時生 (講談社文庫) | |
東野 圭吾 | |
講談社 |
この本ね、違った形で読み急いでしまった物語。
設定は「ありえないこと」ではあるのだけど、すっと読めてしまう話ではある。
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不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、
二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。
どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、
謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った―
「BOOK」データベースより
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主人公、拓実は自分の周りのことすべてを人のせいにして生きている。
口癖は「一発デカい事を当ててやる」
精神的に子供で、謙虚従順という言葉を知らず、
自分の気持ちの向くままに行動し、失敗し、人に迷惑をかけている。
とにかく、下品でやんちゃで、救いようのない青年なのだ。
そんな彼にも付き合っている彼女がいるが、その彼女(千鶴)はある日忽然と姿を消してしまう。
そんな中、「花やしき」で出会った一人の少年。
天涯孤独だという彼としばらく一緒に過ごすのだけど、
彼(トキオ)は、拓実の過去をなぜか知っていた。
不思議な少年トキオと過ごし、導かれるうち、自分というものを見つめなおせるようになった拓実。
トキオはいったい、何者なのか?
物語のほとんどが、拓実とトキオが千鶴を探し、その中で自分の過去と向き合うといったことで埋められている。
だからこそ、読み進めたわけだ。
このどうしようもない男、いつ変わるんだよ!?って(爆)
ちなみに、トキオの母親は千鶴ではない。
母親と拓実を引き合わせるのも運命で、そこにはトキオもかかわることになるのだった。
不治の病を背負うことになるかもしれない子供を、あえてこの世に生み出した拓実。
そうさせたのは、トキオとの出会いだった。
トキオの言葉が、じんときた。
「生まれてきて、よかったよ」
星:☆☆☆☆
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