ビアンカの  GOING MY WAY ♪

昨日・・今日・・そして明日
   人生は ・・・ダバダバダ・・・

大切なのは、自分を解き放つこと。

2012-04-23 | cinema

 

何年か前、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団に興味を持ったのですが、2009年にピナが癌で
他界し、とても残念に思っていました。
それが、嬉しいことに今年は2本の上映映画を通して、彼女とその世界を垣間見ることができました。

ヴィム・ヴェンダース監督の3D映画、「ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち

いやぁ~その個性的なパフォーマンスに圧倒されっぱなしでした。
最初はそれらの表現にどういう意味があるのかしら、と、考え込まずにいられないほど
風変りに思えました。しかし、体と心を思い切り解き放った、演劇的要素の多い彼らの舞踊は、
見ているうちに次第に、この世に同じ人間は一人としていないし、各々が愛おしい個性的な存在なのだ
ということがヒシヒシと伝わって来たのです。その時にはもうすっかりピナの世界に引き込まれていました。

 

そして、「ピナ・バウシュ 夢の教室」です。



これはピナの指導風景を収めた、生前最後の公式映像とのこと。
誰一人としてダンスの経験がない、育った環境もばらばらな少年少女を集めて、ピナの代表的作品
コンタクトホーフを 十か月という決められた期間で習得し舞台に立つという、まるで
「ベルリンフィルと子供たち」を思い出してしまうような内容だと思いました。

世界的な舞踊家、ピナ・バウシュのもとに、40人のティーンエイジャーが集まった。演劇好きの少年、
ロマの子、不慮の事故で父を亡くした少女やヒップホッパー…。性格も家庭環境もバラバラで、ピナの
名前すら知らない彼らに共通するのは、誰一人として、ダンスを習った経験がないこと。そして、たった
10ヶ月後に、ピナ・バウシュの代表的作品「コンタクトホーフ」の舞台に立つこと。ピナ自身が企画した、
この無謀とも言える挑戦を実現するため、ヴッパタール舞踊団で活躍したダンサー、ベネディクトとジョー
による、毎週土曜の猛特訓が始まった。ピナも何度も稽古場に足を運び、子供たちと語り合う。
慣れないダンスに恥じらったり、弱音を吐いてばかりの少年たちは、本当に大勢の観客が見つめる舞台で
自分を表現できるようになるのだろうか…。

踊ることは、自分を解き放つこと。
誰もが内に秘める優しさと暴力、純真な心、その全てをさらけ出すことなのだと。

ダンスを習った経験がなくても、踊れる。歌も習わなくたって見よう見まねで歌えるものだ。
いくつになっても可能性はある、と信じればあるんだ。ない、と思えばないんだ。