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観測にまつわる問題

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F-Xと事態の想定

2011-10-14 00:31:10 | 政策関連メモ
F-Xだが、防衛省がF-22を強く主張し、望みが絶たれたため、F-35を最有力としているという経緯は承知の上だが、このブログではあくまで検討していくつもりである。専門家の意見は重要だが、高い買い物なので、文句はないはずだ。

防衛省の考えはわりとハッキリしている。ステルス性重視だ。要するに中露などのステルス戦闘機に対抗するためには、少しでも上のステルス戦闘機が必要ということらしい。確かにF-22がF-15に圧勝したという話は有名だ。しかし、中露のステルス機対策という理由には疑問がある。実際に元航空幕僚長の田母神氏がユーロファイターを押していたという事実があるし、ユーロファイター側も空戦能力の自信を隠さない(軍事研究11月号/BAEシステムズ上級顧問・元英空軍参謀長のトービー氏へのインタビュー記事参照/F-22は認めるが、F-35に比べても空対空能力には自信があると言い切っており、これはこれまでの経緯に符合するようにも見える)。確かにF-35は新しい機体だが、F-22が輸出をしないことを前提に最新技術を惜しげなく投入したのに対し、F-35は輸出を前提とし、更に各軍の要求を盛り込むことで、機体開発が難航してきたという経緯がある。つまり傍から見る限り、中国やロシアのステルス機と戦うことを想定した場合、本当にF-35がベストなのかという疑問が拭えない。

これは決してF-35が優れていないと主張したいわけではない。その高いステルス性は見つからないよう侵入し爆撃するというミッションにおいて高い能力を発揮するだろう。イスラエルがシリアの核関連施設を爆撃して敵対的な隣国の核武装を実力で阻止したことがあったが、問題は日本がそこまで考えているのかどうかだ。考えてないなら、高い空対地能力の魅力はあまりないということになる。

F/A-18E/Fも有力とされいい機体なのだろう。

だが、自分はあくまで日本の安全保障環境に適合する能力を第一優先に選定すべきだと考える。同盟国アメリカの機体は勿論それだけでアドバンテージはあるが、今回ユーロファイターは技術の移植面でアドバンテージがあり、ユーロファイターが明らかな好条件で選ばれないとなると、今後アメリカ機以外の選択肢が無くなる恐れもあり、そうなると航空機の独自開発能力が日本は残念ながら低いのだから、アメリカ一択独占になってしまうという危機感がある。だから、日本の国益上今回は、「アメリカ機だから」というアドバンテージはないものとして考えていいのではないか。

デキレースという噂もあるが、F-Xの選定に関しては、自分は納得したいという気持ちが強い。一川大臣はそのようなことを言った(MSN産経ニュース 2011.9.27 10:47)のだから、その通りにしてくれるものと一応期待しておきたい。