そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

俳句の解釈 10

2017年03月23日 | 俳句

2017/03/23

100
「銀杏ちる兄が駈ければ妹も
(安住敦
/銀杏散る景色の中に兄妹が駆けると言える因を求めず
&子等はしゃぐ銀杏散るのは愉しげも葉はどんな散り方をする)」


101
「銀杏散るまつただ中に法科あり
(山口青邨
/この銀杏たぶん東大並木かな青邨法科通いたるかな
&散る銀杏最近とんと見なくなる近くの名所御堂筋かな)」


102
「一輪の夕顔の闇ありにけり
(深見けん二
/一輪の夕顔の闇どんなかな源氏踏まえた句であるかしら
&市井なる心優しき人として夕顔がいて幸薄き人)」


103
「いつか死ぬ話を母と雛の前
(山田みづえ
/お雛様親子代々次ぐもので『いつか死ぬこと』話題にしたり
&雛のまえどんな話が似合うのか他にも解のあるとは知らん)」

104
「いつ咲いていつまでとなく花八ッ手
(田畑美穂女
/とりあえず花八ッ手なる植物を知らずば話始まりはせず
&目立たぬという花らしき花八ッ手色も形も匂いもせぬか)」


105
「一瞬にしてみな遺品雲の峰
(櫂未知子
/飛行機の事故を詠みたる俳句かな思い付くのは御巣鷹の峰
&この俳句背景少し探らんかサンテグジュベリ行方不明に)」


106
「いつせいに柱の燃ゆる都かな
(三橋敏雄
/この都どこを詠みたる俳句かなふと京都なる応仁の乱
&三橋はこの句つくるは終戦の年であるらし読み方自由)」

107
「一本のすでにはげしき花吹雪
(片山由美子
/この場合花は桜である木だけ花が散りたる吹雪のように
&背景はよきと思えどついでにて知ることあらば知りてもみたし)」


108
「一本はうしろ姿の冬木立
(和田耕三郎
/木に表裏あると俳人宣いて吾も意識をして冬木立
&表裏鴉のかって見るものの主観と思う真はいかに)」


109
「井戸水にくもる庖丁ほととぎす
(山下千津子
/包丁が曇る物理の現象は青葉の頃の井戸の冷水
&ほととぎす包丁研ぐと韻を踏むただ水かけただけならば興ざめ)」


 

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