今日は少し寒さの厳しい日でした。
先週の日曜日、風邪で早々に伊豆を退却する帰り道、
久しぶりにNHK-FMの「日曜喫茶室」を聴きました。
風邪でボーとしている頭なので正確かどうかは心許ないですが、
その時の話を紹介させて頂きます。
喫茶室の「来客」は将棋の元名人の米永邦雄氏と
名前は忘れました人工知能を開発している大学教授さんです。
今現在、プロ棋士と最強の将棋コンピュータソフト「ボナンザ」が
将棋の対戦をすると圧倒的にプロの勝率が高いそうです。
ボナンザの弱点は、
1.序盤戦が弱い。
2.特に序盤戦に定石をはずれた差し方をすると
パニックってしまい、たいがい負ける。
そのかわりボナンザの長所は、終盤戦まで勝負を持ち込めば、
特にその「つみ」の過程はミスなくプロも脱帽する。
と言うことです。
また、米永氏の言うことには一流棋士とへっぽこアマチュアの違いは
プロは最初の一手を熟慮すると言うことです。
「歩」を一枚指すのに一時間考えることもあるそうです。
何かコンピュータとの対戦と共通性を感じさせます。
さて、木工をやる時に成り行き任せの仕事をしていませんか?
私が木工を始めた時がそうでした。
図面はいらない、うちから出てくる感覚で作る。木の心を聴けばいいのだ。
何て、一人よがりの「作家ごっこ」をしていたことを思い出します。
もちろん、そんなことは人には誰にも言っていませんが、
それにしても恥ずかしい限りです。
数年前から変わりました。大きく変わった点は二点です。
1.「刻み」に入る前に図面を引き、材料を眺め、充分に問題を考え、
イメージをふくらませる。
2.現場周辺の片づけは常に心がける。
これは、師匠の姿勢を見て、我ながら考え実行し始めたことです。
明らかに作業が楽になりました。
作品に無理がかからなくなったのです。
「手作り家具」といいながら誰しもその多くは木工機械を使います。
手作りとはいかに機械が作業をしやすいように行程を組むかと言うこと。
また、機械に乗らない「定石」はずれを過程を
カンナやノコギリを使い、手作業でこなすかと言うことです。
最初のプロ棋士とボナンザの話に似ているではないですか?
機械の長所を100%引き出してやり、
さらにその及ばないところを「手」が補うことにより
作業者の個性が表れる。
それが、現代言うところの「手作り」なのです。
CADの話をしようと思ったら横道にそれました。
写真は昨日話したウッドシェッドのCAD図面です。
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