワインを飲みながら米に水が浸透するのを待った。水が浸透したのを確認しご飯を炊いてカレーを食べた。テントの中でご飯を炊くのは初めてだな。その間も風は吹き荒れていた。お腹も満たされたので体力を回復すべく風の音を聞きながら眠りについた。明日は晴れるだろうか。

 

コメント
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