日々是雑感

アニメや映画の感想を中心に雑多に述べていきます

ミュークルドリーミー キャラクター紹介第14回 「北田翔平、緑野わかば」

2021-05-24 05:29:00 | アニメ
【サブキャラでありながら本作のラブコメを象徴】
ここからサブキャラの話に入っていく。メインの脇役というのは世界を広げていく存在だと思う。中心となる物語に直接かかわるわけではないけど、登場機会が多いNPCというのは世界に彩りを与えてくれる。時にそのようなNPCにスポットを当てた話を作ることで、世界は更に強化されることになる。(注)

本来の話に戻そう。

2話で「しっかり者なんだけど、考えすぎて動きが取れないことがある」と紹介されたわかばちゃんは8話でその想い人が朝陽君の親友である翔平君であることが明言された。所詮サブキャラ同士の恋愛事情などその場限りで終わらせてしまってもかまわなかった。ところが10話、15話、18話とこの話は蒸し返された。それだけの積み重ねをした上で24話を迎える事になる。

文化祭の出し物を決める時、「我に秘策あり!」とばかりに自信満々だった翔平君に対してわかばちゃんは「翔平、きっとあれを言う気だ」と言っている。すなわちわかばちゃんはこの時点で翔平君が言おうとしていたこと(モグラたたきゲーム)を知っていたことになる。その事を朝陽君ですら知らなかったのに。

これ以降、彼女はツッコミ役としての立ち位置を確保する。それは2話の紹介時点では考えられなかった変化だ。「恋が人を変える」事をメインキャラクター以上に体現してしまったのだ。一方でギャルゲーにおける男サブキャラの典型のような翔平君にはあまり変化が無いように見える。

にしても48話で「新入生にかわいい子いないかなぁ」なんて軽口を叩いた翔平君にやきもちを焼いて耳を引っ張るなんて姿は頭ぽんぽんに匹敵するカップル案件じゃあないですか。





注:「新クトゥルフ神話TRPG」186ページに以前作ったNPCを再活用するメリットが記載されている。そこに書かれているのがまさにこの事。

ミュークルドリーミー キャラクター紹介第13回 「沢村百合」

2021-05-03 17:39:00 | アニメ
【幼なじみヒロイン大勝利】
「日向ゆめの物語」であるうちはその存在が「憧れの先輩のそばにいる女性」くらいのものでしかない。だからこそ当初、彼女は「書道部の部長で生徒会の副会長、そして杉山先輩の幼なじみ」くらいの情報しかなかった。そしてその見え方はどうしてもゆめちゃんの目を通してのものになっていく。

26話でゆめちゃんは直接その想いを聞くことになる。これによって物語の構造が「日向ゆめの物語」から「日向ゆめを主人公とした二組の幼なじみの物語」に変化すると、彼女は一気に物語の中心へと躍り出る。幼なじみへの違和感に戸惑いながらもその時間の終わりまで懸命に支えようとするヒロインとして。

闇に堕ちかけて苦しむ王子様を救うのはやはりお姫様しかいない。かなりいろいろな事をぶっ飛ばしている感じではあったけれど、ヒロインの祈りは通じ、事態は解決へと向かった。

お互いの想いは通じ合い、周りもそれを認めた。そして卒業とともにロンドンへと旅立つ。これで彼女の物語もとりあえず終わった。新たな物語にレギュラーとしての席が用意されるとは考えにくい。だがゲストとしてまた戻ってきて欲しくはある。

杉山兄弟を何とかするために。