ビアンカの  GOING MY WAY ♪

昨日・・今日・・そして明日
   人生は ・・・ダバダバダ・・・

4分間

2008-01-19 | cinema

 

先週、たまには映画を見に行こうか、と、
夫が言い出し、シネマイクスピアリの上映
スケジュールを調べたのですが、これと言って
見たいのがないな、と言われ、結局行くのは
やめました。都心なら私の見たい映画が幾つか
あったのですが、夫は電車に乗ってまでは
行きたくない、と。で、昨日一人で銀座まで
行き、見たい映画の一つを見てきちゃいました。

4分間のピアニスト」 
原題 ~“Four minutes”~

 刑務所にやってきた一人の年老いたピアノ教師トラウデ・クリューガーと、心身共に荒んで心を固く閉ざした若い受刑者ジェニー。
二人とも不幸な過去を背追っているのだけど、ジェニーのピアノの素質を一瞬にして見抜いたクリューガーの無言の忍耐強さと、いつも押し黙っているジェニーの、心の中のなにかが爆発する時の突発的な暴力行為が胸に突き刺さって来て、最初から最後までドキドキの連続でした。
「衝撃的なラスト」、と、宣伝に書かれていたので最後の方はどうなるのか、あれこれ想像しながら見ていたら、途中から胃が痛くなってきました。暗くて重く、静かなようで激しく、刺激的に痛ましく、辛くなる映画なのに、その中の音楽が、すべての暗闇を強烈に吹き飛ばす程光っていて素晴らしかった~!
あぁ~、耳の中でまだガンがン鳴っている。
皆に見てもらいたい、というより、みんなに聴いてもらいたい映画なのです。
クリューガーは、ジェニーの好んで弾く曲を、「そんな下劣な曲はお止めなさい!」
と言っていたけど、私は最後まであの曲の虜になり、ラストの場面では、感動はしたけど、終わって欲しくなかった。もっともっと、ず~っと聴いて居たかったし見ていたかった。そんなドイツ映画でした。                                                        
                           
この映画は2007年ドイツアカデミー賞で8部門にノミネートされ、作品賞を獲得し、クリューガー役のモニカ・ブライブトロイは主演女優賞を獲得。又、ドイツ在住の日本人ピアニストが二人参加しており、衝撃的な最後の曲を演奏し、ジェニーに個人レッスンを施したのが日本人だったとは、見た後に知り、ビックリやら誇らしいやらでした。
それにつけてもジェニー役のハンナー・ヘルツシュプルングの演奏の演技も惚れ惚れするほど見事。クリス・クラウス監督はインタビューの中で、「タイトル(原題:4分間)に込められた意味を教えてください」との質問に、こう答えているんです。

    この映画は、人生の中で力がみなぎり、ロマンティックで、心を奪うような瞬間を
    扱っている。そうした瞬間は、人として変わらなかった瞬間よりも、ずっと重要なのだ。
    昔を振り返って、いつも衝撃的な瞬間や、幸福な瞬間ばかりを思い出すことからも
    分るだろう。ロマンティックな瞬間はたちまち過ぎるけど、それでも人生の最後まで、
    その瞬間は影響を与え続けるのだ。


帰り道、余韻を抱きながら奥野ビルに足が向っていました。
昔、ナンじゃこりゃ、と思って中を上階まで探検(!)したビルです。
その並びの一角が更地になり、工事中だったので、もしや、と、一瞬あせりました。
いつ壊されてもおかしくない位の古さなんですもの。このようなビルを見ていると、
もうちょっと浸っていたい余韻を封じ込められる気がして。

 【ひとこと】ブログ記事が溜まっているのに眼精疲労気味で、パソコンの画面が短時間でも
       眩しく感じてしまい、この所、仕事以外はあまりネットに繋げていませんでした。
       このブログの前にも挟みたい記事があるのですが、今日は最新のをアップする
       ことにしました。皆様のブログにも少しずつ訪問させていただきますね。