花紅柳緑~院長のブログ

京都府京田辺市、谷村医院の院長です。 日常診療を通じて感じたこと、四季折々の健康情報、趣味の活動を御報告いたします。

胡荽子(こずいし)

2019-08-11 | 漢方の世界


「胡荽子(こずいし)」は、コリアンダー(コエンドロ、胡荽、芫荽、香菜)、学名Coriandrum sativum L.の成熟果実から得られる生薬である。コリアンダーはコエンドロ属、せり科の一年草で、夏季に複散形花序をつけ、小さな白い花が咲いた後に直径3~5mmの球形に結実する。「胡荽子」の薬性は辛、酸、平、帰経は肺経、胃経、大腸経である。効能は健胃消積、理気止痛、透疹解毒、収澁固腸(消化を促進し肉や脂肪類などの食積による胃部のもたれや腹部膨満感を改善する。気を巡らせ止痛する。麻疹の初起や湿疹などにおいて風熱を散じ熱毒を排出する。収斂作用にて体内からの漏出を防ぎ下痢を止める。)である。

治腸風下血不止、変成痔疾、胡荽子散方:
胡荽子 補骨脂 各半両
右二味搗羅為散、毎服二銭ヒ、陳米飲調下、食前服。
(聖済総録・巻第一百四十三 痔瘻門、腸風下血方)