HITOMIのおくに(ちょこっと日記)

瞳にうつる たくさんのもの・・・日々を(出来れば面白く)書きたい、ちょこっと日記です。

『明日の記憶』読了

2006年06月05日 |  favorite & レビュー

淡々とした、切々とした小説でした。
細かに描写される主人公 佐伯のこころ。
彼を取り巻く環境と人々、そして妻 枝実子の支え。
自分が自分でなくなる恐怖と、それに伴う人々の変化と嬉しさ、悲しさ。

小説においては盛り上がりというものはないが、
事細かな情景や心情描写により 読んでいるはなから頭に自分なりの映像が浮かぶ
実生活に即しているような物語だから、すんなりと入りやすい。

「人としての原点」をお考えの人は 読んでみて欲しいと思う。
そこには、ただ「夫婦愛」「家族愛」「人間愛」しか存在していないから。


ワタシは小説の途中で 映画を観たので 比較してみた
これほど原作に忠実に映像化されたものは ワタシの中ではなかった。
確かに、小説だから事細かく書き込まねば その人のバックグラウンドはわかりにくい
その点、映画では映像として表せるので 省いている。
その逆もあって、小説のままでは映画として「盛り上がりに欠ける」
2~3のエピソードは映画版として作られており
観た人には強いインパクトを与える

感動して涙したい人は 是非映画をお勧め!
静かに心を洗われたい人は 小説をお勧め!

欲張りな人には 両方ともお勧め!
コメント
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