前置き
ホントは23話「川のほとりでドンシャガラン」で書こうと思ったんだけど書いては消したり(消えたり)、サボったりしているうちに10月になっちゃったので28話「京都でマイラブ」をやっちゃおうと思う。
先のまいらちゃんお誕生日回である「まいらマイラブ」は事前に伏線を張った上で事実を淡々と告げ、丹念にエピソードを組み立て、「夢ってええな。会いたい人にまた会えるもんな」というぺこの最後のセリフに収束させた。少なからぬ人たちが「神回」とか「2020年のベストエピソード」と述べているのも納得だ、というのは前にも言った事だ。
それを踏まえて、2年目のまいらちゃんお誕生日回はどんな話になったのか振り返っていきたい。
Aパート 面白京都旅行
今年もまいらちゃんの誕生日という話の流れから「いつものみんな」で京都一泊旅行する事になった。まいらちゃんのお父さんはそこに男子が入る事に思うところはなかったのだろうか?
ただ「みっくす!」1話におけるナオミちゃんの春巻の話でも分かるように意外と何でも「オッケー、オッケー」と受け入れてくれるノリのいいお父さんとして描かれているのでそこら辺も素直に受け入れてくれたのかもしれない。
完璧な京都旅行の観光プランを立てようとするのがすうちゃんなのがミュークルらしさ。まあその観光プランも気ままな人たちのために瞬く間に崩壊するわけですが。
ことこ先輩が去年の修学旅行に言及したことで、物語上言及されてない3泊4日程度のことこ先輩不在の時間ををねん出できたのかと疑問が湧いてくる。わざわざ言及する必要はないだろうという真っ当な答えをあえて捨てて、ここはことこ先輩と出会ったときにすでに修学旅行へ行った後説(注)を主張したい。 さすがに時勢(おそらく時間と予算も)のせいでロケハンはできなかったらしい(注2)けど、一般的な修学旅行回に負けない京都観光回になってたと思う。その上修学旅行という枷が無い分、みんなが自由気ままに楽しんでいた。
休みの日に学校に行ったけどゆめちゃんが来てなくてショックを受けたり、「お泊り」という文言に過剰に反応してのぼせてしまったりといった「みっくす!」の軸となったアッキーのイベントを差し挟んでくるところもぬかりない。
そのお泊りでみんなでお風呂入ろうという話になって「おっ、入浴シーン来るか?」と期待させたところでAパートが終わる。
Bパート 思い出
アイキャッチが明けて、男性陣の入浴シーンだったことに「違う、そっちじゃない」というのはいわゆるおっさんのつぶやき。この外し、そして部屋での会話シーンと結構面白いキャラであるまいらちゃんのお父さんが物語の中で浮いていない。これは朝陽君がいて話し相手になっているからに他ならない。
ゆに達は先回りしたゆめちゃんと朝陽君をよそに大事な思い出は壊せないと何もせずに撤収する。一つ 言えるのは、まいらちゃんにとってお母さんの夢はどんなに楽しいものだとしても、わくわくキラキラではないって事。それは夢の中でしかかなわないものなのだから。
そこからはまさに圧巻といって良いシーンの連続だ。ゆにが恩返しのために作った特別仕様のゆにっちアビスで見せる理想の夢をゆめちゃん達がチアふる☆タイムでさらに盛り上げる。もう一つ作ってあったゆにっちアビス(注3)で見せる三つの思い出。そして前回同様、月島家の四人で祝うまいらちゃんのお誕生日。 細かいツッコミは野暮としか言いようがない。
まとめ
このエピソードは先の「まいらマイラブ」のような「泣かせる」話ではない。むしろAパートで京都観光を楽しみ、Bパートでゆにや朝ゆめ(注4)、他のみんなにほっこりしつつ、まいらちゃんの話で少しほろっとさせる、そんな感情のジェットコースターのようなエピソードだ。
どんな「神回」も単純に同じことを繰り返すだけなら意味が無い。まいらちゃんのお誕生日回で一番危惧したところはそこだった。「京都でマイラブ」はまいらちゃんの話を基軸にしつつ、そこに「みんな」を加えた「みっくす!」ならではの「特別編」となった。
これを受けての三年目のまいらちゃんのお誕生回、どんなお話になるんだろうか?
次回はみんなのお誕生日というのを取り上げたいと思う。
注:根拠を述べだすと長くなるので略。ただ一つ言えるのは春の修学旅行は決してあり得ない事ではないという事だけ。
注2:この回についての桜井監督(コンテも担当)のコメントによると旅行ガイドや昔の思い出などを参照したそう。
注3:前にもあったけど、こういう時二つ用意するゆにって意外と考えてるよな。
注4:二人だけのユメシンクロ、共有する思い出。客席からまいらちゃんを見守る姿は「仲がよろしい事で」と言う他ない。