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十三人の刺客  (2010);観た映画、 Jan.  ’16

2016年02月02日 03時19分51秒 | 見る

十三人の刺客   (2010)


141分

 
監督: 三池崇史  
製作: 上松道夫  
  島谷能成  
  島本雄二  
  大西豊  
  町田智子  
  脇阪聰史  
  吉田鏡  
  武内健二  
  荻谷忠男  
  喜多埜裕明  
  大宮敏靖  
  伊藤裕造  
  柘一郎  
  濱幾太郎  
プロデュース: 梅澤道彦  
  市川南  
  白石統一郎  
エグゼクティブプ
ロデューサー:
ジェレミー・トーマス  
  中沢敏明  
  平城隆司  
プロデューサー: 大野貴裕  
  吉田浩二  
  前田茂司  
原作: 池宮彰一郎  
  「十三人の刺客」(1963年東映映画脚本)
脚本: 天願大介  
CGIプロデュー
サー:
坂美佐子  
撮影: 北信康  
美術: 林田裕至  
編集: 山下健治  
音響効果: 柴崎憲治  
音楽: 遠藤浩二  
スタントコーディ
ネート:
辻井啓伺  
衣裳デザイン: 澤田石和寛  
照明: 渡部嘉  
装飾: 坂本朗  
  窪田治  
録音: 中村淳  
助監督: 足立公良  
  吉見拓真  
共同プロデュース: 寿崎和臣  
  臼井央  
人物デザイン: 柘植伊佐夫  
出演: 役所広司 島田新左衛門(御目付七百五十石)
  山田孝之 島田新六郎(新左衛門の甥)
  伊勢谷友介 木賀小弥太(山の民)
  沢村一樹 三橋軍次郎(御小人目付組頭)
  古田新太 佐原平蔵(浪人)
  高岡蒼甫 日置八十吉(御徒目付)
  六角精児 大竹茂助(御徒目付)
  波岡一喜 石塚利平(足軽)
  石垣佑磨 樋口源内(御小人目付)
  近藤公園 堀井弥八(御小人目付)
  窪田正孝 小倉庄次郎(平山の門弟)
  伊原剛志 平山九十郎(浪人)
  松方弘樹 倉永左平太(御徒目付組頭)
  吹石一恵 お艶(芸妓)/ウパシ(山の女)
  谷村美月 牧野千世(采女の嫁)
  斎藤工 牧野采女(靭負の息子)
  阿部進之介 出口源四郎(明石藩近習)
  上杉祥三  
  斎藤歩  
  井上肇  
  治田敦  
  高川裕也  
  辰巳ヒロシ  
  桜井明美  
  茂手木桜子  
  神楽坂恵  
  内野聖陽 間宮図書(明石藩江戸家老)
  光石研 浅川十太夫(明石藩近習頭)
  岸部一徳 三州屋徳兵衛(落合宿庄屋)
  平幹二朗 土井大炊頭利位(江戸幕府・老中)
  松本幸四郎 牧野靭負(尾張家木曽上松陣屋詰)
  稲垣吾郎 松平左兵衛督斉韶(明石藩主)
  市村正親 鬼頭半兵衛(明石藩御用人千石)
 
63年の傑作時代劇を「クローズZERO」「ヤッターマン」の三池崇史監督が豪華キャストでリメイクした時代劇エンタテインメント大作。権力を笠に言語道断の蛮行を繰り返す将軍の弟を暗殺すべく集められた13人の刺客が、300人を超える軍勢を相手に壮絶な戦いに臨む姿を描く。主演は「パコと魔法の絵本」の役所広司、共演に山田孝之、伊勢谷友介、市村正親、稲垣吾郎。

江戸時代末期。将軍・家慶の弟で明石藩主・松平斉韶(なりつぐ)の暴君ぶりは目に余った。斉韶は近く、老中への就任も決まっている男。幕府の存亡に危機感を募らせる老中・土井利位は、かねてより良く知る御目付・島田新左衛門に斉韶暗殺の密命を下す。さっそく、甥の新六郎をはじめ十一人の腕に覚えある男たちを集めた新左衛門は、後に加わる山の民・木賀小弥太を含む総勢十三人の暗殺部隊を組織、入念な計画を練り上げていく。しかし、斉韶の腹心・鬼頭半兵衛もまたその動きを抜け目なく察知し、大切な殿を守り抜くべく周到な準備を進めていた…。

以上が映画データベースの記述である。 土曜のベルギーのテレビでフレミッシュ語の字幕で観た。 最近日本の映画がテレビにかかることが少なかったので本作はもうだいぶ前に撮られたということを知っていたけれど、また「七人の侍」や「赤穂浪士」の話の焼き直しだろうと思ってみたのだが三池なら例えば池波正太郎や藤沢周平ものはやらないだろうと思っていたから偏執狂的なバイオレンスが楽しめるだろうとソファーに腰を落ち着けた。 テレビガイドではどんな配役になっているのか全く書かれていないから映画の進むうちに、ああこれは残虐男の暴虐非道を見せてそれをどのようにするかというかたき討ち話で包んだ餡子餅構造なのだろうと想像した。見ていくうちに、このにそこにあの人が、、、と見知った役者の顔になるほど適役だと思ったものの市村正親を始め大抵の若い俳優には見当がつかなかった。 それに、なるほど、筋は通っているものの型どおりで話はどのように進展するのかに興味が行ったが途中でありふれた話の焼き直しだと思った。 けれど役者がいい。 前にどこかで同じような役を演じていいなと思った稲垣吾郎が最後まで単なる仇討ち話に三池のトーンを守り好演している。 スマップもその歌ったり踊ったりする姿も一度も見たこともないはないけれど静かな悪漢を単なるそれだけには終わらせず三池の真髄が稲垣に凝縮されているものだと感じた。 自分が日本で観たベテラン俳優たちも同様で、ヨーロッパのテレビでは比較的よく登場している役所広司は「バベル(2006)」からはあまり変わってはおらず、平幹二郎も歳にしては見栄えがよく、今の幸四郎、当時しかしらない市川染五郎もあまり変わっていない。 この手のチャンバラ物では父親の近衛十四郎ともども共演していたのを幾つか観ていた松方弘樹ではあるけれど自分には松方は「仁義なき戦い(19730」がとくに印象に残る。

初めに三池のものを観たのはいい俳優だと思った殺し屋1 (2001)」の浅野忠信を見たかったからで10年前にみたその時の印象を次のように記している。 それに今気づいたのだがそのころ「六月の蛇(2002)」も見ていてそれにもメモをしていた。 三池の監督作品ではないけれど浅野とともに出演していたタイの監督監督ペンエーグ・ラッタナルアーンの「地球で最後のふたり (2003)」も見ていたのを思い出して記していたのも思い出した。

http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/29221855.html
http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/25622490.html
http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/35868536.html

隣で観ていたオランダ人の家人は日本のチャンバラは黒沢明から山田洋次のものまでいくつかは承知していたもののチャンバラと稲垣の残虐さ、女の扱いや字幕の煩雑さに嫌気がさして早々とテレビの前を離れたのは分からなくもない。 それが三池の看板なのだからといってもそれまで三池のものを観ていなかったものにはちょっとあざとく映り分かりにくさもあるだろう。 残虐といっても筋からしては充分ありそうで終盤に流れていくほど今ではかなりがやるように活劇の常道をみせて面白く、流石に200を越す敵を130まで絞り込みそれを13人で迎え討つのはいくら何でも、、、、というのも尤もだが荒木又右エ門の一人で36人斬りが昔も蟻西部劇と同じくドンパチやるのが常道なのだから無理は承知ではあるけれど今風ではある。 居合いや本物の刀を振ってのところでは納得もできるものの乱戦でのあの刀の振りはないだろう、タケミツではないだろうもののあの刀の軽さはジュラルミンなのかもしれないというのも昔からあった感想だ。 稲垣が当初毬を蹴る仕草が印象的でそれが後ほど何かに繋がるのではないかと思っていたらその通りになって微笑ましかった。 まさに60年ほど前に田舎の便所がでてきてその中に転がり込むのかとおもったのだが流石にそれはしていない。 それをすると稲垣が軽すぎるように見えると思ったのだろうか。 この手の役が上手い岸部一徳にもうひとひねりして悪くなって欲しかったのだが千両箱に驚くだけで終わったのはちょっと残念だった。
 
もう一つ残念だったのはフラーミッシュ/オランダ語字幕で刺客が「雇われ殺し屋・huurmordenaar」となっていたことだ。 生半可な知識でしか翻訳できない者の陥る誤りだろう。 文化背景が分からなくては翻訳者は勤まらない。 侍の仕事が殺し屋だとしても雇われるのみでないことは筋を追っていればわかることでそれが侍社会・日本の旧文化だといってもヨーロッパでプロと自称する翻訳者がこれでは情けないことだ。
 
尚自分がカメラでテレビから撮った字幕には、ことが済み生き残った山田と伊勢谷の、下民・伊勢谷が強がってうそぶく「山でイノシシと戦ったらこんなもんじゃない」と書かれていた。


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