雨の中の二人

2018-08-06 13:59:56 | 五輪真弓
雨の中の二人・五輪真弓


http://blog-imgs-75.fc2.com/t/o/s/toshiichi/_x2025j4_-_from_Dailymotion_by_Offliberty.mp3

そぼふる小雨の中を
二人は ひとつの傘に
濡れないようにと 寄り添い歩くのよ
サンダルはいてる わたし
はだしの指先には よけきれない雨
冷たく しみるわ

※だから もっと 側にいて欲しいのよと言いたいのだけど

胸の奥の 愛は何故か
素直に なれないの

わたしの涙の訳を
あなたは知りたいのね
幸せすぎると やさしく言うけれど
今は振り込む雨も いつかやむ時が来て
あなたはどこかの 街へと消えるの

恋に落ちることは 夢を見るほどにたやすいものなのね
そして 誰か あなたの影にいようとおそれない

※リフレイン



暖かい縁側の心地よい温もりの中で、いつか垣根の向こうの広い世界に出て行くことを夢見ていた多感な少女は、やがて自分の中に眠っている音楽の才能に気づき、自分が感じ、自分が触れるものすべてを音楽を通して表現する喜びに目覚めていきます。

溜めていた水が一気に流れ出すように、彼女が見、聞き、感じたことのすべてが、詩となりメロディーとなって彼女の唇から流れ出る・・・。

人と交わることが苦手なこの才能に溢れた少女は、音楽を通して(それは彼女にとって自分自身を理解してもらう最も確かな手段だった)人と触れ合い、一人の女性として、一人の人間として成長を遂げていく。

自分を取り巻く世界との孤独な対話を通して感じたことを語ることから出発した彼女は、多くのミュージシャンと共演し、生身の人間との対話を通して自分を表現する喜びを知るように・・・。



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潮騷

2018-08-06 05:28:53 | 五輪真弓
潮騷:五輪真弓


http://blog-imgs-64.fc2.com/f/o/o/footyan0214/20140624140236612.mp3

誰もいない 港に立ち
潮騒を聞けば
寄るべなさに 身も心も
やつれたよう

あー 見知らぬ空
この街に
夢を抱いたこの私を
笑って鴎

流れ星が 涙のように
ぽつりと落ちたら
はるか遠い故郷へと
汽笛が呼ぶよ

あー いつか帰る
あの街に
今は元気でいるからと
伝えておくれ

あー いつか帰る
あの街に
きっとみやげ話などを
聞かせてあげよう



新進画家の青江一郎は、オートバイクを飛ばして伊豆の山々を描きに来ていた。

3人の木樵は彼の絵を不思議そうに眺めている。

そこに人気声楽家の西條美也子が現れ、宿が同じだと分かると、美也子を後ろに乗せて宿へ向かった。

青江は美也子の部屋を訪ね、談笑していたが、そこを雑誌社「アムール」のカメラマンが隠し撮りし、嘘の熱愛記事を書かれてしまう。

雑誌は飛ぶように売れ、街頭で大々的に宣伝された。

これに憤慨した青江はアムール社へ乗り込んで編集長・堀を殴り倒し、騒ぎは更に大きくなってしまう。

青江はついに雑誌社を告訴することにし、そこへ蛭田と名乗る弁護士が売り込みに来る。

翌日、素性を確かめるために蛭田の家を訪ねた青江は、結核で寝たきりの娘の姿に感動し、蛭田に弁護を依頼する。

しかし、病気の娘を抱えるも金のない蛭田は10万円の小切手で堀に買収されてしまう。

裁判が始まるも、買収された蛭田の弁護はしどろもどろで、法曹界の重鎮・片岡博士を弁護人にたてた被告側が圧倒的に有利だった。

2回3回と公判が進むも、蛭田は言わねばならない証言でも押し黙り、4回目の公判で木樵が原告側の証人として立つも、勝ち目はなかった。

青江は蛭田の不正を疑ったが口にはしなかった。

そんな中、父親の不正を察知し心を痛めていた蛭田の娘が青江の勝利を叫びながら亡くなった。

最終の公判の日、青江側の敗訴が決定的になる寸前、蛭田は自ら証人台に立ち、10万円の小切手を出して自らと被告人の不正を告白する。

これが決め手となって片岡博士は敗訴を認め、原告側の勝利となった。

記者団の前で青江は「僕たちは今、お星様が生まれるのを見たんだ」と語った。

(黒澤明監督 映画「醜聞」)

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