うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の日記を読む その108

2008-10-18 05:37:01 | 日記

 三月五日 すべて昨日のそれらとおなじとあります。大隈公園に行きます。そこは大隈侯の生誕地であって、三十年前早稲田在学中候の庭園で侯等と一緒に記念写真を撮ったことを思い出して悄然とします。<o:p></o:p>

 宿のおかみさんの話をします。ここのおかみさんは女の欠点をより多く持ち合わせていると断罪し、彼女と一緒に生活している御亭主の忍耐に敬服しています。また同宿のお遍路さんの細君は見た目はまあまあだが、時々ヒステリックになり、朝から夫婦喧嘩を始めるのはどうかと、蔑むより人間の惨めさを感じると憐れんでいます。山頭火、どうも女性に対して手厳しい風が見られるのはひが目でしょうか。<o:p></o:p>

 <st1:MSNCTYST w:st="on" AddressList="41:佐賀県佐賀市;" Address="佐賀市">佐賀市</st1:MSNCTYST>のものの安さに感心しています。まず酒です。酒は八銭、一合五勺買えば十分二合くれるとはまた結構なことです。大バカ盛りうどんが五銭、カレーライス十銭、小鉢物五銭とあります。<o:p></o:p>

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 畳ふるきにも旅情うごく<o:p></o:p>

 樹彫雲影猫の死骸が流れてきた<o:p></o:p>

 土手草萌えて鼠も行つたり来たりする<o:p></o:p>

 水鳥の一羽となつて去る<o:p></o:p>

 飾窓の牛肉とシクラメンと<o:p></o:p>

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 三月六日 曇后雨、あとは昨日の通り。行乞の途次、たまたま出征兵士を乗せた汽車に遭遇しました。「私も日本人の一人として、人々と共に真実をこめて見送つた、旗がうごく、万歳々々の声、私は覚えず涙にむせんだ、私にもまだまだ涙があるのだ!」。その僅か十年後、子供であった小生は日の丸の小旗を振って、同じく汽車での出征兵士を見送っています。あっという間に日本は戦争の泥沼に突入していったのです。感無量といったところです。次に山頭火、意味深い話を聞かせてくれます。「同宿のルンペン青年はまづ典型なものだらうが、彼は『酒ものまない煙草もすはない、女もひつぱらない、バクチもうたない、喧嘩もしない、ただ働きたくない』怠惰といふことは、極端にいへば、生活力がないといふことは、たしかに、ルンペンの一要素、致命的条件だ。」<o:p></o:p>


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2 コメント

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Unknown (うたのすけ)
2008-10-18 15:38:02
かわぐち えいこうさんへ。
今日は。
案外そうだったりして。山頭火モダンなところがあります。隅には置けません。
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Unknown (■かわぐち えいこう)
2008-10-18 15:19:15
飾り窓の牛肉とシクラメン
レストランにでも入ったのでしょうか。
シクラメン当時もあったんですね。牛肉食べたりして、まさかワイン、ボトルで頼んはいないでしょうね。
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