中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

ブル7愛憎

2013-01-19 10:22:41 | 山形交響楽団
 今日と明日は山響の定期。メインはブルックナーの7番。今週は「ブル7」漬けになっております。

 音楽のスケールも壮大だが、時間も長大。70分の大曲です。


 この果てしない長編ロマンを書き記した楽譜も、さぞかし分厚い一大巨編だろう・・・と思いきや、そうでもない。第2ヴァイオリンのパート譜で言えば、16ページ。

 これは大した分量ではありません。前の週に演奏したモーツァルトの「ジュピター」が12ページ。山形Qで弾いたベートーヴェン「15番」は17ページあります。

 ・・・これはどういうことなのか。別にブルックナーが「ヒマな曲」だということではありません。理由は、お決まりの「トレモロ」が多いということですね。

 ブルックナーと言えば、だいたい曲の初めは弦楽器の「コソコソコソコソ・・・」という、風の音のような小さな音で始まる曲がほとんど。その後、金管楽器が盛り上がってきたところでも、弦楽器は「ゴシゴシゴシ・・・」とやってます。このトレモロが「ブルックナーらしさ」のひとつです。

 同じ音なので楽譜は簡単。白丸一個の下に、横線を適当にたくさん書くだけです。

 しかし弾くのは大変。音符は一個なのに、無数に腕を往復させなければいけません。

 ・・・弦楽器奏者に「ブルックナー嫌い」が多いのは、この理不尽さがひとつの原因でしょう。


 ちなみに私は、ブルックナーは大好きです。トレモロを弾くのが好きなわけではありませんが、高校生の頃から、よく聴いていました。特に「7番」。これも学校の帰りに、日本フィルだったと思いますが、聴きに行ったのを覚えています。

 高校生のガキですから、生演奏には金管楽器のド迫力の大音量を期待して行きましたが、これは裏切られました。しかし、すごくきれいに響いて、実はこの曲はチェロが主役だったのだということに気づかされました。きっと良い演奏だったのだと思います。


 さて、こちらも良い演奏会になるように頑張ります。

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2 コメント

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縄文時代なら (narkejp)
2013-01-21 22:16:08
トレモロで火キリを回せば、ブルックナー「交響曲第7番」一曲の摩擦熱で、きっと発火点に達することでしょう(^o^)/
お疲れさまでした! おかげさまで、聴衆は幸せになって帰ることができました。来月のモーツァルト定期も、楽しみにしております。
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>narkejpさん (中爺)
2013-01-23 07:54:05
 ありがとうございました。
 なるほど、摩擦で煙が出そうですね。何かを取り付ければ、発電もできるかも知れません。地球にやさしい次世代(?)エネルギーとして注目…されたくはないです。
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