HITOMIのおくに(ちょこっと日記)

瞳にうつる たくさんのもの・・・日々を(出来れば面白く)書きたい、ちょこっと日記です。

厳しい現場

2007年07月10日 |  思いのまま
今日のA新聞の中記事生活面に『消耗する介護の現場』という特集があった。
時給パートとして特養で働くシングルマザー。
介護福祉士の資格を取れば正職員になれると、採用面接で言われたが
資格を取った今も 約束は守られていない。

幼い我が子の
「寝ないで一生懸命働いてるのに、なんでお金ちょっとしかもらえないの?」
という言葉が胸に刺さった、と書かれている。
介護報酬切り下げで、賃金を減らさざるを得ず
そして、介護の質すらも懸念される事態だ。

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いま、ワタシはよく思う。
資格を持っていれば有利とされるが、
果たして それは本当だろうか?
新聞でも、Webでも資格の数はあまたあり
それに関する通信教育や、学校など多数。
しかし、本当に【資格は生かされているのか】

そして、労働に見合った賃金は保証されているのか。


ワタシの知り合いにも、有資格者はいる。

ひとりは、介護現場で働いている。
社会福祉士という資格は持っていても、通用するのは役所だけで
現場ではなんの役にも立たないと言っていた。
上から「それより【介護福祉士】の資格を取れ」と言われたそうだ。

ワタシから見ても、彼女は心温かく
育った環境がうかがい知れる、思い遣りのある人だ。
職場は デイ・サービスのみなのでほぼ定時に終われるが
やはり、入浴介助やその他のことは重労働。
おまけに、職員の力量には差がありすぎ
職員の中でのイジメもあると言う。

イジメにより辞めていく職員があることも知っているのに
上は、知らんぷりを続けているようだ。
しかし、彼女も簡単に職場は変われない。
生活がかかっているのだ。
月の手取りは、14万ほどだという。


もうひとりは、獣医師。
動物が好きで、不慮の事故や疾患により死んでいく動物たちを助けたいと
自ら選んだ道。
都会で開業するなり、勤めるなりすれば、そこそこの収入はあるかもしれない。
しかし、家庭の事情で、
大学院での研究途中で田舎へ帰らなければならなかった。
そして、動物病院で一医師として勤めている。

人間の医師と同等に近い年数と教育を受け、
国家試験を合格して、獣医師となる。
人間より更に小さな体(大きなものもあるが)で、
言葉で伝えられない動物たちを看る。
急患が来れば、緊急オペが入り、術後経過もちゃんと見る。

その人も、動物への愛情があるからこそ、真剣だ。

しかし、動物を飼育している人や
経営者との温度差は かなりある。

都会と田舎、ペットに対する感覚も、違う。

そんな環境のその人も、手取りは【都会のOL初任給並み】だ。

これは、勤務医にも言えることだと思う。


【情】や【思い遣り】【信念】が関わる職場は、今窮地に立たされている。
そういった気持ちが「ボランティア精神」で片付けられているのも事実だ。
そして、そういった気持ちがないと、勤められる現場ではないことも確か。

祖母がお世話になっているホームの職員も、どのくらいの報酬なのかは分からない。
ただただ、支払う側とすれば、それだけの事をして下さっている分
それに見合った報酬を頂いて欲しい、と 思う。
それは、自分たちが今後 たどっていく道に安心していたいから。

この身を預けることになるかもしれない職場の人に
無理はしてほしくない。
そういった心配をしないような【国】であってほしい。
コメント
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