木を愛し、土に親しみ、犬と戯れ、思いつくまま気ままに発信、知る人ぞ知る「山章工房」のブログです。
山章工房の木土愛楽(きどあいらく)



夕方
今日も悩みました。
ただし、楽しい悩みです。
台所の収納家具が決まらないのです。
カップボード(藤門 弘氏は「カバド」と呼ぶ)、ドレッサー、
チェスト、キャビネット、水屋箪笥、食器棚、
どれも食器や台所用品を入れる「箱」に付けられた名称です。
名前は作者の好みと地域性や時代で決められるようです。
まあ、とにかく山荘の台所の家具が決まらないのです。

基本的に大きな「箱(筐体きょうたい)」を作る方法は
2つあります。
 1.框作り(かまちづくり)
  角材で枠(と必要ならば桟(さん)も)を作る。
  その枠の中に溝(「小穴」こあな)をついて
  薄板をはめ込んで1枚の面を作る。
  その面を4~6面組み合わせ箱の立体にする方法。
  組み手は「ほぞ」と「ほぞ穴」になる。
  日本の水屋箪笥などはこの方法をとってる場合が多いです。
  長所は幅広の板を使用しない事です。
  これにより「銘木」便りにならずにすみ、
  材料費の軽減にもつながる。
  また、「板」につきものの「反り」「ねじれ」「やせ」などの
  動きの影響も出にくい。
  短所は角材をつなぐ「ほぞ」が緩むと家具としての強度を失う。
  木材の持つ特徴が出しにくく、
  調度の金具や塗りに家具の特徴を求めがちになる。

 2.板もの
  文字通り箱に必要な各面の大きさの板を
  1枚板あるいは貼り合わせた1枚板で用意して
  4~6面を組む。
  組み手は、「蟻組み」「段欠き」「大入れ」
  「ビス止め」「芋着け」などがある。
  シェーカー家具やカントリー家具によく用いられている。 
  長所は、材料の個性がストレートに出せること。
  作業工程が少なく、シンプルである。
  「蟻組み」などの場合、組み手に表情を出すことができる。
  短所は材料自体が非常に高価になり
  また、重量も相当なものになる。
  また板の動きにも注意が必要である。

以上のようなことを踏まえ、従来私はテーブルを除いては
多くは「框組」を採用してきました。
でも、そろそろ自分の手を広げたくて「板もの」にも
挑戦したいと考えているのです。
うまく接合部に散らされた「蟻組み」とか
やってみたいじゃないですか?
それで悩んでいるわけです。
とりあえず、土日に2種類の図面を書いてみようかと思います。

写真はシェーカー家具を網羅した本です。
代表的な家具には寸法を記した図面もついてます。
日本にシェーカー家具を紹介し、自ら製作して広めた
藤門弘氏が翻訳をしたものですが、
原書でもあります。(翻訳よりも安価)
私自身は翻訳が出る前に、Amazonを通じて買いました。
困った時の種本です。

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