「本万引き一千万円」「ステレオ持ち預金四百万円」自称大学院生と、昭和50年10年9日の記事です。
万引きした本を古本屋に売りさばいて生活していた自称「東大法学部大学院生」が横浜・神奈川署につかまり、8日横浜地検に身柄送検されました。
調べによりますと横浜市神奈川区の無職A(26)。で、5年ほど前から横浜市をはじめ大阪、名古屋などの書店から比較的高価な美術全集や法律専門書、辞書類などの書籍約3000冊、1000万円相当を盗んでいました。
捕まった時、300万円の定期預金と100万円の普通預金を持っていました。部屋には盗んだ本が畳一枚分の本棚3つにぎっしりつまっており、本を売った金で買ったとおもわれるステレオや冷蔵庫などの電気器具が部屋いっぱいに置いてありました。本のほかにも食料品、衣類など手当たり次第に万引きしていたらしいのです。
盗んだ本は半年ほど寝かしたあと、横浜や東京方面で盗んだ分を関西方面で売りさばき、またその逆の手口を駆使しておりました。盗まれたのを気付いていないのか、書店からの被害届はほとんど出ていませんでした。
Aは盗んだ本は読んではいませんが、「東大法学部公害法研究室」などの肩書きをつけた名刺を持ち歩き、古本屋を信用させていたらしいのです。
しかし先月横浜市のスーパーで冷凍イカなど3000円相当万引きしたところを警備員につかまり、これがきっかけで5年間の悪事が明るみに出ました。
「イカぐらいお金を出して買え!」です。