中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

ことばの窓

2012-07-13 13:56:53 | 雑記
 (例文)「先生からかけられた。」

 これは、どういう意味だと思います?

 「先生が最初にお座りになった。」だとしたら「古き佳き」日本語ですね。しかし、今どき先生に対して丁寧語ならともかく、尊敬語が用いられることはほとんどありません。ということは、「先生」は主語ではない。この文では、主語は省略されていると見るべきでしょう。

 (例2)「山田君は、先生からかけられた。」

 主語を補ってみました。・・・何をかけられたの?と思いますよね。ほとんどの人は、山田君が先生によって、液体もしくは粉末を付着させられたか、あるいは布状のものを被せられた様子を想像すると思います。この文が標準語なら、それは当然の解釈です。

 しかし、山形弁だと違うのです。そろそろこの文の意味をお教えしましょう。

 (解)「山田君は、先生によって(答えるよう)指名された。」


 授業なんかで先生が生徒を指名することを「かける」と言うんです。最近知りました。もしかしたら山形市だけなのかも知れませんが、まだまだ知らない言い回しがあるものです。標準語では「当てる」とか「指す」ですよね。

 息子が「今日、かけられたのに全然わからなかった」と言ったので、いったい何をぶっかけられた事に気づかなかったのかと思いましたが、そういうことなんです。

 「謎をかける」とか、そういうあたりから来てるのかも知れませんが、なかなか味わい深い方言です。


(用例)「なんだよ先生、なんで俺にばっかりかけるんだよ!」
(用例)「先生ひどい!どうして私にかけてくれなかったの?」

 ・・・やっぱりどうしても異常な感じがする。慣れるとそうでもないのかな。
コメント (2)
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