濃いガスに包まれた雪の大山 その3
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ホワイトアウトに巻き込まれないうちに さあ下山だ。
再び避難小屋に戻って来た。この小屋は二階建てです、念のため。是でも雪が少ないほうだと思います。
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誰かが2階の窓の雪かきをしてくれている。この窓は2階の窓です。しかしこの程度では一階は真っ暗だろう。
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小屋の入口はみんなが雪かきをして入れるようにしてあった。時刻は12時丁度。
歩き出して2時間45分だ。
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気温はマイナス3度くらいだ。このあたりは風を小屋が防いでくれて比較的暖かいのでここで立ったまま
御握りを食べた。小屋の中は真っ暗なのだ。
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ストックをたたんでピッケルを取り出して下山の準備をする。
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12時15分に下山開始。後を歩いている人に先へ言ってもらう。
下山は危険なのでゆっくりと確実に降りたいのだ。
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何を撮っているのか訪ねたら「雪景色」と仰った。その姿をとらせていただいた。
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ポールを探してゆっくり、確実に降りる。
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案の定、片足を踏み外して キャラボク原生林に突っ込み、もがいていた人を引っ張り上げた。
「全身が落ち込んだら一人では出れませんよ」と注意してあげた。
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この巨大な急傾斜の氷の滑り台で転んだらもう止まらないで あの世へ一直線だ。
一歩ずつピッケルを差し込んで アイゼンを蹴り込んで 慎重に降りる。
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天気が悪いけど まだ登ってくる人が居る。
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濃いガスと雪雲の中から抜け出したようだ。
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麓の様子も見えてきた。ガスと雲が取れると 風も収まった。
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大山牧場だ。
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元谷も見える。あの悩んでいたスキーヤーは滑り降りたのだろうか。
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危険地帯ももうすぐ終わりだ。最後まで慎重に。
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6合目避難小屋に戻って来た。やれやれ、ここまでくればもう安心だ。
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三鈷峰1516mが雪雲の境界レベルのようだ。あの雲の中が凄い吹雪なのだ。
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スキー場が見える。スキーの事は良く分からないが「中の原」、「大山国際」の二つかな。
時々風に乗ってにぎやかな音楽が流れてくる。ブリザードの風がなくなると聞こえるようになった。
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孝霊山の向こうに微かに日本海が見えている。
孝霊山の孝霊とは大和の磯城王朝フトニ大王が九州物部に追い出されて あの山の向こうで土地の若い美人と暮らしたので
その贈り名の孝霊を点けられた山だ。
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三鈷峰の向こうに光り輝いているのは宝珠山1183mだ。あのあたりは晴れているのが不思議だ。
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下りは夏山登山道を順調に飛ばす。5合目の山ノ神さんに無事降りて来れた事を感謝する。
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ここまで降りてきたらもう春の雰囲気だ。ブナの大木の周りは雪が溶け始めている。
先ほどまでの吹雪とブリザードが嘘のようだ。
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右下の元谷にはスキーのあとは見当たらない。
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阿弥陀堂にお参りしてから 南光河原駐車場への近道を行く。
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もともと朝は ここに出たかったのだ。
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ここで間違えたのが凄い事になったのだ。
まあ今から思えば新しい素晴らしいルートを昇れてよかったけど。
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こんなに離れている二つの道の区別がつかないなんて ガーミンGPSは頼りにならんなあ。
地図は「トッポテンプラス」と言うのを入れているんだけど。
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高度と距離の記録です。
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