イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

ANADOLU APARTMANI(アナドルアパート)

2009-06-26 01:22:38 | イズミル暮らし・イズミル案内

アパートの横の道を下ります。

我がアパートの横の急な坂道を海へ向かって降りていくと、MITHAT PASA CADDESI(ミトハトパシャ通り)に出ます。この辺にその昔ユダヤ人やギリシャ人が多く住んでいたことから、今もRUM EVI(ギリシャ風の家)と呼ばれる古い建物を見かけます。


坂道の途中にある廃墟。素敵な建物なのにもったいない…。

ただこの建物は歴史建造物に指定されると自由に改築・改装ができなくなるため、手が入れられずに朽ち果てるままになっていたり、わざと放火をして燃やしてしまうなど、廃墟の様になっているものが多かったのですが、最近は市が修復に乗り出して息を吹き返した建物も見られるようになりました。


降りるのはいいけれど、絶対に歩いては上れません。

ある日曜日、そんなミトハトパシャ通りの写真を写しながら歩いてみました。往復約10キロ、折り返し地点はGOZTEPE(ギョズテペ)地区です。

まず見えてくるのがこちらのピンク色のきれいな建物「OTEL DEVAK」と言うホテル。反対側は海に面しており、現代的な普通のホテルなのですが、こちら側はこの通り。



次は数軒のRUM EVIが軒を並べており、数年前に市による修復が終わり現在は一部が幼稚園となっています。




幼稚園。どんな子供たちの声が聞こえてくるのでしょう。

お次はこの重厚な建物。MITHATPASA ANADOLU TELNIK VE ENDUSTRI MESLEK LISESI(ミトハトパシャアナドル技術・工業・職業高校)です。1867年創立の歴史ある高校ですが1997年の火事で使用不能となり、再建チームによりすべての建築資材がイスタンブルで特別にあつらえられたそうです。


この建物の横壁が、まったくこの重厚さに似つかわしくないクリーム色に塗られてしまい憤慨。

次に見えてくるこの建物は住む人がいるのでしょうか。鉄の扉の中には真新しい車が停まっていました。



こちらは、一見地味ですが県知事公邸。



この辺りまで来るとだんだん通りがにぎやかになり、商店街も活気があります。ちょっとおしゃれなお店も多くゆっくりと歩いてみたいところ。イズミルの地元サッカーチーム「GOZTEPE(ギョズテペ)」の本拠地でもあり、普段はチームの巨大な応援旗が掲げられているのですが、この日はトルコ国旗が翻っていました。



HSBC銀行も一部が歴史建造物になっています。


HSBC銀行。

この日の、最終目的地はこの建物でした。この建物の名前はANADOLU APARTMANI(アナドルアパート)。イズミルの最も古いアパートです。





エジプトの商人により建築が始められ、その後ムスタファ ラグップ デヴレスと言う人物が1905年に完成させました。当初4階建ての建物にあとから最上階が加えられたそうです。二つのブロックからなる計16世帯のアパートでした。建築当時アパートの前面にあったと言うバラ庭園が後に映画館となったのですが、それも火災の為に朽ちてしまい現在はこの通り駐車場に。2000年に、ある映画フェスティバルの為に作られたアナドルアパートについてのショートフィルムがあるそうなのですが、どこへ行けば見ることができるのか…。いつもこの道は車で通っていて、アナドルアパートも見ているのに由緒については知るはずもなく、偶然このアパートのことを知った時は残念ながら修復の為に、最後の住人が立ち退いて門扉に鍵がかけられた後でした。どんな人が住んでどんな人生をアナドルアパートは見つめてきたのでしょう。


修復プロジェクトの完成予想図。

現在アナドルアパートの修復プロジェクトが立ち上げられたようです。1905年当時最もモダンであったアナドルアパートが、21世紀の新しいアパートに生まれ変わるのはいつのことでしょう(期待薄…)。






坂道の途中にあるこの物体、なんだかわかりますか?
元ストーブを使った植木鉢。
          人気ブログランキングへ




☆現在のイズミル☆



18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
急階段 (cake)
2009-06-26 08:32:09
こんなに階段が急なのね。良いダイエットになりそう。(^^)←自分は登らないけど。

古い建物が残っていますね。
この突き出た部分は、バルコニーなのでしょうか。一度朽ちてしまった建物は、改修するのに新築よりも掛かります。でもそれは、日本の建築事情かも知れません。せっかくの素敵な建物群ですから、是非多くの人達に使って欲しい物ですね。
せっかくの歴史的建造物が、クリーム色に塗られてしまったと、yukacanさんが嘆いていますが、古くなった素材の色を愛でるのは、侘び寂びの分かる日本人らしいですね。
返信する
素敵だわ~!!! (kayakatusra)
2009-06-26 15:53:07
ここ私が大好きなところです。
こういう建物が、ふら~としていたら現れてくる所がIzmirの素敵な所ですよね。前に繁華街からちょっと外れた道を入ると、こういう建物がある道があって、アンティークショップを見つけたのです。もう一度行きたいのに・・・・。あの道を探すのはちょっと難しそう?!
返信する
旅しているわ~ (CHISATO)
2009-06-26 16:01:00
すっごくきれいな町並みで、歴史を感じるようないい町ですね日本にもありますね。東北や南紀や九州・・・沖縄にも「歴史だ!」と思うような建築物が多いです。私が勤めていた某銀行のA支店はすっごく古い建物でエレベーターが手動式でしたもちろん動かすのは電機ですが「タイタニック」のようなドアでしたよ~でもいまはありません。そういった古く歴史的な建築物は残して欲しいですね
返信する
古い建物大好きです! (そふぃー)
2009-06-26 19:48:37
よだれが出そうです!!!何回も写真を眺めています
古い建物を残すことは、どんなに大変かということを、よく聞きます。
でも、修復して、保存してほしいですよね

>元ストーブを使った植木鉢
いいですね!急な階段も、ホッと一息つけますね
返信する
cakeさん (yukacan)
2009-06-27 05:26:51
この急坂はダイエットにはならないと思います。私がどこかへ行くのにはこの階段よりもう少し多く昇っているもの。
突き出た部分はどうなっているんでしょうね。見た感じ出窓みたいな感じですよね。新築よりも改修の方が大変というのわかるような気がします。この時代の職人気質なんてもう今はあまり残っていないでしょうし…。実はこの幼稚園の横の残りの建物もここ数年空家状態で、また朽ち果ててしまいそうなのです。
クリーム色じゃなくてもう少しこの建物の色にあった色が探せなかったの?と聞きたいのです~。
返信する
kayakatsuraさん (yukacan)
2009-06-27 05:28:34
まずは、お誕生日おめでとうございます!
ここへはアサンソルへ行った時に通ったの?アサンソル付近は寂れているけれど、ギョズテペ方面へ行くとなかなかにぎやかでいい雰囲気なのです。アンティークショップ、どこでしょう?早く来ないとなくなっちゃうよー。
返信する
chisatoさん (yukacan)
2009-06-27 05:31:08
写真だとごみとか汚いものがあまり見えませんね。日本で古い建物を大切に残しているところは、本当に多いですよね。chisatoさんが勤めていらした銀行の支店の建物も素敵だったのでしょうね。三越の本店や高島屋はまだ手動エレベーターなのかな。かっこいいですよね。こうやって今も生きている建物って素敵。
返信する
そふぃーさん (yukacan)
2009-06-27 05:33:46
ふふふ、そふぃーさん、よだれを拭いてねー。この辺りで朽ち果てている古い建物がどれだけ多いかを見たらそふぃーさんがっかりなさるでしょうね。でも今度の区長がうちの区の古い建物は修復保存すると言っているので期待したいと思います。
このストーブ、全然気がつかなかったのです。3月に遊びに来た友達が気がついてくれました。坂道を昇っているときはそれでも目に入らないと思いますけどね…。
返信する
Unknown (まきのや)
2009-06-28 11:26:36
古い建物と新しいものとがうまく混在しているみたいですね。私も古い建物がある町が好きなので、イズミルにも行ってみたくなりました。

しかし、10kmとは健脚御見それしました。
返信する
Unknown (Andi)
2009-06-29 02:30:00
古い建物は大好きです。写真のアングルがいいですねぇ。

M村海辺のレストランで夕食を食べながらインターネットしてます。(お行儀悪い)また今日もSIMカード買うの失敗しました。明日はIzmirの歯医者です。お宅に電話してもいないようなので(涙)明日IzmirでSIMが買えたら即電話しますね。乞うご期待。
返信する

コメントを投稿