「ねぇ、猫の毛が、洋服に付くんだけど。
もう元気になったんだから、外に出せば?」
と、夫が言った。
『え?飼っていいって言ったよね?違うの?』
「いいけどさ、命を救ってやったんだから、もう外でも暮らせるでしょ」
耳を疑った。
命を救ったから、それでいいと。
その子猫を拾ってからは、情報を収集して、保護することや
今はNPO団体が活動していることなど、得ていた。
だから、「元気になったから外に出しても良い」ということはよくないことだと
認識をしていたのだ。
取り急ぎ、夫には引き取り先を見つける、
そのためには諸々の踏まなければならない段階があると説明し、その場は収めた。
長女にもその旨、話をしたが、引き取り先を見つけるのならば協力すると、言ってくれた。
まずは、病気の確認と、ワクチン接種。
保護団体へアプローチするか、ネットで保護猫サイトを見つけて登録するか、
去勢の有無も、引き渡しには関係してくるし、
なにより、サイトに登録するにしても、ど素人の譲渡では信頼を得られにくい。
そこはどうするのか…
考えることがたくさんあった。
それよりなにより、その段階に行くまでの間、夫の機嫌を損なうことは許されなかった。
そうでなければ、すべてのことが水の泡になってしまう。
夫に、子猫を勝手に外に出されてしまっては、自分たちが一生懸命に踏んできた段階を潰されかねない。
日々、神経をとがらせ、一切の粗相は許されない。
去勢できる時期が来るのを待ちわび、早々に実行した。
(マーキングというのは、猫好きにとっても、とても困ったことであるから)
子猫の状態を見、方法を考えた。
それでも、時は無情にも過ぎていく。
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