
(ロヴァニエミ大聖堂)
人生はde-cideの連続であると
よく叫んでおられた高校の英語の先生の声が
最近耳に蘇る。
なるほど、たしかに
重大な主題が次から次へと降り掛かってくる。
ただ、想像していたのと少し違うのは
眠れないほど真剣に悩ましいぞこれはと思って
おふとんに入って夢と現実の間でまで懸命に祈り続けていたはずが
いつの間にか目覚ましが鳴っていたりするところ。
人間関係にせよ、信仰にせよ、キャリアにせよ
しっかり考えて自分の意思で決めなくてはと思うのだけれど
日々に忙殺されて、という言い訳もいらないかもしれない、
とにかく心のどこかで既に何かに委ねている自分を発見する。この習慣はいつからだろう。
思い浮かぶのは夢十夜の運慶の章。
黙々と彫っていると、在るべき姿が現れてくるという。
その与えられた“在るべき姿”を問うてひたすら耳を澄ませるしかないのではないかと
なんとなく今までの経験からそう思ったのだとしても不思議はない。
自分の意思ってなんだっけと思わなくもないけれど
別に虚しくもならない。
“黙々と”待つことは、思考停止ともちょっと違うのだ。
ただ、盲目に彫っていて角度が大幅にズレていたら危ないから
心から信頼できる相談相手が数人居てくれることに感謝。
そしてどんなに澄ませても肝心の耳が詰まって聞き間違えたらどうしようもないから
いい空気を吸って十分な睡眠をとることも必須。ちなみに飛行機で映画みてデトックス…たとえば今回みたくララランドまた観ては性懲りも無く同じシーンで泣くとか、もそれに含まれる。
だから、夏休みがあってよかった。
フィンランドを旅してきました。
はい、またです。
でも秋は初めて。
北極圏も初めて。
*****
ヘルシンキで乗り換えて

この雲の層を抜けたら着陸のつもりでいたら
目的地はこの雲の中にあった。

北極圏の入り口、ロヴァニエミ。

真っ黄色の紅葉や真っ赤な木の実たちが

薄っすらと白い雪を羽織ってそれはそれは美しく

東京から来た私たちだけがはしゃいでいるかと思いきや

お寿司屋さんのお姉さんが最高にウキウキ気分で明かしてくれることには

私たちがロヴァニエミに到着したのは、初雪の降った翌日だったらしい。

(イッタラやマリメッコの食器をふんだんに使った寿司屋)

(体を温める、フィンランドウォッカのカクテル)

(お味噌汁にも意外と合うラップランドチーズ)
サンタクロース村もこの雪景色。

世界中の子どもたちからお手紙が届くこの村の郵便局から、-3℃にはしゃぎ過ぎて特に内容もないハガキを出してみた。
でも札幌も今日が初雪だって。
雪が降って見えなかったのはオーロラ。

ただ、オーロラを待つあいだ焚き火を囲むなど

幸せな時間に変わりはなかった。そして

Arktikumで寝転んでバーチャルオーロラ体験。
次回に備えての予習。

(スタイリッシュすぎる博物館Arktikum)

(プラネタリウムのようなロマンチックさ)

(光を呼び込む廊下と)

(その左右に広がる展示室)
しかしなにより心に残ったのは

26年間出会ったなかで一番大きな虹。
なにかメッセージが、あるのかもしれないし、ないかもしれない。
ただただ綺麗だと思って
そして私は
少し解き放たれていた。