イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

続・偽造印紙事件その後

2006-03-25 21:16:48 | Weblog
 空港内警察の取調室、ではなくて書記担当警部の部屋。

随分書くのが遅くなりましたが、3月の上旬に最寄の交番へ行った次の週、いざイズミルの空港へ出かけました。まずは私の考えた様に税関の印紙販売ブースへ行きました。夫は写真を写そうと構えていたのですが、そこには夫に印紙を売った職員はいませんでした。そこにいた職員に夫が「この印紙を買ったんだけど、イスタンブル空港で偽造と言われた。自分は何をしたらいい?」と聞くと座っていたおじさん職員は「私には何もできませんねえ。他にも何人かそう言って来た人がいたけれど、これはその人のやったことで私の責任じゃないんですよ」と笑顔で返事をしてきました。行く前は瞬間湯沸かし器の夫に「冷静にね、興奮しないでね」と言っていた私!夫は笑顔で話しているのに、私はついついつばを飛ばして「もちろんあなたに文句を言っているんじゃなくて私たちは税関としての対応を待っているんですよ」と言ってしまいました。笑顔のおじさんも全くひるむことなく「でも私には何も出来ませんから。だいたいその人はその手の苦情が他にもあったので税関本部の方へ行かされたんですよ。あなたは、税関本部へ行ってその人と対峙するしかありませんね」ここでも私は興奮して「じゃあその人をご存知なら名前を教えて下さい」と言ったら夫は「見ればわかるからいい」と言うのです!
結局その税関本部の場所と空港内警察の場所を聞いてそこはおしまい。

空港内警察はのんびりとした昼下がり。警察官達がのんびりと談笑したりケータイで「娘よ、学校で何をしたんだい?アンネは何してる?ちゃんと手伝うんだよ」と話している人、拳銃を持ってきて「ちょっとこれ隠しておいて」と新聞紙にくるんで書棚に鍵もかけずにしまう人、と言った様子でした。

でも夫が用件を説明すると担当の警部が話を聞いてくれ「ああ、あの件ですか。2・3件あなたのほかにも苦情が来ていてますよ」と言いながら警視のところへ案内され再び事情説明。警視は「大変でしたね。それでは今から事情を詳しく伺って検事に証拠のパスポートと一緒に提出をすることになります。まあ他の人からの件もあるのでその人は5・6ケ月もすれば刑務所行きですね。」と言うのです。

それからは書記の人に全ての説明と売った人の人相書きなどを説明、売った人を訴えると言う形で夫のサインをし終了となりました。

ここでまた我慢できない私は、「彼女に対して訴えるのですか」と聞くと「もちろんもちろん!他に誰がいますか?」と書記の警部は言うのです。夫も同じ。「え、だって彼女ももちろんそうだけど、税関の責任はないんですか?」と言ったら「やあ、これは彼女が独断でやっていることなので税関に対しての訴えにはならないですね」とのこと。

皆さんどうお思いになりますか?日本でもしこういうことが発覚したら結構なスキャンダルになると思いませんか?少なくともイズミルの税関責任者に対して何らかの責任をとらせるとは思いませんか?

その夫がサインをした訴状にパスポート原本を添付して、検事及び鑑識へ送られるのですが、本人にはコピーをくれるわけでもパスポート預り証をくれるわけでもありませんでした。一応小声で「この書類のコピーは私にもらえますか?」と聞いた夫、「いやあ必要ないない!」と3人の警部が声を揃えて言うのですぐに引き下がっていました。自分がサインをした書類のコピーをもらえないんなんて心外。

もうこれで70YTLが戻ってくる可能性は消えました…。

その後、パスポートは数日後に鑑識で「正真正銘の偽造印紙」と言うお墨付き!をもらって夫のいる場所まで警察の人が届けてくれました。そして数日前、今度は大蔵省から事情を聞きたいと言う連絡が来たので、大蔵省まで夫は出向き同じような調書を書いてきたそうです。なんでも「内密の調査」だと言っていたそうですが…。どうして内密なの?