イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

最後の写真

2007-05-03 06:30:11 | クムル

今朝写した2羽揃った最後の写真。

4月17日に生まれたクムルの雛達、すっかり大きくなり親鳥と変わらぬ大きさになりました。生後1週間もした頃には親鳥達は巣には一日に数回ミルクをやる時のみやってくるようになって夜も雛達だけで過ごしていました。そしてここ数日は朝晩親鳥は必ずベランダで雛達を見守るように停まっていることが多くなり、いよいよ巣立ち準備の為に雛達が巣から飛び出した拍子に落ちないようにあたかも見守っているかの様でした。

今日は私は朝から出かけており夕方家に戻ってすぐにベランダの雛達をのぞくと雛鳥2羽とも巣箱の端に停まってもういつでも飛び出しそうな態勢です。もしかしたら留守中に試験飛行をしたのかもしれません。そう思いながらドアから見ていると1羽が突然飛び上がってベランダの外へ飛んで行ってしまいました。あっと言う間の出来事、向かいの家の屋根に着地をしたもののそこからここまで帰ってこれるのかどうか心配しながらもきっと帰ってくるだろうと思ってしばらくした後にもう一度ベランダを見ると親鳥2羽が揃ってベランダにいます。あの雛はどうしたろうと向かいの屋根を見ると、そこには大きな真っ黒なカラスがいました。

初めて飛んだ日に世界を何も知らないうちにほんの一飛びしただけで雛鳥の1羽は死んでしまいました。きれいな巣作りに始まり18日間身じろぎもせずに卵を温めた親鳥達、今日まであっと言う間に大きくなった雛鳥。何の為に生まれてきたんだろうと残念でなりません。親鳥達はたぶんいつも鳩を追い払っている私達が今日も助けてくれるとでも思ってベランダに来たのでしょうか。親鳥達はカラスのそばで遠巻きに見ているだけでした。

死んだ雛は生まれた時からもう一羽に比べて元気がよく、親鳥の嘴もいつも独り占め、私が脚立に昇って写真を撮ろうと構えると一丁前に羽を膨らませ、嘴をカチカチ言わせながら威嚇のポーズをとるようなこともありました。

ショックを受けたのは夫も同じで「カラスはもう今日から敵だ!」そうです。もう一羽も慌てて飛び出さないようにベランダの日除けを下ろしてしまい「どこへもやらないで哺乳瓶で育ててやる!」なんて言っています(冗談でしょうが)。
自然界の厳しい生存競争を目の当たりにして、それでも私達が見ていなかったらもしかしたら飛び出さなかったかもしれないと悔やまれてならないのです。





    





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