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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

同じ穴のムジナ(アナグマ)

2012年10月27日 | 里山風景

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ソバの刈り取りも終わり、ほっと一息をついた昨日、北尾根の山に秋の味覚を求めて散策に入りました。

サルナシの実を採取して、奥の尾根筋の近くで異様な穴を発見!もしやクマの巣穴では?恐る恐る近づいて見ると直径40㎝ほどの大きな穴が南斜面の倒木の根元に掘られていました。

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穴の周りではハチらしきものが飛び交い、3m手前にはため糞があり、穴につながる左手には穴を掘った土が盛り上がり、真直ぐな通り道になっていました。

「これはクマの仕業で、ミツバチを捕るためにクマが掘ったのでは・・・」?? でも、ミツバチよりも大きめの昆虫が巣穴の周辺を出入りしているのでジバチなのかと見ると、色はスズメバチのようで近寄るのが怖い状況でした。

昆虫は、巣穴の中と近くのため糞との間を行ったり来たりしていました。


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<ため糞>

ため糞をよく見ると、まだ真新しい臭いがして、クマにしては小さく、タヌキにしてはちょっと大きめの糞のようです。

巣穴の周りを飛び交っていたハチのようなものが糞にやってきて、糞をなめたりそこで交尾を始めました。近づいてよく見るとハチではなくベッコウバエでした。


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<ベッコウバエ>

全身べっ甲色で、獣糞や樹液、腐ったキノコなどを餌にするようです。


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ハエと分かったら刺される心配はないと安心し、巣の状態を見るため、手持ちの4mの長さの高切ハサミを、恐る恐る穴の中に突っ込んでみました。

始め柔らかい感触が伝わり、獣か?と思ったのですが、木の葉のようで、竿はどんどん中に入っていき長いトンネルであることが分かりました。4mの竿はいっぱいいっぱい入ってもまだ先があるようでした。


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掘った土の量からみても、どうやら深くて、複雑に入り組んだ巣穴のようです。

タヌキは巣穴を造らず、他人が造った巣穴を間借りして住みこむちゃっかり者のようです。

家に帰って調べてみて、この巣穴の家主は、アナグマではないかと思われます。アナグマは、前足の爪が大きく穴掘りの名人と言われ、倒木の根元を利用して水はけのよい斜面にトンネルを掘り、そこから枝分かれした部屋をつくるそうです。

でも糞はタヌキのようで、どうやら、タヌキはアナグマの巣穴を間借りして住み込んだようです。

アナグマの巣穴にタヌキのため糞とは・・・

「同じ穴のムジナ」ということわざがありますが、まさにこの言葉どおりのことが起きているのですね。このことわざは、人間界ではあまり良い意味では使われていませんが、自然界では、利用できるものは何でも活用するという生きる証のようですね。