ノブドウ(ブドウ科)
大小迫川の、3面護岸された下流域の川の側面を這うように、ノブドウが実をつけています。
まだ未熟な果実ですが熟すると光沢のある青や紫の色の変化を楽しませてくれるでしょう。
ミゾソバ(タデ科)
溝や用水路、小川などの縁に生え、見た目がそばに似ていることが和名の由来。
湿地を好むミゾソバは、川幅いっぱいに薄紅色の多数の花を咲かせ、川中に居座っています。まるでコンペイトウをちりばめたようです。
ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
ツリフネソウ(釣舟草)は、釣り下がって咲く花の姿が釣舟に似ていることに由来。半日陰の湿った場所に群生します。
濃い赤紫の花が、川の真ん中で咲き誇り、秋を謳歌。まもなく実をつけ、種を飛ばして命をつないでいくことでしょう。
ナギナタコウジュ(シソ科)
和名は、花穂が反り返り、花が片側につく様子をナギナタに例えたことに由来。
全体に強い香りがあり、ここ三陸地方では、小枝柿の渋抜きには欠かせない野草です。赤紫色の花がすがすがしい雰囲気を醸し出しています。
ノコンギク(キク科)
川べりに咲くノコンギク、花を訪れたキタテハとともに周りの草むらに溶け込んでいます。園芸種のキクような華やかさありませんが、薄紫色に群れ咲くノコンギクの花は、里山の秋を彩っています。
その他、アカソやボタンヅル、センダングサなどの草花に覆われた川の中はまるでジャングルです。
川の窪みを利用してジョロウグモは、川幅2m程の右岸と左岸を結んで糸を張り、草花を訪れる虫たちを待っています。
三面護岸された川にもかかわらず、川に積もったわずかの土砂に芽をだし咲き誇る草花たち。今年は雨が少なく、緩やかな水の流れを利用して川中に繁殖をひろげた野草たちの秋の情景です。