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ようこのかまど

おいしいからうれしくなるのかな、うれしいからおいしくなるのかな。

ラップランドの初雪と 〜フィンランド秋旅2017①〜

2017年10月22日 | たびたべた

(ロヴァニエミ大聖堂)

人生はde-cideの連続であると
よく叫んでおられた高校の英語の先生の声が
最近耳に蘇る。

なるほど、たしかに
重大な主題が次から次へと降り掛かってくる。

ただ、想像していたのと少し違うのは
眠れないほど真剣に悩ましいぞこれはと思って
おふとんに入って夢と現実の間でまで懸命に祈り続けていたはずが
いつの間にか目覚ましが鳴っていたりするところ。

人間関係にせよ、信仰にせよ、キャリアにせよ
しっかり考えて自分の意思で決めなくてはと思うのだけれど
日々に忙殺されて、という言い訳もいらないかもしれない、
とにかく心のどこかで既に何かに委ねている自分を発見する。この習慣はいつからだろう。

思い浮かぶのは夢十夜の運慶の章。
黙々と彫っていると、在るべき姿が現れてくるという。
その与えられた“在るべき姿”を問うてひたすら耳を澄ませるしかないのではないかと
なんとなく今までの経験からそう思ったのだとしても不思議はない。
自分の意思ってなんだっけと思わなくもないけれど
別に虚しくもならない。
“黙々と”待つことは、思考停止ともちょっと違うのだ。

ただ、盲目に彫っていて角度が大幅にズレていたら危ないから
心から信頼できる相談相手が数人居てくれることに感謝。
そしてどんなに澄ませても肝心の耳が詰まって聞き間違えたらどうしようもないから
いい空気を吸って十分な睡眠をとることも必須。ちなみに飛行機で映画みてデトックス…たとえば今回みたくララランドまた観ては性懲りも無く同じシーンで泣くとか、もそれに含まれる。

だから、夏休みがあってよかった。
フィンランドを旅してきました。
はい、またです。
でも秋は初めて。
北極圏も初めて。


*****


ヘルシンキで乗り換えて

この雲の層を抜けたら着陸のつもりでいたら
目的地はこの雲の中にあった。

北極圏の入り口、ロヴァニエミ。

真っ黄色の紅葉や真っ赤な木の実たちが

薄っすらと白い雪を羽織ってそれはそれは美しく

東京から来た私たちだけがはしゃいでいるかと思いきや

お寿司屋さんのお姉さんが最高にウキウキ気分で明かしてくれることには

私たちがロヴァニエミに到着したのは、初雪の降った翌日だったらしい。


(イッタラやマリメッコの食器をふんだんに使った寿司屋)

(体を温める、フィンランドウォッカのカクテル)

(お味噌汁にも意外と合うラップランドチーズ)

サンタクロース村もこの雪景色。

世界中の子どもたちからお手紙が届くこの村の郵便局から、-3℃にはしゃぎ過ぎて特に内容もないハガキを出してみた。
でも札幌も今日が初雪だって。

雪が降って見えなかったのはオーロラ。

ただ、オーロラを待つあいだ焚き火を囲むなど

幸せな時間に変わりはなかった。そして

Arktikumで寝転んでバーチャルオーロラ体験。
次回に備えての予習。


(スタイリッシュすぎる博物館Arktikum)

(プラネタリウムのようなロマンチックさ)

(光を呼び込む廊下と)

(その左右に広がる展示室)

しかしなにより心に残ったのは

26年間出会ったなかで一番大きな虹。
なにかメッセージが、あるのかもしれないし、ないかもしれない。
ただただ綺麗だと思って
そして私は
少し解き放たれていた。

杜の都の織姫さま

2017年08月08日 | たびたべた

七夕まつりを一度見たくて
明けてそのまま新幹線。
仙台の涼しい風に吹かれながら
たくさんの吹き流しが出迎えてくれました。

吹き流しって、織姫のようになれますようにと
供える織り糸を模したものなんだそうです。

手の届くところに下がってるなんて知らなかった。

子どもが肩車してもらいたがるのも分かる気がする。

夕ごはんは仙台人が好むというの“宅飲み”で
両親が集めてきてくれた東北じゅうの恵みをお腹いっぱいいただきましたとさ。

共感トレーニング

2017年07月04日 | たびたべた
新たに訪れた地のパン屋さんでは必ずあんぱんでお手並み拝見。

ひとりっ子だからか、ひとり遊びはひとより得意かもしれません。
こうして過去の自分と関連づけて、記録して、誰か知らない人に読んでもらっているかもしれない喜びに浸るのもそのひとつ。

こういう場所でそれをやってるのは、共感を求めない自分でいられるからです。SNSと違って。LINEとも違って。
案外、満足感が得られるものです。
そしておかげで、私はどんどん怠惰になっているような気がします。
一方通行の表現ってラクだから。


*****


外装が気になって入ってみたカフェでコーヒーをテイクアウト。

ひとりっ子だからか、見知らぬ地で待たされてもブラブラできます。

書いててだんだんヒドい人間に思えてきた…
ほんとは、コーヒーおいしいねって、したいんだ。それが無理でもせめて、おいしかったんだよ、へえおいしそうって。
でもなーんかうまくいかない。やっぱり求めすぎなのかな…つながりたいだけなのにー。
なのに。

これしきのことが
大の大人になって
儘ならない。

Freut euch mit den Froehlichen, weint mit den Weinenden.
Roemer 12:15
難しいことだからこそ聖書にもわざわざ書いてあるのかなあ。

品性

2017年01月03日 | たびたべた

大晦日は家族3人それぞれの持ち場でそれぞれの役目を果たすため、集合は翌日夜に仙台での約束。
お正月の朝は気持ちいい冬のお天気のなかてくてく歩いて、元旦礼拝に参加してきました。新しい年、すばらしいスタートが切れて感謝です。

そして父のお世話になっています仙台へ。
心ゆくまで朝寝坊して市場にお目当てのこれを、食べに行きました!

牡蠣とじ丼と牡蠣汁。

牡蠣だけでこんなにお腹いっぱいになるなんて…
ほかにも、塩釜の酒蔵の窓からお酒の匂いをクンクン嗅いだり

アウトレットモールで学会用のスーツを買ったり(飛行機も宿もとったし、あとは中身だけだ…笑)
伊達な冬休み、満喫してきました。
そうそう初売りって、遡ること戦国時代の仙台が元祖なんだそうですよ!


*****



旅先でおうちごはんもできるのが単身赴任家族の特権です。
北海道の方が送ってくださったホクホクのほっけと熊本風お雑煮、最高でした。
昨年の地域研修でお世話になった鹿児島でいただいたプレミア焼酎「魔王」もついに開けましたよ!
クセがなくすっきりとして、タイトルにぴったりなお味。

“…wir wissen, dass Bedraengnis Geduld bringt, Geduld aber Bewaehrung, Bewaehrung aber Hoffnung, …(艱難さえも喜んでいます。それは、患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。)”
ローマの信徒への手紙 5.3-4

“艱難汝を玉と為す”
これはおじいちゃんからもらった言葉。

“悲観と楽観のあいだにはいつも3番目の範疇があります。それは「希望」です。希望はよりよい方向に進むための行動と努力を生み出すのです。”
ヨースタイン・ゴルデル「ソフィーの世界」前書きより

キーワードが目を引いた今年最初のフレーズたちを記しておきます。
….Bewaehrungを「練られた品性」って訳した人すごくない?
品性って、練れるらしいよ!
練りましょうぞ、まだまだ!

私のパジェント

2016年12月26日 | たびたべた

今年のクリスマスは家族と。
かの有名な「光のページェント」を歩きに仙台までいってきました!
シンプルで、なんとなく東京のイルミネーションより落ち着いた雰囲気で、ゆったり楽しめました。

ただ寒くて寒くて…
食べたいもの?
あ、おでん!!!

というわけで美味しそうなおでん屋さんへ。
太平山を燗つけてもらいました。

仙台の人は鱈の白子のことを「たらきく」と言うそうです。
このたらきく酢、クリーミーでほんっとに美味しかったの!

こちらも仙台名物、三角油揚げです。

帰りの新幹線、最近お酒をちょっと飲みすぎている気もして
どうしてもビールと笹かま!って気分にならなかったんですよね。なので…

仙台駅のJRの通路にあって気になっていたチーズケーキ屋さんに寄ってみました。
焼きたてタルト、サクサクさっぱりしていてペロリでした〜


*****


ところで、ページェントとは。
英:pageant
日本では誤った発音で流布していて、正しくは「パジェント」。特にクリスマス聖誕劇のことを言うみたい。
そもそもパジェントとは「ページを開く」と言う意味の言葉からきており、歴史的な出来事の場面を“本のページをめくるように”次々と表現し造っていくという意味があるのだそう。

今日、このクリスマスの夜も、きっと私のパジェントの一部になったのだな。
そう思うからきっと、また朝がやってくる。


そいえば「レナードの朝」、いい映画だった。

いも日記〜さいごのいもはまだ〜

2016年11月03日 | たびたべた

下山して見た夕焼けの、きれいだったこと。

というわけで
会ってきました、念願の縄文杉!

前日の夕方にトッピーで屋久島入りしまして



丸揚げのトッピーに迎えられました。

噂のカメノテも…

でもこの日だけは絶対お酒飲まずに早寝する!と固く心に決めていたんです。

翌朝、4時出発なんですもの。
星がびっくりするほど近くに見えた!

トロッコ道を歩きながら日の出を確認。

屋久島には珍しい、大晴れ!とびきり運がいい私たち。

柵のない橋、怖いです

が、思い切って横を見るとこんな景色。



苔についた雫がビーズみたいできれいです。

山、その奥も山。

てくてく。

島の人々にとって、杉は神聖。

あ!シカだ!
そして…

ゴールっ!縄文杉!
ただこのエリアはガヤガヤと記念撮影しあったりして去ってしまうので、意外と慌ただしいイメージしか残りませんでした…
が、このプロセスを経て、会えたということが、重要。

帰りはもう少し周りに目を配れたかなー

膝はもうガクガクでしたが。

今回は白谷雲水峡には行けなかったけれど、トロッコ道から見える苔むす森。

そして無事に帰ってこれたのでした。よかったよかった。

(林芙美子の“浮雲”、読んでみたい)
凝り固まった太ももをお風呂でほぐして

最後の晩餐。
「三岳」の原酒。「大自然林」もおいしかったけど…だって、飲みたかった「愛子」はなんと品切れだったんですもの!では買って帰ろうやとお店に電話しても抽選とな。
よくよく調べてみると、かなりのプレミアものらしいのです。垂水の居酒屋のおじちゃんが、飲めるといいね〜と心配してくれてた理由がよくわかりました。
そこまで阻まれるとさらに気になる愛子さんです。どんな味がするんだろうねえ!いつか必ずや!と、ここ1カ月一緒に焼酎を飲みまくった相方と話しながら、東京という現実世界へ戻ってきたのでした。

(最後のプロペラ機。晴れてたのでとっても綺麗に開聞岳が見えました。)

(桜島が見えると歓声をあげてしまうようになりました。)

(お世話になった垂水もすぐそこ。)

(さよなら、桜島。)
そしてTシャツにカーディガンだった私は羽田に降り立ったときの寒さで悲しい寂しい気持ちが増強
…したものの、そんな気持ちがふっとぶほどの怒涛の患者把握に追われて夜を明かしましたとさ。

いも日記〜ホームの記憶〜

2016年10月27日 | たびたべた
こうして毎日桜島に見守られ

あちこち旅しつつも垂水に帰ってくるとホッとするまでになりました。
(いわゆる“堤防飲み”の会場。宿舎の隣にある堤防で、風にあたりながら缶ビール片手に見る対岸の夜景は忘れません。)


何度となくお世話になった(とくに22:30鴨池発の最終)垂水フェリー。
なぜか

うどんが食べられます。
最終便から降りた後、見上げながら歩いた星空も綺麗だったなー。

何度となく(いろんな意味で笑)お世話になった居酒屋さん。

いろいろ行ってみたけど最終的にここに収束するという。垂水のインゲンて甘くてとっても美味しいんです。あと

メヒカリって魚。ちっちゃなおさなか出ると何でも「キビナゴですか?」としか聞けなかった私たちが教えてもらった次の美味しいお魚でした。

もちろんメディカルもたくさん学ばせていただきました。

転院搬送の帰り、夕焼け綺麗すぎてこっそり写真撮る。

対岸の開聞岳が見えます。

そして最終週、恒例の焼酎抽選会!

地域研修を受け入れてくださっている院長先生の計らいが、粋すぎです。
私は3Mのうち魔王をあてましたよ!もったいないのでお正月に飲めるように家族の元に送りました。割れずに届いてますように!


思えば、だいじな時期をここで過ごしました。
来年度のことや、もっと長い目で見た医者人生、人間関係…
山を見ながらぼうっと考えたり、長電話したり、だらだら飲んだり。そういう一見疎な時間がだいじだった気がする。
そしてちょうど一年前の記事を見たら、自分の進むべき志望科がやっと見つかって嬉しいという気持ちが書いてありました。

ここで貯めたエネルギーで、東京に戻って(とりあえず)来年度までは(少なくとも)がんばらなくてはいけません。
ひ〜っ!戦々恐々!

いも日記〜キビナゴについて〜

2016年10月26日 | たびたべた

私たちがこっちにきて虜になったものがあります。

キビナゴです。これは甑島のフェリー港で売ってる燻製。

灰干し。鳥刺しもいいけどね。

焼酎は、迷ったら“くろいさください!”と覚えてきました。「黒伊佐錦」です。タクシーの運転手さんこれ1人でひと瓶飲んじゃうらしい…!


(勉強会の帰りに連れて行ってもらった、みんな大好きディープな鹿屋)

帰りが近づいています。
一か月田舎に暮らし、あったかい人々に触れて、もっとシンプルに生きようと思うようになりました。
いろんなもの・ことを整理したい。ただでさえ不器用な自分にとっては複雑すぎで、しょっちゅう思考停止が起きてる気がする。
…よし、帰ったら断捨離じゃあっ!
ノートのまとめ方教えてくれた先生も、本は読みたくなった時また買えばいいって、メモやプリントも常に更新することがだいじって、言ってたから!

いも日記〜嵐の種子島〜

2016年10月24日 | たびたべた

やってきました、かの有名な種子島です。
ただ、天気が大荒れ!


お隣さんの屋久島は雨がちだけど、種子島でこの大雨はレアなんだそうです。
綺麗なビーチを想像しながら…


途中、鉄砲館を見学したり、温泉で休憩したりしながら(河内温泉↑)
島を縦断しました。
丸いのが屋久島、長いのが種子島って
中学受験で暗記したなあ…
このドライブを体験すれば、一発で覚えます。


そんな不運にも思われた我々の旅に、救世主が現れました。

これまた色んなホテルに電話して断られた末にあけてもらった、(しかも17時頃予約したのに夕ごはんまで作ってもらった笑)ほんとうに親切なご夫婦の、素敵な民宿です!

こんなだから懲りない、毎回行き当たりばったり旅をしてしまう私たち。

すいすい飲めちゃう「しま甘露」。
島料理がおいしすぎて、一本空けちゃいました。このとき悟りました、私たちは今回これをしに種子島に漂着したんだなあと。

朝ごはんも自家製フルーツや釜炊きごはんと贅沢でした。
宿のご主人に「今回は下見だね!」と見送られ…

ドキドキはまだ終わりません。最後に立ちはだかった問題:ちゃんと帰れるか!?

(佐多岬)
“条件付き”ですが運航してくれました、はげしく揺れてもはや生きて帰れれば種子島に戻されても指宿に降ろされてもいいと思いました。

トッピーターミナルでレンタカー返すときに横殴りの雨で洋服が全部濡れて寒くて寒くて!笑 借りた毛布。昨日たべたトッピー。

そして無事に市内に帰ってきた喜びと安堵の一枚。

いも日記〜ブリ・カンパチの育つ町〜

2016年10月24日 | たびたべた

夕ごはん食べに1人で入ったお店のカウンターからキッチンを覗いてたら
どうも身を乗り出しすぎていたらしく
少しだけだよと言ってご主人がよそってくださった。

メニューに見つけると相方が必ず頼む、カンパチのカルパッチョ。

こっちの刺身の分厚いこと…!

院長先生が連れて行ってくださった、カンパチ養殖場のすぐ近くにあるお店。

カンパチづくし!

塩焼きもたまんないね。

養殖をされてた漁師の患者さんがいろいろと教えてくださいました。甑島や種子島から稚魚のついた藻を持ってきて、波の静かな垂水で育てるんだそう。暖流がいいんだって。

居酒屋さんでお話した銀行員の方は、養殖の魚の方が栄養あってきほん美味しいに決まってる!とおっしゃってました。まあ、

海見ながらの地魚も最高だったけど。


では、今日ご紹介する一杯です。
それまで八千代伝のんでて、少し違ったのは…と聞いてみたら出してくれた「もぐら」。
八千代伝が大隅半島代表のすっきりタイプとしたら、もぐらは薩摩半島代表でがっつりタイプ!といったところでしょうか。
このラベルの感じそのままでした。