goo blog サービス終了のお知らせ 

観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

廃棄物をめぐる問題

2011-08-13 14:55:50 | 政策関連メモ
「放射能と理性」の「廃棄物をめぐる問題」(199p~206p)のパートが面白い。原発反対派の主要な根拠は核廃棄物への懸念であるが、そうした懸念が原発が批判のターゲットになり反論が難しい状況の上に成り立っていることであろうことが分る。201pの表に検索で出てきたデータをあわせて火力(石炭)と原子力の廃棄物を比較する(石炭より石油、石油より天然ガスがよりクリーンだがその点についても触れられている)(以下※>部の引用は筆者が要約・付け加え)と・・・

>1ギガワット級発電所の年間廃棄物量は、火力で二酸化炭素650万トン・亜酸化窒素2万2000トン(ウィキペディア参照で、温室効果は二酸化炭素の300倍で京都議定書で規制がかけられており、オゾン層をもっとも破壊する物質であることをアメリカ大気圏研究チームが突き止め科学誌「サイエンス」で発表されている)・灰32万トン(ヒ素400トンと有毒な重金属含む)、原子力で高レベル核廃棄物27トン(燃料再処理とガラス固化を行えば5トン)・中レベル核廃棄物310トン・低レベル核廃棄物460トン。二酸化炭素と亜酸化窒素は大気中に即時放出され、灰と重金属は大地浅部へ順次埋め立てしているが、高レベル核廃棄物は即時放出は無く、技術的に安全に処分することができる(燃料再処理後とガラス固化後の深部埋め立て)。環境にもし放出された場合の影響持続期間は、二酸化炭素は約100年(※海洋酸性化の問題は恐らく考慮されていない)、亜酸化窒素は約100年、重金属は無限、ヨウ素とキセノンは数週間、ストロンチウムとセシウムは約100年、アクチノイドは無限。

どうだろうか、廃棄物の問題は(火力と比較し)原子力にとって弱点ではなく、寧ろクリーンだから、最近の原発復権の動きに繋がったという事実が確認できる。環境を理由に脱原発を決めたドイツは(自国内に豊富な)石炭火力への依存が深まった場合、より環境汚染してしまうという皮肉な結果に終わるだろう。再生可能エネルギーが現在効率が悪いのも明らかで、将来にわたっても、発電の安定性の問題は解決困難はこれまで指摘してきた通りだ。

>大規模なエネルギー生産の手法として、化石燃料による燃焼と核分裂を比較すると、両者はともに連鎖反応プロセスを利用するため、注意深い制御が必要となり、化石燃料の燃焼で得られるエネルギーは、核分裂のエネルギーで得られるエネルギーの約500万分の1。※88p

これが廃棄物の量の差となって数字に跳ね返ってくるのである。

事故を起こしたからといって、原子力の廃棄物だけをクローズアップするというのは理性的ではない。火力に代替するなら、火力の廃棄物を比較考量しないと意味がないということになるに違いない。脱原発派(「原発のウソ」など)が文明放棄論を含んでいるのには理由があったのである。実のところ、火力に代替すればより汚染されかねないというのは、少なくとも学者は何となくでも気付いているのだろう。菅首相が今興味があるらしいバイオマスだって、燃やしてしまうと、きっといろいろ廃棄物は出るのではないか。カーボンニュートラルは分る(農産物生産の時のCO2排出も分る)が、この点キチンと検証されなければならない。文明は放棄できないという立場に立つ(自分はそうだし、概ねみんなそうだと思う)なら、脱原発の言論には要注意なのである。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。