秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

罧原堤

2009年02月19日 06時19分00秒 | 京都非観光迷所案内
松尾から嵐山に向かうこの道路、罧原堤(ふしはらつつみ。しかし読み難い地名が
多いですね、京都って土地は)、観光シーズンは車が大渋滞するところです。

時代劇の撮影にもこの河原はよく登場しますね。船付場のロケシーンはたいがいこの河原。

土地の古老の話ではこの近辺で「ごはっすん」と呼ばれる怪獣?が生息していた
そうです。胴の周りが五寸(約15㎝)長さが八寸(約21㎝)で、枕のような形、
といえば、そう「つちのこ」ですね。

また大水がでたときには、牛のような黒い背をした怪獣が上流から流れてきて
水が引くと同時にまた上流へ戻って行ったとか・・・。

松尾の大神は、急流は鯉に、緩やかな流れは亀に乗られ、山城、丹波の国を開拓
されたそうです。

そのため、亀岡の一部域では鯉を神の使いとして崇め、けして食べることは無く、
鯉幟もあげないそうです。

崇高で不思議な川だったんですね。

「大原女」や「白川女」はよく知られていますが、桂川にも※「桂女」と呼ばれる
女性たちがいたそうです。

鎌倉時代は遍歴する鮎売りの商人として「おほやけもの」といわれ、室町時代には
遊女の一種とみられていたようです。

その後も桂川の鮎を朝廷に献上を続け、名主は女系相続をして明治まで緒家の
祝い事の祓いや貴人の婚礼の際のお供をする、巫女的な働きをしていたそうです。

やはり不思議なパワーを持つ川なんですね。

明日はこの罧原堤を渡った「松尾大社」の「人面岩」です。

※桂女は「桂包み」「桂巻き」といわれる長い白い布で頭を覆い、前で桂結びを
していた。その一枚布が「桂むき」の語源といわれる。京都語源案内 黒田正子著。