そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

選者の新春詠

2017年01月04日 | 日めくり帖

2017/01/05

2017年読売俳壇・歌壇の選者による新春詠を紹介する。
小澤さんの焼き芋の歌、岡野さんの空白と句点の技法、等が気を引いた。
------以下、引用------------
海に謡ふ〜岡野弘彦
「海峡の空にかがやくあかね雲。伊豆の睦月の朝はれわたる()」
「九十三つの翁が謡ふなり。おきの小島に声とほりゆけ()」
「わが曾孫咲也が『ああ』と言ひにけり。万両の実を指にささげて()」

石焼き芋〜小池光
「『病状床六尺』わが読みをれば窓のそと石焼き芋のくるまが通る()」
「遠ざかりゆかむくるまを呼びとめてあつあつの芋いつぽん買ふも()」
「何年かぶりに食いたる石焼き芋ふとしもなみだのこぼれる如し()」

天満宮まで〜栗木京子
「黒豆を鉢に盛りつけ動くともなき闇をみてをり()」
「マフラーをはずし冷気に首筋をさらして歩む天満宮まで()」
「列島に地震の来るなと祈りたり神社に朝の光は満ちて()」

鶏の年
酉年の父〜俵万智
「秋過ぎて冬来にけらし白妙の霜一面の湯布院の里()」
「酉年の父はチキンを丑年の母はビーフを頼まざりけり()」
「シャンパンを飲んだところで目覚めれば何かいいことありそうな今日()」

鶏の年〜矢島渚男
「漱石死後百年の年惜しむなり()」
「コーコッコ鶏の年なに起こす()」
「大祖先の沖縄人と初日見たし()」

赤子の句〜宇多喜代子

「読初めの句集の初め赤子の句()」
「うだうだと春着を眺め小半日()」
「同じ鳥来て三が日過ぎにけり()」

息深く〜正木ゆう子

「先ず肥後の赤酒をこそ年用意()」
「わが身にも満たす淑気や息深く()」
「御慶してもう育ちたる近所の子()」

閧トキ〜小澤實ミノル

「初鶏のはばたき鳴きぞ続けざま()」
「初鶏の閧の谺となりにけり()」
「初鶏の嘴開くや舌強き()」


 

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子規の一句と時候(2017/01/04)

2017年01月04日 | 日めくり帖

2017/01/04

「咲きそろう乙女小桜ひき寄せる少年の目のふいにするどき(鳥海明子)」
「鋭き目乙女小桜独り占め(花言葉:少年時代の希望、初恋)」
「商家では仕事始めに帳面を新しくして『帳祝い』する()」
「残れるか寅吉つけし大福帳(祖父の寅吉は呉服屋の大福帳をつけていた)」

「世の中に馴れぬごまめの形スガタかな(M28)」
「ごまめとはカタクチイワシの幼魚なり飴煮でいただく正月料理
 (『ごまめの歯ぎしり』『ごまめの魚交じり』は取るに足らない人物)」

「地団駄を踏むやごまめの勢揃い(凡骨)」
  




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