花紅柳緑~院長のブログ

京都府京田辺市、谷村医院の院長です。 日常診療を通じて感じたこと、四季折々の健康情報、趣味の活動を御報告いたします。

初生けの花入│大和未生流の稽古

2015-09-24 | アート・文化
華道大和未生流の新師範は、師範の免状を頂いた翌年、流派の新年会において初生けを行うのが決まりである。御家元、御副家元、御来賓の方々や諸先輩、お仲間が見守って下さる中で、花を生け込むのは尺八切に切った真竹である。かつて私も壇上で鋏を握って初生けに臨んだ。持ち帰った青竹は、専門家に油抜きをしてもらって淡黄色の地肌となり、いつしか浅い一本の竪割れが入った。久しぶりに取り出してみれば変わりなく、とりたてて景色もないが素朴な姿である。一生に一度しかない初生けの日、会場に流れていた時間がこの花入には詰められている。上書きして消す気にはなれず、その後に花を挿したことは一度もない。