ビアンカの  GOING MY WAY ♪

昨日・・今日・・そして明日
   人生は ・・・ダバダバダ・・・

品川での写真展

2009-12-09 | art/exhibit/museum


前回、デパートでの長倉氏の写真展に行ったとき貰ったパンフレットで
この写真展を知り、品川にあるキャノンギャラリーSに初めて行って来ました。
品川で下車することって滅多にないので、港南側がどんなに変ったかも
興味がありました。思っていたとおり、高層ビルが聳え立ち、汐留などと
似たり寄ったり。どちらが先でしたっけ?ほぼ同時期かもしれません。

品川グランドコモンズと品川インターシティーの間のスカイウェイを
端の方まで歩き、やっとキャノンSタワーにたどり着きました。
ビル街は面白くないけど、ビルとビルに挟まれたスペースが
憩いの場所になっていて、紅葉の色彩が
無機質なビル街に映え、ホッとした空間を作り出していました。


美術館と違い、ギャラリーはワンスペースだけの空間なので、
一度に全作品が見渡せます。これだけの目的で品川まで来るには
是非とも他の用事を兼ねたいところ。それでトークのある日を選びました。


ギャラリー風景 (ピンボケご容赦!)



中でもアフガニスタンの抵抗運動の指導者マスードの写真と話は特に印象に
残りました。一人の若者との出合いと記録。そこには新聞などでは
計り知れない「時間の重み」とでもいうんでしょうか、移り行く年月を
感じずにいられません。彼は結局、アメリカの同時多発テロの二日前に、
ジャーナリストと偽ったアラブ人の自爆テロに倒れたのです。
マスードと知り合って間もないころに撮ったという、草原で読書する写真。
戦闘の只中にいる人間が、僅かな睡眠時間を削ってまで読書している姿は
長倉氏を驚かせるに充分でした。故郷に図書館を作るのが夢だった
マスードは、読書家で詩を愛する若者の一人。その姿と戦争とが
結びつかないことでシャッターを切り続けた写真家。
長倉氏は17年に亘り(日数にして500日ほど)生活を共にしたことで
戦闘に生きる人間の生の姿、彼らの苦悩、彼らの喜びを目に焼き付け、
カメラに収めてきたのです。

 

前回の写真展で購入した「ぼくが見てきた戦争と平和」の本に、
9.11の後、イスラム世界がテロを歓迎しているような報道が多かった頃、
こんな事があった、と紹介しています。

(前略)そんな9.11の扇情的な報道があってから2~3ヶ月くらいたった頃、
深夜のテレビで、同時多発テロの直後、イランのテヘランで何千人もの人が
集まってキャンドルをかかげてテロの犠牲者のために祈りを捧げている
映像が流されました。どうして、この映像を事件の直後に流さなかったのか。
流していれば、「ああ、やっぱりイスラムの人も私たちと同じなんだ。」と
感じてもらえる映像だったのに、と思うと残念でなりません。
遠くで起きたことを遠くのものとして、あるいは他人事として報じる
のではなく、遠くであっても、同じ人間としてのシンパシーを感じられる
報道が必要なのだと思います。
(後略)

切り捨てられた部分に大切なことが」のページでも心から共感しました。
報道で切り捨てられたところ、削りとられたところにこそ大切なことや
見失いがちなこと、思い到らないことが多く含まれ、それこそが
私たちが世界や遠く離れた国の人たちと繋がることのできる部分だ、と
仰っています。戦争にもいろいろな戦争があるし、平和だって色々。
他の地域のことは関係ないという平和はとても貧しく醜い。
平和な側から「戦争はいけないからやめよう」という言い方もあるが、
戦いをしている人々が一番戦いをやめたいと思っている。
解決への手助けをするべきで、「戦争は愚かだ」と言うだけでは
何の解決にも繋がっていかない。などなど、戦地での取材を重ねた
一人の写真家のピュアな姿に感動しました。

本からの引用部分はトークでも少し話されましたが、何枚もの写真を
次々紹介していくトークでは伝わりきれないことでも本は多くを
語ってくれるんですね。
美しい女性の写真では、「やっぱり綺麗な人に目が行ってしまうので・・」
と、照れながらお話なさっていましたが、正直な視線がいいな。
驚いたのは、チベットの山奥でもケータイが流通していた、ということ。
知ることで私のちっぽけな世界観はどんどん変化し続けます。

廊下のギャラリーではキャノンフォトサークル誌の50年分の表紙が
展示されていました。これも写真を通して時代が感じられ、面白かったです。


廊下の奥には簡単なセルフカフェがあり、ライブラリーも兼ねていた
ので、その中から選んだ写真集を眺めながら休憩することができました。
折角品川に来たんだから今回こそ泉岳寺に寄ろう、と欲張って計画
していましたが、日の落ちるのが早く、今度も残念ながら断念。
ところが偶然かぐやひめさんブログで泉岳寺に行かれた時のことを見つけ
ビックリするやら嬉しいやら。又、母と日比谷公園に行ったときは
帰りに外苑の銀杏並木の前を走りたかったのですが、母が疲れるからと
やめました。それが、カメリアさんのブログでバッチリ見れたので
すっかり行った気分になれました。各ブロガーの皆さま、おおきに!


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