秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

小塩山 十輪寺。

2008年03月23日 10時37分38秒 | 旅ゆけば
このお寺は何度か前を通過していましたし、一度は門前まで来て、拝観料がいるの
かよ~、と引き返したこともありました。

まぁ、20代のころだったし、拝観しても値打ちはわからなかったでしょうね。
  
今なら400円の価値はある、と思えます。

創建は850年、文徳天皇の世。本堂は応仁の乱で消失して、寛延三年(1750年)
の再建。屋根は鳳輦(ほうれん)形という神輿を形どった非常に珍しいものです。

京都市内の古刹は何度かの大火事で消失し、再建されたものがほとんどです。
鄙びた場所だったから、こんな珍しい屋根も残されたんでしょうね。
  

昨日もふれたけど、このお寺は在平業平(伊勢物語の主人公)が晩年に隠棲
し、塩焼きの風流を楽しんだ、ともいわれます。
  
↑塩焼きの釜跡。このあたりを小塩と呼ぶのはその名残だそうです。

塩焼き、といえば能で、東国の僧が源融の廃邸で塩汲みの老翁に出会う話があります。
当事、融は広大な屋敷を構え、池に毎月三十石の海水を運ばせ塩焼きを楽しんだ、
といわれています。(場所は今の東本願寺)

塩焼き、という行為は貴族たちの楽しみの一つだったんでしょうね。

融の亡きあと、この屋敷は荒れ果て、幽霊屋敷となったそうですが、この話はまた
いつかしましょう。(ホンマかいな。)

  

話が迷走(はい、いつもの事です)してしまった、続きは夕方の後編へ。


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