それと、8月3日には遂に旧ソ連の反体制作家であり、ノーベル文学賞受賞作家でもある、アレクサンドル・ソルジェニーツィン氏が亡くなった。享年89才。敬虔なるクリスチャンであり、ソ連の歴史的な背景を背負いながら生きた人だった。「イワン・デニーソヴィチの一日」、「ガン病棟」、「煉獄の中で」など、ドストエフスキー以後の注目すべき作家として、学校の勉強よりも面白くて好んで読んでいた。自国への批判などの言動から、国外追放の身となるも、ペレストロイカ後はソ連市民権を回復し、こんどはロシアの再生に多大な影響を与え、ロシアの文化勲章を授与される、など自国の歴史に翻弄されながらの波乱万丈な生涯だった。1983年に宗教界のノーベル賞であるテンプルトン賞の受賞式がロンドンで行われた時には、『現代の悲劇はすべてわれわれが神を忘れたことに原因がある。』と、クリスチャンの立場で現代文明を鋭く批判したという。 あ~ぁ、時代は移りつつ、一人又一人と気になる人がいなくなる寂しさよ。 |