goo blog サービス終了のお知らせ 

大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

復活した”権現舞”-復興と安全への祈りを込めて-

2013年01月02日 | 伝統行事

2013_0101_082907p1010173

昨年は震災の影響で行われなかった正月の伝統行事、権現舞が2年ぶりに復活しました。

権現舞は、元日の朝行われる地区ごとの行事で、小学生はささら踊り(権現様を誘導する舞子)を中学生と高校生は笛や太鼓をならし、成人は権現様の頭としっぽ振りと、地域の老若男女が集まって行う悪魔祓いの伝統行事です。一年の無事や安全を祈願して全戸を回ります。

津波で流された地区公民館(プレハブの仮設)が12月の末に完成し、五日ほどの急ごしらえの練習期間でしたが、身についた伝統行事は、みんな身体が覚えていて、すぐに権現舞になじんだようです。

2013_0101_083152p1010187

元日の朝にふさわしい快晴になった朝8:30、つむぎの家にやってきて、ささら舞に導かれ、まず氏神様に向かって舞を披露します。

ピンク色の法被は中学生、烏帽子をかぶっているのは小学生たちです。本来は”ささら舞”は小学校で終了するのですが、震災で2年間途絶えていたので、先輩になった中学生がお手本を示して舞っています。


2013_0101_083350p1010210

その後、つむぎの家の庭で勇壮な権現舞を披露。権現様は頭、胴体、尻尾と三人が一体となって幕の中で行動するため、呼吸を合わせる必要があります。

氏神様に向かって進んでいく間は、”道中舞”といって睨みを利かしながらも静かに舞いますが、途中で囃子が切り替わると、”悪魔ん払い”といって権現頭を大きく振りかぶり、家々の悪霊を追い払う勇壮で激しい動きになります。。


2013_0101_083253p1010203

悪魔ん払いの舞が終わると、権現様に扮した大人たちは、ささら舞の子どもたちからお神酒を頂き、一家の安全と繁栄を祈願して悪魔払いを終えます。


2013_0101_083522p1010221

つむぎの家での権現舞を終えて次の家に移動するところです。笛や太鼓などの裏方は、中・高校生が主体となっています。こうして、地域の伝統が受け継がれていきますが、高校を卒業すると地域に残る人は極端に少なくなります。

かつてつむぎの家に遊びに来ていた子どもたちが中学生になって、笛や太鼓を上手に演奏している姿に接し、久しぶりに会い、懐かしく声をかわして別れました。

町内会館は津波で流されましたが、ケースに保管されていた獅子頭や衣装は奇跡的に見つかり、つむぎの家の沢の水で、砂や泥を洗い流したことが、昨日のように思い起こされました。

こうして、権現舞が復活し、地域の復興に向けて、2013年のスタートをきることができました。

皆様にとっても良い年でありますよう祈願いたします。