さて、今回とりあげている尾崎宗吉の「小弦楽四重奏曲」ですが、この曲は世の中に音源が売られておりません。従って、誰の演奏を参考にするでもなく、自分達で手探りで創り上げていく覚悟をしておりました。しかし、尾崎宗吉について書かれた資料を読んでいるうちに、それを書いて編集した研究者の人達が、散逸していた楽譜を探して「尾崎宗吉・室内楽の夕べ」という演奏会を、1982年に開いていたことがわかりました。そしてその演奏会の録音があるらしいことがわかったのです。聴いてみたいものの、どこにどうやって連絡をとればいいものやら…。
しかしこの間実家に帰っている時に、尾崎宗吉について書かれた本を、読みかけのまま居間のテーブルに置きっぱなしにしていたら、母が「ああ、この人たちよく知ってる」と巻末の執筆者を指して言ったのには驚きました。そのうちの一人は芸大時代の同期だそうで、私が幼い頃にはよく家に遊びに来ていたほどのつながりがあったようです。旧姓を聞いたら、なんと私も2~3年前に会って、ご挨拶した方でした。全然気がつかなかった…。
以前の合唱団「じゃがいも」の東京公演に参加した時に、打ち上げの会場で、林光先生の友人の音楽評論家として出席していた女性がいらっしゃいました。私がビールを飲んでいると(この後に打ち上げの余興?として林先生のピアノと共にまだ演奏しなければいけなかったので、ワインでなくビールをちびちびと)、
「ねえ、私のこと覚えてる?覚えてるわけないわね…あなたまだ小さかったから。」
と、その女性が話しかけてきました。旧姓を名乗られてようやくうっすらと、そんな名前の人が母の友達として遊びにきたことがあることぐらいは思い出しました。
「きっとあなたも相当飲むんでしょ?あの両親の息子じゃ当たり前よね。」
…ご推察の通りでございます。よくご存知で…。
世間は狭いものです。ということで早速電話をしたら、すぐに探して山形に送ってくださるとのこと、ありがたいことです。と同時に、そういう「埋もれた」作曲家の業績を発掘して、きちんと後世に残していくという素晴らしい活動には頭が下がります。
そのCDが届いたので、聴いてみました。またそのCDには尾崎宗吉のヴァイオリン・ソナタやチェロの小品など、聴いてみたかった曲がいろいろ入っていたので、参考になるだけでなくじっくりとその世界に浸ることができました。他の作品を聴いてみて、「小弦楽四重奏曲」が作品1(世に出した初めての曲」であることがよくわかりました。数回聴いた印象では、想像していた以上に若々しくて瑞々しい作品です。その辺りを表現できればと思います。
さてさて昨日の練習ですが、その尾崎とベートーヴェンを。どちらも少しずつ曲の輪郭が見え始めてきました。とは言え、ベートーヴェンは「メトロノームなしでも通るようになった」ぐらいです。
実はこの辺りの時期が、今後の出来を左右する大きな分岐点であるということが、最近分かってきました。今のうちにきちんとした土台をつくっておかないと、積み上げていった時に「これ以上積み増しをすると崩れてしまう」という状態になるのです。
「ジェンガ」というゲームがあります。組み合わされたパズルのようなブロックを、倒れないように下のほうから引き抜いて、上に積み上げていくゲームです。「倒れた方が負け」というルールでやるなら、自分のターンで倒れさえしなければ良いのですが、協力して「より高く」を目ざすなら、全員が初期の段階から最終目標をにらんだ、緻密な積み上げをしていかなくてはなりません。
「とりあえず今の段階では、このぐらいやっておけば、他のメンバーから突っ込まれないで済むだろう…」
ということでは、本番前を迎える前に崩れてしまいます。
初期こそ緻密に…頑張ります。
しかしこの間実家に帰っている時に、尾崎宗吉について書かれた本を、読みかけのまま居間のテーブルに置きっぱなしにしていたら、母が「ああ、この人たちよく知ってる」と巻末の執筆者を指して言ったのには驚きました。そのうちの一人は芸大時代の同期だそうで、私が幼い頃にはよく家に遊びに来ていたほどのつながりがあったようです。旧姓を聞いたら、なんと私も2~3年前に会って、ご挨拶した方でした。全然気がつかなかった…。
以前の合唱団「じゃがいも」の東京公演に参加した時に、打ち上げの会場で、林光先生の友人の音楽評論家として出席していた女性がいらっしゃいました。私がビールを飲んでいると(この後に打ち上げの余興?として林先生のピアノと共にまだ演奏しなければいけなかったので、ワインでなくビールをちびちびと)、
「ねえ、私のこと覚えてる?覚えてるわけないわね…あなたまだ小さかったから。」
と、その女性が話しかけてきました。旧姓を名乗られてようやくうっすらと、そんな名前の人が母の友達として遊びにきたことがあることぐらいは思い出しました。
「きっとあなたも相当飲むんでしょ?あの両親の息子じゃ当たり前よね。」
…ご推察の通りでございます。よくご存知で…。
世間は狭いものです。ということで早速電話をしたら、すぐに探して山形に送ってくださるとのこと、ありがたいことです。と同時に、そういう「埋もれた」作曲家の業績を発掘して、きちんと後世に残していくという素晴らしい活動には頭が下がります。
そのCDが届いたので、聴いてみました。またそのCDには尾崎宗吉のヴァイオリン・ソナタやチェロの小品など、聴いてみたかった曲がいろいろ入っていたので、参考になるだけでなくじっくりとその世界に浸ることができました。他の作品を聴いてみて、「小弦楽四重奏曲」が作品1(世に出した初めての曲」であることがよくわかりました。数回聴いた印象では、想像していた以上に若々しくて瑞々しい作品です。その辺りを表現できればと思います。
さてさて昨日の練習ですが、その尾崎とベートーヴェンを。どちらも少しずつ曲の輪郭が見え始めてきました。とは言え、ベートーヴェンは「メトロノームなしでも通るようになった」ぐらいです。
実はこの辺りの時期が、今後の出来を左右する大きな分岐点であるということが、最近分かってきました。今のうちにきちんとした土台をつくっておかないと、積み上げていった時に「これ以上積み増しをすると崩れてしまう」という状態になるのです。
「ジェンガ」というゲームがあります。組み合わされたパズルのようなブロックを、倒れないように下のほうから引き抜いて、上に積み上げていくゲームです。「倒れた方が負け」というルールでやるなら、自分のターンで倒れさえしなければ良いのですが、協力して「より高く」を目ざすなら、全員が初期の段階から最終目標をにらんだ、緻密な積み上げをしていかなくてはなりません。
「とりあえず今の段階では、このぐらいやっておけば、他のメンバーから突っ込まれないで済むだろう…」
ということでは、本番前を迎える前に崩れてしまいます。
初期こそ緻密に…頑張ります。
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