ビアンカの  GOING MY WAY ♪

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二つのピカソ展

2008-11-17 | art/exhibit/museum


だいぶ前のことですが・・・
二つのピカソ展に行ってきました。一緒に行ったのはパリのピカソ美術館へも
足を運んだことのある友人ですが、彼女が私を誘わなかったら果して見に行ったでしょうか。二十世紀美術の巨匠の一人と言われているけど、ピカソのこの絵が好き!と言える作品にはまだ出合っていないんです。
サントリー美術館での「巨匠ピカソ 魂のポートレート」を最初に見ました。友人
カザジェマスが悲恋の末に自殺したことにショックを受け、悲哀に満ち、呆然と
した表情の「青の時代」の傑作といわれる、20才の時に描かれた自画像など、
主に「自画像」をテーマに60点余りの絵が展示されていました。
「自伝を書くように私は絵を描く。私の絵は日記の頁なのだ。」
の言葉のように、彼の絵のスタイルも彼に愛された女性達も、時代と共に移ろい
でいくのがわかり、彼が情熱家だったのか、男性としてモテたのか、有名だった
からなのか、お金があったからか、・・など色々想像しながらも次々と女性を替え
ていくピカソに呆れました。いやぁ、すごいオヤジだ~というか、生命力に溢れて
いたんですかね。一方の女性たちは彼にすべてを吸い取られて抜け殻同然にな
ったところで去っていったのでしょうか?

ミッドタウン4FのBOTANICAでランチをすることにし、その後で国立新美術館に
行くことにしました。お天気の良い日はここのテラス席が最高なんですが、少し
寒いかな、と思い、室内席にしました。食後、テラスに出るとそこは秋色のミニ
ガーデンが広がり、眺めもなかなかgoodです。    

  
 

国立新美術館での「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」展では彫刻等も含めて170近い
作品が、素敵な配置で展示されていました。美術館という限られた箱の中で
ピカソの作品群がイキイキと、あたかも語りかけてくるようで、好きだ嫌いだを超越して、“ピカソを楽しむ”ことができました。
今までそれほど興味を持てなかったので、その名前も知ろうともしませんでしたが、女性たちの存在が彼の「絵日記」を通して時代背景とともに浮かび上がってきました。

★ フェルナンド・オリヴィエ:最初の恋人。7年間伴侶。

★ マルセル・アンベール: 通称エヴァ。同棲するが翌年病死する。

★ オルガ・コクローヴァ:  ロシア名家出身バレリーナ。1917年イタリーで知り合  
                  
い翌年結婚。パウロという名の子が出来る。 
                 次第に気持が離れるが彼女は1955年に亡くなるまで
                 離婚には同意しなかった。
                 そんな時、マリー=テレーズと出会う。                                                   
                 
★ マリー=テレーズ:   ギリシャ彫刻のような横顔の17才。ピカソ46才の時の
                 恋人。マヤという子も出来る。ピカソの死後、自殺。

★ ドラ・マール:       ピカソ55~63才時の愛人。画家・カメラマン。
                 「ゲルニカ」の製作過程を記録した。

★ フランソワーズ・ジロー:画学生22才。46年に共同生活するも、53年に自ら申し                
                 出て、二人の間に出来たクロードとパルマという子供
                 と共に彼のもとを去る。

★ ジャクリーヌ・ロック:   ピカソ70才、 ジャクリーヌ26才の時に知り合う。最後                                          の伴侶。1961年正式に結婚する。ピカソ91才で亡くな  
                 た後、自殺。
  
よくぞこれほどまで精力的に行動できたなぁ、と感心してしまいます。さすが結婚は2回だけでしたけれど、懲りずに女性を求めたんですねぇ。

愛することと芸術的創造とが分かちがたく結びついていた、と書かれていたように、1973年に亡くなるまでの91年間、ピカソの人生とはまさに愛と創造の軌跡だったのですね。青の時代からバラ色の時代へ、そしてキュビズム、新古典主義、を経てシュルリアリズム~ゲルニカの時代へと接近していく絵の流れがなんとなく掴めたし、女性を替えるごとに成長していった様子もわかり、この女ったらしのラテン男め!と思いながらもピカソの作品を大いに楽しめた展覧会でした。新美の今回の展示は一見の価値あり、でしたよ。


       
         オルガ           マリ=テレーズ          ドラ・マール
        
               ピカソとジャクリーヌ・ロック             自画像