ヒオウギ(アヤメ科)
ヒオウギは、葉が扇を開くように広がるのでこの名があります。
かつての棚田堰を取り囲むように咲き誇っていました。ここは減反政策で米作りをやめてから、長い間放置された場所です。昨冬に荒れ放題の棚田を整備したので、この夏、初めての出会いとなりました。
ヒオウギの、オレンジ色に赤い斑点がある花は一日花で、次々と咲き、花後には黒々とした光沢のある種をつけます。
緑の木陰に、群生したオレンジ色のヒオウギは「この時を、待ってました!」と迎えてくれたような温かな表情でした。
オオルリソウ(ムラサキ科)
オオルリソウは、ルリ色の小さな花で、林道の山際の草むらに隠れるように咲いていました。暑い夏に、さわやかさを感じる清楚な花です。
オオルリソウは、花序を横に伸ばしながら点々と花を付けます。種はカギ状のトゲが密生し、服につくとまるで「くっつき虫」のようです。
ヒナノウスツボ(ゴマノハグサ科)
ヒナノウスツボは、花の形が小さなツボのように見えるからでしょうか。沢沿いの草に、まぎれるように咲いていました。笑みを誘うユニークな表情です。
自生地は関東地方以西の本州、四国、九州に分布しているとされていますが、ここ三陸の沢沿いの湿った場所に、暗紅色の花をつけ数株ありました。岩手県、石川県以北にあるエゾヒナノウスツボとは明らかに違います。地球温暖化とともに分布域を広げてきたのでしょうか?