長崎の友から桃の節句の春の祝いが届いた。
三千年のむかし「詩経」に桃のことがうたわれている。
卵、砂糖、小麦粉、水飴で作った生地を天日で焼き上げ、その上にすり蜜を二度かけるという。
こうして乾いて白くなってから紅をさし、飾りをして桃の実の姿に似せる。
その甘さ、姿はそれを口に含む人々をしあわせ!と思わせたことだろう。
中国古来の風習と南蛮の味覚が生んだものと「松翁軒」の説明書きにある。
そして『桃夭』という詩経の詩。訳詞も松翁軒のパンフレットによる。
桃之夭夭 有粉其實 桃の若々しいさま、その実ははちきれんばかり
之子干歸 宜其家室 その桃のような娘が嫁いだなら、きっと素晴らしいお嫁さんになるでしょう
松翁軒はカステラの老舗、私が若いころ、このお店の当主はカステラが生まれたポルトガルに行き、カステラを
研究されたことを思い出す。
去年、お邪魔したおり、ご当主はまだご健在であった。
雪が舞いだした。愛宕神社がうっすらと隠れるほどに。