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観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

サイバー攻撃と憲法解釈、抗たん性

2018-04-04 20:08:38 | 政策関連メモ
自衛隊指揮通信システム隊(ウィキペディア)

>これまで陸・海・空自衛隊が参加してきた国際連合兵力引き離し監視軍、国際緊急援助隊等に代表される「統合部隊」(2以上の自衛隊で構成される部隊)は要請に基づきその都度編成され、統合幕僚長(旧:統合幕僚会議議長)の命で任務を遂行してきた。中期防衛力整備計画 (2005) 構想により、自衛隊創設以来初の常設統合部隊となった。
>自衛隊指揮通信システム隊の任務はこれまで統合幕僚監部指揮通信システム部指揮通信システム運用課が担ってきたものである。隊員は陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊の自衛官及び事務官・技官をもって編成されている。2014年にはサイバー防衛隊を新編し、約300名が在籍している。サイバー防衛隊は、人員を将来的に1000名体制に拡大する方向で検討されている。

防衛省、サイバー部隊千人規模へ 攻撃手段も研究(共同通信 2017/7/17 05:2710/26 18:07)
自衛隊もAIを導入! 将来はウイルス攻撃などのサイバー攻撃からAIが国を守る!?(livedoorNEWS 2018年1月25日 20時34分)

サイバー部隊は専守防衛日本の自衛のための強力なカードに成り得るポテンシャルがあると思います。日本がNBC兵器による抑止力を整備すると考えるのは現実的ではありませんが、サイバー攻撃で敵のライフライン等を攻撃できる能力を持っておけば、かなり強力な抑止力に成り得るかもしれません。これは仮想敵国の生活レベルが上がれば上がるほど脅威になります。

サイバー攻撃に係わる法的問題(3)-各論点をめぐる議論の状況-(海上自衛隊幹部学校)

>敵基地攻撃と憲法の関係については、昭和31年の鳩山首相答弁7を援用しつつ、法理上、他に手段がないものと認められるものに限り、敵の誘導弾等の基地攻撃も、憲法上の自衛の範囲内に含まれるとする。

日本が破壊的な攻撃を受けた場合、個別自衛権で言えば、有効なサイバー攻撃が確立していれば、他に報復の手段がない状況は十分考えられると思います。反撃で敵基地攻撃が許されるなら、サイバー攻撃もあるんじゃないかと思いますね。サイバー攻撃は敵のライフラインを攻撃するということで、破壊的な効果があるのは間違いないと思いますが、そうした攻撃をされるリスクは勿論日本にもありますし、反撃なら自衛の範囲と考えるのが当然です。問題は戦力か戦力じゃないかということですが、一種のテロと解すれば戦力じゃないと解するのが妥当だと思います。警察を違憲という人はまずいませんから、警察は戦力ではありません。警察にはサイバー部隊もいます(さすがに敵のライフラインは狙っていないでしょうが)。ハッカーを兵士という人もいません。NBC兵器廃止の国際的運動はありますが、サイバー攻撃には現状これはありません。ですから、サイバー部隊は戦力ではないと考えるのが妥当だと考え、専守防衛で強力なサイバー部隊を有しても構わないということになると思います。

敵から先制攻撃でサイバー攻撃を受ける危険性はあるかもしれませんし、ミサイルと大量破壊兵器で電力をやられる可能性もあるかもしれませんが(優先的に抑止力/反撃力に電気を割り振ったり、予備電力を蓄える必要もあると思います)、それを除けば、サイバー部隊は潜水艦に次いで強力な残存性を持たせることができると思います。別に地上にいる必要がないんで、いくらでも地下化で抗堪性を持たせることができるんじゃないでしょうか(無論出口がひとつしかなければ簡単に埋められる恐れがあります)。無論防衛省においてもサイバー攻撃への対応を考える上で、抗たん性は指摘されています(自衛隊のサイバー攻撃への対応について 防衛省自衛隊)。攻撃力が伴えば伴うほど抗たん性を高めておかないと狙われるはずなんですよね。

市谷に自衛隊指揮通信システム隊はあるようですが、アメリカサイバー軍(ウィキペディア)は6200人規模に増強されているらしく(米、サイバー防衛部隊を大増強 6200人規模に 民間と連携、シリコンバレーに拠点 日経新聞 2015/4/23)、研究拠点は渋谷にも近い市谷でもいいかもしれませんが、基地はアメリカサイバー軍はメリーランド州フォート・ジョージ・G・ミード陸軍基地に置いているように、キチっと安全保障政策上厳重に守ることは考えた方がいいと思います。これも米軍のマネをする訳ではありませんが、守るべきはライフラインですし、市谷から動かすのであれば、陸軍基地に置くのが妥当ではないかと思います。

海も空もサイバー防衛は極めて重要でしょうが(海は海底の回線の防衛や攻撃も考えられます)(空は宇宙も視野に入ると思います)、国土いっぱいに広がるライフラインを守ること、地下化、人数、海空は特殊な専門を考えてほしいことを考えれば、陸上自衛隊が中心になるのかもしれません。ただ、ポストは別に持ち回りでいいのかもしれませんね。3軍の協力が重要な訳ですから(ただし、持ち回りだと実際問題内部対立的で重要な問題を解決できない恐れもあります)。この辺は島嶼防衛も同じかもしれませんが。

諜報機関が無く情報に弱いとも言われる日本ですが、自衛隊サイバー部隊がその弱点を補う可能性もあると思います。

松代大本営跡(ウィキペディア)ばりの地下基地を造れとも言いませんが、日本の現状だとその手の基地があってもいいと思うんですよね。専守防衛で先制攻撃を喰らっても反撃できる力があることが抑止力となり戦争を防ぐと思います。

北朝鮮が核・ミサイルが封じられるようなことがあれば、サイバー攻撃により力を入れてくる可能性もあると思うんですよね。目だった証拠が無く水掛け論になりやすいのがテロ国家に都合がいい訳です。予断は許しませんが、状況が好転したのは圧力の徹底があったことがどう考えても大きい訳で、実力部隊が平和の反対のように考えるのは必ずしも当たっていないと筆者は考えます。

オフロード×陸上自衛隊

2018-04-04 16:55:01 | 政策関連メモ
中々実戦を想定しにくい陸上自衛隊ですが、検索してみると装備品の輸出が検討されたこともあるようですね。

政府、自衛隊装備品の輸出検討 「三原則」緩和で陸自車両など(日経新聞 2013/8/4)

>防衛省は陸上自衛隊が使っているいすゞ自動車製の「3トン半」と呼ばれるトラックについて、道路などのインフラが整っていない東南アジアなどで需要があるとみている。このトラックは車高が高く泥道も走行可能で、東日本大震災の被災地などでも使われた。

>川底にくいを打たずに最長60メートルの橋をかけられる陸自の特殊車両なども、海外で災害対応の需要があると分析している。

大震災の津波に襲われ唯一動いたトラック いすゞ「3トン半」(zakzak 2013.05.14)


実はこんなにスゴイ! 陸上自衛隊の“73式大型トラック”こと「3トン半」に乗ってみた(日経トレンディネット 2013年07月26日)

いすゞは主にトラック・バスの商用車を製造する日本の自動車メーカーでトヨタと関係しています。試験・研究業務は室蘭や苫小牧で知られる胆振総合振興局東部むかわ町のワーカム北海道

>東京ドーム92個分という広大な敷地に恵まれ、世界中の道路条件が再現できる各種コースを完備しています。

軍用車じゃありませんが、トヨタのランドクルーザーやスズキのジムニーも海外でも定評があるようですね。


【海外の反応】「やっぱトヨタは最強」 砂漠で発揮されるランクルの強さに外国人驚嘆!!(YouTube)


海外の反応「トヨタ車ハンパねー…」 水中を走っても壊れないランクルに外国人驚愕 オモロテレビ(YouTube)


海外の反応「そりゃ皆日本車買うわ…」スズキ車の桁外れな耐久性に世界が衝撃と称賛の声!【海外が仰天する日本の力】 日本好き外国人・親日家(YouTube)

喜んでいいのかビミョーなところですが、トヨタ車は武装ゲリラの皆さんにも愛されているようです(世界の武装ゲリラがトヨタを愛する理由(Newsweek 2010年11月19日(金)14時01分)(アメリカ「おいトヨタ、なんでISISの連中は皆トヨタ車に乗ってる?説明しろ!」 海外の反応。(海外反応! I LOVE JAPAN 2015年10月08日08:00)。

危ない使い方で言えばアラブのハジュワラというのもあるようです(アラブで人気のドリフトレース「ハジュワラ」が危険すぎると話題 Carnnyマガジン)。

こんなの(タイ陸軍が採用するトヨタ車がベースの軍用向け軽偵察・パトロール車両「MUV4」 自衛隊 偵察用オートバイマニアックス|第19偵察隊)もあるようですが、かつてトヨタにはAPA特需(トヨタ自動車75年史があったとか。

>APA特需とは、アメリカと東南アジア諸国とが結んだ相互防衛援助協約(MDAP:Mutual Defense Assistance Pact)に基づき、1956(昭和31)年後半から開始された日本車の大量調達をさす。

トヨタランドクルーザーは米軍特殊部隊にも認められているとか。

米国特殊部隊がトヨタ「ランドクルーザー」「ハイラックス」、フォード「レンジャー」を導入(Autoblog)

買える! カスタマイズする? 日本車の軍用車両5選(サバゲーアーカイブ)を見ると選ばれているのは、三菱パジェロ(2代目)、トヨタ ハイラックス(歴代)、トヨタ ランドクルーザー(主に40系、70系)、スズキ ジムニー(歴代)、トヨタ メガクルーザー。

飛びましたが、川底にくいを打たずに最長60メートルの橋をかけられる陸自の特殊車両とは81式自走架柱橋(自衛隊イベント情報
アトラスウェブ 自衛隊装備図鑑より)のようです。


戦車だけじゃない「自衛隊の車両」まとめ!特殊車両がすごい(MOVY)

オフロードと言えば2輪車(オフロードバイク)も外せないでしょう。自衛隊には偵察用オートバイもあるようです。

自衛隊 偵察用オートバイマニアックス|第19偵察隊
衝撃的なカッコよさ!!自衛隊のバイク部隊。 - LAWRENCE -


自衛隊のオートバイがスゴイ!カッコイイ!!視聴回数 516,285 回(YouTube)

本吉幸則(もとよし・ゆきのり)|第36期・陸上自衛隊(日本国自衛隊データベース)※非公式のようです。

>平成28年4月に発生した熊本地震の際には、遠くこの大和駐屯地から熊本まで、第6戦車大隊の災派(災害派遣部隊)も派遣されたが、この際には救援資材を満載したトラックだけでなく軽装甲機動車、さらに偵察用バイクまで被災地に向かい、長駆熊本を目指した。

>なお、なぜ戦車大隊所属の偵察隊がわざわざバイクで向かうのか、ということだが、これは文字通り、震災で道路が寸断された被災地では、バイクによる状況視察が極めて有効であるからだ。

オフロードに強く有事対応ができ工兵も抱え特殊車両を持つ。それが陸上自衛隊です。災害対応は自衛隊の本来任務ではないものの、いざ大規模災害時にこれだけの能力がある部隊は他にありません。

ただ日本は狭いです。北海道は比較的広いと言えますが、演習地に困るところもあるようです。そういう訳でアメリカワシントン州のヤキマトレーニングセンターで毎年訓練をしているとか(最大射撃距離30kmという各火器の能力を最大限に発揮した射撃訓練を行える為、陸上自衛隊も1994年から毎年9月に、CALFEX(Combined Arms Live Fire Exercise(カルフェックス))と呼ばれる射撃訓練を行っている)。ここではイギリス軍やカナダ軍も訓練するようですね。自衛隊で実弾演習と言えば富士総合火力演習です(かなり人気のイベントのようです)。


自衛隊】平成29年度富士総合火力演習【Self‐Defense Forces】(YouTube)

広い場所で思い出すのは、準同盟国とも言えるオーストラリアです。

豪州における米軍との実動訓練「タリスマン・セーバー17」(陸上自衛隊)
空挺団、米と共同演習 豪でタリスマン・セーバー(産経フォト 2017.7.14 20:29)

オーストラリアにヤキマトレーニングセンターのような広大な訓練場があると面白いのかもしれませんね。将来的には東南アジアやインドの国々の訓練にも使えるかもしれないじゃないですか。アジアは密集していて広大な訓練場不足なところがあると思います。やはり錬度を保つためには訓練は欠かせないはずです。

地球には、ランドクルーザーしか走れない道がある。 モノ・マガジンで熱いランクルトークショー開催(GAZOO 2017.05.23 17:00)

>「ランクルは、日本で生まれ、オーストラリアで育ったと思っています」。
>オーストラリアは、高速で走れるフラットダートから洗濯板のように凹凸が延々と続くコルゲーション、砂漠、岩石路、泥ねい路、渡河などクルマにとって過酷な環境が日常的にあり、アウトバックに入れば走れるクルマも限られる。難波さんはランドクルーザーを自分でドライブしながらオーストラリア各地で、その走破性の高さを身をもって体験し、現地でランドクルーザーのオーナーに会ってその絶対的な信頼性を感じ、走行距離を見て耐久性の高さに驚いた。
>「ある鉱山を取材に行ったことがあります。そこでは、地下1,500m以上深いところで働くランクルがあります。一度地下に入ったらずっと地下で働き続けます。ここはランドクルーザーしかその過酷な使用に耐えられない」。 24時間高温多湿な過酷な環境。その多くが金属で構成されるクルマにとって、最も過酷な環境下のひとつだ。
>「走れなくなるまで働き、その後は使える部品だけ取り出し、ほかのランクルが故障したときに移植され、また走る。これは鉱山の地下だけでなく、アフリカの奥地など世界中で行われています。ランクルは世界中で愛される長い歴史のなかで、同時に世界中にランクルの部品があり、仮に故障しても修理して帰って来られます」。 大きく部品を変えない普遍性が、高い信頼性を生んでいる。

日本にはない果てしなく広い大地、それがオーストラリア。TPP11で経済的結びつきも強まりますし、日米豪戦略対話(外務省)もあります。今後何らかの展開もあるかもしれません。

課題先進国とは?

2018-04-03 19:55:10 | 政策関連メモ
本日本屋で見かけて買ってきた老人の取扱説明書(SB新書 平松類)という本がわりと面白いです。著者は眼科医だそうですが、10年以上にわたり、のべ10万人以上の高齢者と向き合ってきたのだとか。何より海外の最新論文・国内の詳細なデータや文献を読みあさってきたと書いています(6p)。まだパラパラッと見ただけですが、一点だけ興味深いネタについて言及しておきます。

姑が嫁の話だけ聞かないのは、必ずしも嫁が嫌いだからではなく、話が聞こえてないだけの時が多いのだそうです。何でも高音が聞こえなくなるのだとか。検索してみると感音性難聴(補聴器案内)というようです(加齢によらない場合もあります)。完全には治らないようですが、良い補聴器を買って嫁の声でも聞こえるようになれば、安い買い物と言えるのではないでしょうか?

ただ、日本では補聴器は普及していません(補聴器の普及率 補聴器案内)。その原因のひとつに簡単に買えてしまうがゆえに失敗した!となることがあるようです。

>欧米などでは多くの場合、医療機関と国家などが連携して難聴者それぞれにあった補聴器を販売する流れが確立されています。しかし、日本の場合は販売業の届出と営業管理者を置けば販売が可能であり、有資格者の販売制度や補聴器技能者の公的資格化が確立されていません。そのため、インターネットなどで簡単に購入することができてしまいます。その結果、難聴者それぞれに合った補聴器を販売できず、せっかく補聴器を購入しても「合わない」と使わなくなってしまっていることも多いのです。

いい補聴器は海外製が多いようですが(世界の補聴器メーカーの比較と特徴 補聴器専門店プロショップ大塚)、そういうことは抜きにして、聞こえなくなった耳が聞こえるようになることはいいことと考えて、普及を図ってみたらどうですかね。高齢者は比較的資産もあると言われますし、潜在的な需要はかなり大きいのではないかと思います。

無視されたとか、言ったことを忘れているとか、単に聞こえてないだけのことも多いようです。そんなつまらない勘違いで関係を悪くするのはどうでしょうか?

日本は課題先進国とか言われますが、本当にそうなんですかね。まぁ逆に言えばまだまだビジネスチャンスは眠っているのかもしれませんし、世界の国々が日本に学びに来るぐらいやってみたらどうかと思います。

日本郵便と宅配

2018-04-01 17:12:24 | 政策関連メモ
宅配 変わる勢力図(読売新聞3面)を読みました。ゆうパックが伸びているようです。宅配の労働力はかなり逼迫しているとのこと。インターネット通販は急拡大しているようですが、最大手(46.9%)のヤマトは10月以降前年割れしているようです。佐川(30.6%)も値上げしており、値上げした大手2社の宅配が値段据え置きの日本郵便(!5.9%)に流れ込んでいるようです。ヤマトや佐川の負担軽減にはなっているかもしれませんが、資金力があるからと言って、ヤマトや佐川の邪魔をして、伸び続けてはいるものの少子高齢化社会のシェアを奪い、デフレ経済の片棒をかつぐような戦略があるとすれば、筆者は懐疑的です。

物流(宅配)と日本郵便(ゆうパック)を考えると、業界で強いのはヤマトと佐川であって、日本郵便ではありません。既に発達しているヤマトと佐川の物流網を考えると、これを合わせたり潰したりして日本郵便が成り上がるというシナリオは考えにくいところもあります。日本郵便は金融も抱えておりこれまで多大な公的支援があったと指摘する論者もあって、潰す必要もありませんし潰すべきではありませんが、別段経営が優れていたから大会社である訳ではないことに注意する必要があるでしょう。

産経新聞7面日曜経済講座(福島徳)「描けない完全民営化のスキーム」も読みました。郵便事業にも注目しつつ、日本郵便の採るべき戦略を少し考察してみます。参考にするのは、成功したとされるドイツポストです(ドイツポストの16年12月期、純利益71%増 日経新聞 2017/3/8 22:30)。

>国際物流・郵便の世界首位、ドイツポストが8日発表した2016年12月期決算は、純利益が前の期比71%増の26億3900万ユーロ(約3170億円)だった。電子商取引の増加で小包配送が好調を維持し、従来型郵便の落ち込みを補った。燃料費の下落や人件費の抑制も効き、営業利益は45%増の34億9100万ユーロと過去最高を更新した。

前提としてドイツポストが成功したと言っても、結局物流が成功しているだけだと考えられます。ドイツポストでも従来型郵便は落ち込んでいるようですし、アメリカ合衆国郵便公社(ウィキペディア)は国営で合理化の対象です(アメリカで物流を担っているのは主にFedEx(FedEx 日本 | 国際宅配便・海外運送はFedEx(フェデックス))とUPSです)。FedexとUPS、ドイツポストとオランダのTNT(TNT Express発送 | TNT Japan)(フェデックス傘下)が国際物流で強い会社のようです。

インターネットでメールが送れ、携帯・スマホが発達している現在、郵便で儲けようという戦略は竹槍でB29と戦おうとするようなものだと思います(第二次世界大戦で、竹槍でB-29を撃墜しようとしたことについて質問です Yahoo知恵袋)。

>第二次世界大戦で、竹槍でB-29を撃墜しようとしたことについて質問です。
>1、全国各地で竹槍の訓練があったのでしょうか(規模が知りたいです)
>2、実績として何機くらい撃墜したという確かな
>記録はありますか?
>一機くらい落とせたのか気になって夜も眠れません!!!
>回答をよろしくお願いします!!

>1、全国各地で米兵を殺すために、竹槍訓練はありました。
>2、上官が部下に「大和魂があれば竹槍でB29を落とす事ができる」と言った。部下が「竹槍はB29に届きません」と言った所、思い切り殴られたそうです。

かといって、特に過疎地の郵便網を壊してしまう訳にはいきませんし、上手に合理化しながら、ハガキや手紙に過剰な期待しないことだと思います(ヤマトもクロネコメール便は撤退しています)。

結局、宅配を収益の柱にするしかありませんが、そこにはヤマトと佐川という巨大な壁が立ちはだかっています。到底楽観できる状況ではないと言えるでしょう。

ドイツポストの事例でちょっと面白いのはEVに手を出しているところです(国際物流・郵便の世界大手ドイツポスト 配送車両をEVに全面切り替え RIEF)。小包配送車を全てEVに切り替えていく訳ですが、これは今後の可能性があるものの、初期導入コストが高いため、政府の支援が見込めるEVに大口業者として参入するという狙いがあると考えられます。会社のイメージ改善もあるでしょう。また、EVは充電に時間がかかるため、必ずしも長距離移動に向いているとは言えないのですが(電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)って一体どういうクルマなの? カーナリズム)(速度無制限アウトバーン(ウィキペディア)の文化があるドイツのダイムラーは劣勢とされる燃料電池車をそれなりに重視しているようです。ダイムラー、燃料電池車に懸ける思い(時事))、郵便配達は基本低速で近所に配達して回るだけですから、EVと相性が良いとも言えると思います。

グリーン物流はCO2削減で注目されていますが(「グリーン物流」はCO2削減の切り札となるか? EMIRA 2017.9.8)、佐川急便は環境を意識して天然ガス自動車を導入しており(環境 - 天然ガス自動車 SG Holdings Co)、 物流ではありませんがタクシー業界もLPG車を導入しています(LPG車の環境性能 日本LPガス協会)(なぜ今でもタクシーはLPガス車ばかりなのかトヨタの生産終了でやがて無くなる運命 東洋経済 2015年11月05日)。

次に国際物流ですが、日本郵便の行方 ドイツポストの国際物流戦略(月刊ロジスティクス・ビジネス)を参照しましたが、ドイツポストはアメリカ市場に参入するため、ドイツポスト傘下のDHLエクスプレス(DHL | エクスプレス | 日本語)は米第3企業のエアボーンを買収しています。これは高価な買い物で失敗だったとされるのですが、FedexとUPSは高すぎ、ゼロから輸送網を構築するのも高過ぎるがゆえに、米市場に参入するのであれば、仕方がない選択肢だったともされます。TNTのように米市場を見送るという選択肢も考えられますが、体力があるドイツポストはあえてチャレンジしたということですね。

日本郵便の話に戻ると、失敗したとされる豪トールの買収が想起されます(日本郵政が4000億円の減損計上、豪トール買収の何が問題だったのか マイナビニュース 2017/04/26 07:30:00)。トール・ホールディングス(ウィキペディア)を買収しないという選択肢もあったかもしれませんが、時を巻き戻すことはできないのですから、豪トールを建て直しその物流網を活かしつつ、成長の道を探るのが巨大な日本郵便の採るべき道ではないかと考えられます。

先に紹介した「日本郵便の行方 ドイツポストの国際物流戦略」には、「これまで多額の投資をすることでアジア市場のトップの地位を確立してきた。高いサービスレベルが要求されるアジアのマーケットでトップを維持するためには、次々に技術革新が求められる。その成果は欧州や米国にも還元されている。アジアは年率20%の成長を続ける有望市場で、日本を始め中国やインド、韓国を重視している」とミューレンCEOが言ったとあります(要約あり)。国際物流で何処をどう投資するべきか筆者は知りませんけれども、少なくとも後に引けない日本郵便はチャレンジするしかないのではないかと思いますし、チャレンジしているようです(国際物流事業の取組状況について - 郵政民営化 日本郵便)。

まとめます。まず日本郵便は公的な支援も受けてきた巨大企業です。物流に関係する部門は宅配が成長産業ですが、ここにはこれまで力を入れてきていませんでした。力を入れるのは当然ですが、体力を活かした低価格戦略でシェアを奪って成り上がるのは日本のためにならないと考えられます。ヤマトや佐川で問題ないからです。ヤマトや佐川が逼迫していて、日本郵便に人手の余裕があるなら猶予はあると思いますが、戦略的に低価格を維持することは許されないと考えます。資金的な余裕は、技術の発達まで高コストな環境車への先行投資や国際物流網への投資からのノウハウの還元やスケールメリットの追求に費やすべきであって、何時までも赤字を垂れ流さず為すべき合理化は進め(あまりにも赤字で他に手段がある場合は諦める)、最後に最低限のインフラの維持のための公的支援に頼るべきだと考えます。

DIY女子、メイカーズ、DIYバイオ

2018-03-31 10:47:05 | 政策関連メモ
以前ネットカフェで愛媛の地方誌(愛媛には株式会社エス・ピー・シーという会社があります)を読んでいたら、DIY女子なる流行があることを知りました。おっさんで申し訳ありません。

DIYと言いますと、ホームセンター?地方の活性化に使える?と思った訳ですが、感度の高いDIY好きが満足するおしゃれなDIYショップは寧ろ都会に存在しているようです(ショップ・プレイス DIYer(s))。こんなページ(フェリシモ女子DIY部 DIY女子 | TABI LABO)もあるようです。

雑誌で紹介されていたのは、shihoさんという方でインスタグラム(4ho1105)のフォロワーは37400人いるようです。インテリアはお任せ!”@4ho1105″ことshihoのものづくり!というメディアもあって、そういうライフスタイルが可能になる投資がひとつのビジネスチャンスなのかもしれません。ネットで見て自分もやりたいと思っても、それをサポートするショップ等がないと絵に描いた餅ですし、都会に出るかという人が出てくると思います。

DIY(ウィキペディア)

>DIY(ディー・アイ・ワイ)とは、しろうと(専門業者でない人)が、何かを自分で作ったり修繕すること。英語のDo It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)の略語で、「自身でやる」の意。
>DIYとは、お金を払ってひと(業者)にやらせるのではなく、自身で(つまり自分の身体を使って)何かを作ったり、修理したり、装飾したりする活動のことである。
>DIYは、「自分でできることは自分でやろう」という理念のもとに行う諸活動である。
>第二次世界大戦でドイツ軍の激しい空襲を受けたロンドンで、戦後に、破壊された街を自分達の手で復興させる国民運動が1945年にイギリスで始まり、スローガンとして「D.I.Y.」=「Do it yourself」がうまれた。

筆者は少なくとも現状ブログを自分で考えて書いたり調査したりする程度ですが(結局本を読んだりネットを見たりして自分で考えることの延長線上にあります)、自分でできることは自分でやるということはいいことだと思います。週末レジャーや余暇の一つでもあるようです。本来のDIYというかホームセンターで良ければ、地方の方が充実しているとも思いますね(筆者がこの方面にはサッパリだということは内緒にしておいてください)。

DIYアドバイザー資格試験(日本DIY協会)という資格もあるようです。

日本はものづくりを奨励していると思いますが(ものづくり日本大賞 経済産業省)、これからの産業の発展の核となるIT産業の裾野を広げることを考えると(現状人手不足と言われます)、メイカーズという流れに注目していいのかもしれません(【ものづくり特集 第1回】メイカーズとは何か?誕生の理由とその強み(Goodfind Insight)。

東京秋葉原にはDMM.make AKIBA - ハードウェアコワーキングという拠点もあるようです(秋葉原と言えば同人誌の街でもありますが、同人誌づくりと販売なんかもこうした流れに関係あるかもしれません)。

ものづくり白書によると、国内で生産することの優位性の一番目に挙げられるのが「多品種少量生産に対応できること」です(~ものづくり白書から見る課題~ Canon)(2番目が短納期の対応、3番目が取引先にニーズを汲み取り易い、4番目が取引先の開発段階から参画しやすいで、後は少し離れます。3番目なんかは逆に外国ならその土地のニーズを汲み取り易いがゆえに、特殊な技術が発展し、本国にフィードバックする余地があるかもしれないとも思います)。

DIYバイオなるものもあるようです(例えばバイオハッカージャパン参照)。

こんな記事(バイオハッカーが世界を変える? DIYバイオ、バイオエコシステム最新事情(ビジネス+IT SBクリエイティブ))もあって、要注目のようです。

>大量の二酸化炭素をリサイクルして石灰石を作り出したり、農作物の干ばつ耐性を高めたりする環境技術が、スタートアップやバイオハッカー・スペースから生まれていることにも言及した。

DIYバイオ研究室の作り方(MAKE: 2017.04.26)を参照すると、「バイオハッキングをやってみたいと思っても、プロフェッショナルな機材を揃えようとしてたら、何十万ドルもかかってしまう。しかし、ちょっとした工夫と忍耐力があれば、500ドル以下で始めることができる。」とのことですが、誰でも生物をハックする時代がすぐそこまで来ている ~パリのバイオハッカースペース「La Paillasse」(CodeZine)を参照すると、先進各国の各都市にはハッカースペースなるものがあるようです。ハッカースペースでGoogle検索してみると、予測変換で東京・大阪・名古屋と出てきます。これでは、大都市と地方で人材の能力の差がついてしまう可能性もあります。

例えば富山は製薬会社で有名ですが(「薬都とやま」のさらなる飛躍に向けて 富山県 厚生部 くすり政策課)、ハッカースペースに投資して、人材育成に努めるということも考えられると思います。ただ、患者が薬を自作できるようにする「バイオハッキング」を世界に発信する目的とは?(Giazine 2017年11月03日)を参照すると、患者が薬を自作することを寧ろ製薬会社は警戒しているような気はします。

しかしながら富山には富山県バイオ産業振興協会もありますね。バイオの新しいムーブメントに乗り遅れて新技術の開発なんかできるのかなという疑問もあります。

安全性やバイオテロの危険性など課題は山積みだとは思いますが、やらないことには始まらないことも多々あるのではないかと思います。ただ単に守りに入るだけでは、衰退は確実ではないでしょうか?国を維持をするためにはチャレンジが必要、そんな気がします。

松山市の地価の動向とQOL、空き家問題

2018-03-30 17:53:17 | 政策関連メモ
松山市の土地価格・公示地価・坪単価(土地代データ)

松山市のエリア地価ランキングを見ると、地価下落の厳しい現状が伺えますが、地価が上昇している地域も存在します。道後・市坪・余戸・鎌田です。

道後は観光で投資があるからだと思いますが、市坪・余戸・鎌田が上昇しているのは、どう考えても松山中央公園が理由だということになるでしょう。

坊ちゃんスタジアム・マドンナスタジアムではアマチュア野球、アクアパレットまつやまでは水泳、テニスコート・運動広場・屋内運動場・多目的競技場・愛媛県武道館があって、各種スポーツが楽しめますし、坊ちゃんスタジアムでは野球観戦も楽しめます(坊っちゃんスタジアムのアクセス・試合日程 球歴.com)。4月にはプロ野球公式戦、東京ヤクルトスワローズVS阪神タイガースがあるようですね。

サイクルパーク(松山市)があって、重信川自転車道水と緑の癒しのみちコースの起点でもあるようです。サイクルパークは松山市中央公園多目的競技場(松山競輪場)に隣接してあるようですが、フードコートもあるようですね。BMXも楽しめます(BMXゾーン休日優先利用時間表)。

QOLに注目して再開発があれば、他の地区でも同様に地価が上昇する可能性はあると思います。とてつもない大量移民でもない限り(安倍首相は否定しています)、地方のこうした状況が反転し、地価が全体的に上昇するなどということは、まず考え難いところです。ならばどうするかと言えば、地道に適切な投資を行い、活性化するところは活性化させる、畳むところは畳むということになるのではないでしょうか?

再開発するのであれば、土地が必要になります。そしてそれには空き家問題の解決が必要になってくるのではないでしょうか。既に安倍政権は空き家対策特別措置法を成立させています(空き家対策特別措置法 法律制定で、空き家は放置できなくなった!(空き家手帳))。しかし空き家問題の解決は容易ではないようです(空き家ビジネスは急成長?簡単にはいかない「見えない」ハードル 2017.07.20)。

>最後に挙げられるのが、「固定資産税」です。日本では、土地に家屋が立っている場合、それが空き家だとしても、住宅用地特例が適用され、固定資産税額は「更地」の1/6になっています。しかし、解体してしまうと、特例が適用されなくなり、課税額が最大6倍に上がってしまうケースもあります。このような現状で「解体をしよう!」と考える人は少ないでしょう。

この抜本的解決は住民票がない、会社の登記がない、あるいは賃貸などに利用していない、避暑地の別荘など特定の目的での利用実態が公で確認できない住居は固定資産税をバンと取ってしまうことだと思います。これで何となく放置されている空き家は貸し出しが模索されたり、解体されて更地として売りに出されたりして、経済が活性化していくのではないかと思います。

土地を寝かしておくだけではデフレ経済の復活まったなしです。金は天下の回り物(故事ことわざ辞典)ですから、地方でもどんどんアイディアを出してお金や土地を動かしていく必要があると思います。大都市は確かに強いですが、地方が活性化しないと日本も本当には活性化しません。

物流業界を考える(需要予測)

2018-03-30 16:13:02 | 政策関連メモ
物流業界を考えていきます。参考図書は「よくわかるこれからの物流」(同文館出版)。section8の「必要なものを、必要なときに、必要だけ」を元に考察します。

>必要なものを、必要なときに、必要だけ調達できたならば、在庫をもつことによる費用発生も不良在庫を抱えるリスクも回避できるわけです。

これはいわゆるトヨタのジャストインタイム(トヨタ)ですね。カンバン方式ともいい、スーパーマーケットの考えを応用したようです。コンビニでもこの方式は採用されたと指摘されていますが、検索してみたところ、特に成果を出しているのはセブンイレブンであるようです(コンビニ国内シェア4割の勢い――「欠品は悪」セブンの強み(真相深層)(日経メッセ))。

コンビニという似たりよったりにも思える業態でセブンイレブンは日販(売上高)で、他社に圧倒的な差をつけています(セブンとファミマの簡単には詰まらない差 経営分析の一歩は誰でも割り算で踏み出せる 東洋経済オンライン 2016年11月26日)。その理由のひとつが「欠品は悪」という考え方と「品切れがない店」の実現だと思います。

売れ線ほど品切れリスクがありますし、お客様がほしい品物が行けばある店の実現がお客様の来店に繋がり売上高につながるというような考え方は、筆者の経験からも納得がいくところです(コンビニで働いた経験はありませんが)。勿論品キレを出さないようにするためには、それ特有のリスクはありますが、それ込みでセブンイレブンは結果を出しているということでしょう。

ただし、コンビニという業態は曲がり角を迎えたとも指摘されていますので、念のため(コンビニ大手、成長曲がり角、人手不足が影、省人化費用などふくらむ。 日経メッセ(2017年7月16日 / 日経ヴェリタス))。JPモルガンの村田氏は、収益改善策として「店舗の生産性向上に伴う採算改善」や、総菜・生鮮食品強化やネット通販・金融分野など「新たな需要開拓による利益創出」を掲げており、新しい成長事業の育成が求められる段階に入ったと指摘されているようです。

「在庫を極力持たない日本企業」は幻想 ジャストインタイムを実現できていないメーカーの内実(日経ビジネス 2011年5月26日)

トヨタのジャストインタイムで在庫を極力持たない日本企業のイメージがあるようですが、幻想だとも指摘されています。それは需要予測が難しいことと、リードタイムの長さが問題であるようです。逆に言えば、そこら辺が解決できれば、まだまだ伸びる余地があるということですね。

つまり、物流リードタイムの短縮が企業の利益向上に直結すると思われます。例えば、物流リードタイムを短縮したい(SBSロジコム)によると、各エリアに乱立した中・小規模の物流拠点を廃止し東西2ヵ所の大型物流センターから直接、取引先に納品する体制に移行するといった物流改革を通じてリードタイム短縮を目指すケースが増えていのだそうです。

今後の取組について 平成29年6月15日(国土交通省港湾局)やスーパー中枢港湾の狙いと施策 (国土交通省)や国際競争力強化のための国際物流施策の推進(国土交通省)なんかを見ると、安倍政権は経済政策をシッカリ行っているようですね。

需要予測に関して言えば、ビッグデータの活用で、精度が上がってくるのではないかと考えられます。そういう意味で顧客のデータを持っているamazonはやはり強いと思いますね。

需要予測におけるビッグデータ活用(三菱総合研究所)を参照すると、位置情報が重要だとか(検索してみましたが、アップルウォッチなんかも位置情報サービスがあるようですね)、SNSログの活用(ツイッターのデータを抽出するサービスがあるようです)に向けた動きがあるとか、そんな感じのようです。

次いで全体最適のマネジメント理論の第一人者と言われる岸良裕司氏のAI任せの需要予測の落とし穴(日経メッセ)という記事が検索で出てきていますので、これを確認してみます(非常に読みごたえがありますので、気になる人はご自身でお読みください)。

変数どうしが影響しあう時、予測は困難だというカオス理論により、ミサイル迎撃は困難だったのですが、刻々と変わるミサイル軌道にあわせて微調整をかける技術が、ミサイル迎撃を可能にしたようです。これが小売りの需要予測に応用できるそうです。

また、9%の欠品の解消で売り上げが5割アップしたという事例もあるようです。売れ筋でこそ欠品が起こるからですね。

氏によるとアパレル業界なんかもリードタイム縮小ができるようです。検索すると、ユニクロはリードタイムの縮小をしていますね(Fリテイリ柳井氏:リードタイムを大幅短縮、首位ZARA並みに(ブルームバーグ 2017年3月16日 13:30)。

こうした全体最適のマネジメント理論(TOC)はイノベーション先進国のイスラエルで生まれたようです。

需要予測編 第1回 『当たらない需要予測は意味がない? 』(mcframe)は、無くせない外れはあるが、それは外れを前提とした業務設計をし、無くせる外れを無くしていくことが重要だと指摘しています。

最後に需要予測に絡めて予測出荷に言及しておきます(予測出荷とは(Weblio辞書 IT用語辞典))。これはamazonの特許で、消費者から注文があることを事前に予測し、注文・購入手続きが行われる前に出荷を進めるという方式のようです(Amazon、「予測出荷」の特許を取得 ― 注文される前に商品を出荷(TC 2014年1月20日))。

・・・何とも言えませんが、外れたらどうするんだろうとは思いますね。気まぐれな人もいますし、カオス理論もあります。日用品なら他で売れるかもしれませんが、ロングテールのマイナー商品なら、丸々無駄になります。見せ球かなとは思いますが、何が成功するかは当のamazonでも完全には分からないでしょうし、いろいろな試行錯誤を積み重ねてイノベーションは生まれるものだと思います。

岩屑なだれ(富士山と防災)

2018-03-28 21:41:16 | 政策関連メモ
富士山の山体崩壊(東京新聞2012年10月31日コラム「談論誘発」)

>このように山体崩壊は広域的かつ深刻な現象であるが、現行の富士山のハザードマップでは想定されていないため、それに対する避難計画も存在しない。「想定外」となった主な理由は、約5000年に1回という発生頻度の小ささである。

>しかし、たとえ発生頻度が小さくても、起きた時の被害が甚大である現象に対して全く無防備だとどうなるかを、昨年私たちは嫌と言うほど見せつけられた。東日本大震災と福島原発災害である。しかも、最近の研究によって、宝永噴火の際にも地下のマグマの「突き上げ」による宝永山の隆起が起き、山体崩壊の一歩手前まで行ったことが明らかになった。

>幸いにして、こうした明瞭な前兆をともなう山体崩壊は、山の変形を監視することによる予知が可能である。しかし、山体崩壊を想定したハザードマップと避難計画がない現状では、40万人もの人間をすみやかに遠方に避難させることは困難である。山体崩壊による甚大な被害が予想される静岡・山梨・神奈川の3県は、それを考慮した避難対策を早急に作成すべきである。


静岡大学小山研究室

富士山の裾野には大勢の人が住んでますしね。可能性が低くともやはり心配なところがあります。想定し研究することは大切ではないかと思います。

自然は改変できますけど、自然にあわせるようなところも必要ではないでしょうか?

火山砂防・火山防災(国土交通省)

火山砂防もあるようですが、富士山が入っていないのは、①発生頻度の低さ②規模の大きさから来る対策の困難性が考えられます。ただ、①に関しては、確率が低い事象も日本の何処かでは起こりますから、特に被害が大きそうなところでは十分検討する必要があると思います。

阪神大震災の時に動いたと言われる野島断層(ウィキペディア)も前回の活動時期は約2000年前と推定されます。数1000年クラスの災害も日本の何処かでと考えるとわりとある訳で、何も考えない何も対策しないという訳にはいかないはずです。

昔はさしたる知見・技術がありませんでしたが、今は知見も深まり技術も向上しています。何も想定していなかったら、今後知見も技術も上がる見込みもありません。

富士山噴火に備え緊急対策、国交省が策定

>国土交通省は3月13日、富士山の噴火で生じる土砂災害に備えて、仮設の堰堤(えんてい)を設置することなどを盛り込んだ緊急減災対策を定めた。着手するのは噴火の前兆が表れた時だが、平常時から行うべき準備事項も列挙している。

規模が大きそうだからこそ、仮設で大丈夫かなとは思いますね。富士山は世界遺産ですが、自然遺産ではないので、手を加えても別に構わないのではないかと思うのですが、どうなんでしょうね。文化遺産というなら手を加えるのも文化で、景観を損ねないように工夫すればいいと思うのですが。仮設で対処できるなら仮設でいいと思いますが、常設+仮設も有り得るんじゃないでしょうか。地盤改良(ウィキペディア)の技術を応用できないかとか、不恰好かもしれませんが、穴を掘ったり壁を建てたりして誘導できないかとか考えてしまいますね。

「富士山 岩屑なだれ」で検索して出てきたページ(2番目)

4.実績図(富士山火山防災協議会 内閣府)

岩屑なだれは止められるのか心配してしまいますが、雪泥流(ウィキペディア)は対策ができそうなんですよね。16世紀以降、明治以前の実績の流れを見るとどうも、川を雪泥流を流れることがあるようです。昭和以降は山麓を流れただけのようですが、対策をしているという南西部以外が心配です。

新しい雪氷災害「雪泥流」とその予測(新潟大学 小林俊一*)

富士山には川が無い!(かなた富士山研究所 オフィシャルブログ)

富士山には川がないと言いますけど、山麓から地下水が湧出して川が出来ているんですよね。川まで雪泥流が辿りつくと一気に下流まで行く恐れがある訳で、その対策が考えられているのかなと心配します。



「富士山 岩屑なだれ」で検索して出てきたページ(4番目)

「火山」としての富士山(大石雅之のホームページ)

>なぜ300年間も噴火しないのか

巻頭言:特集「トレンチ調査による富士火山の噴火史の高精度化」(地質調査研究報告)

「富士火山は,実は,噴火活動に盛衰の波がある火山である」ということで、今は静謐期なんですね。少し安心しました。

>なぜ2200年前以降、山頂噴火をしないのか
>2400年前の大事件―御殿場岩屑なだれで富士山はどのように崩壊・修復したか。

第6回 富士山の誕生と噴火の歴史をひもとく(NHK備える防災)

6万年前の箱根山の大噴火による火砕流は東京近くまで辿りついたのだとか。まぁウン万年に一度の災害の想定をしたくないというのも分かりますね。気になるのは2900年前の御殿場の山体崩壊です。これは富士川河口断層帯での地震が原因なのだとか。そう考えると火山が山体の変化で大きな噴火が予測できるとしても、地震による山体崩壊は予測困難ということになると思います。大体が火山は崩れ易いそうですが、地震と火山の連動を憶測する言説はよく見かけますが、地震と火山の山体崩壊の関連性を指摘した言説は寡聞にして見たことはありませんでした。富士山以外も要チェックかもしれません。

富士山の修復は小規模な噴火の繰り返しによって行われたようです。

宝永噴火は南海トラフ地震が引き金になって起こったようです。静謐期と言われる富士山で突然の噴火があるとしたら、南海トラフ地震が関連する可能性もありますが、大地震と噴火の関連性は必ずしも明確ではないようです(巨大地震は火山噴火のトリガー(引き金)か? —研究者らの議論より— サイエンスポータル)。南海トラフ、過去に100~150年の周期で発生(産経新聞 2016.4.2 04:30)だということですから、80年生きる現代では、一生に一回起こってもおかしくはないと言えるので、かなり現実的な危険だと思います。それに連動する可能性があるなら、やはり問題ですね。マグマだまりの位置や形状が分かれば、地震がどう刺激するかあるいは関係ないのか分かってくるとは思いますが、仕組みが分からないと予測は難しいと思います(データの蓄積での予測も有効と思いますが、地形が変わって次の動きが変わる可能性があるので、やはり地下の構造が分かることが重要な気がします)。

首都圏も大量降灰か、富士山噴火対策初検討 避難の目安となる噴火規模や降灰予測を議論(読売新聞 2018年03月26日 東洋経済オンライン)

>大沢崩れは将来山頂を真っ二つにする?

富士山の基礎知識 大沢崩れはなぜそこにあるのか?vol.1(国土交通省中部地方整備局)

大沢崩れは続くようですね。基本的には崩れたところは噴火で埋めるようですが、それが無さそうだということです。ただ、地震や雪泥流(北部や東部でも実績があります)との関連性はより考えられていいのかもしれません。崩れ易いところは大きな刺激で簡単に崩れることは道理です。対策は取れると思いますが、規模が大きいものが何処まで対策できるかが心配です。

>足柄峠はなぜ使われなくなった?

歴史時代の3大噴火であるところの宝永噴火で足柄峠に降砂があったのでそれが関係しているかもしれません。距離的に足柄峠よりは箱根峠の方が降砂の影響が少ないと考えられます。

防災講演録(4)富士山宝永大爆発ー災害と復興の社会史ー(消防防災博物館 永原 慶二(一橋大学名誉教授・和光大学名誉教授))

>足柄地方の民衆は藩の無力ぶりをすぐ見すかして見切りをつけ、幕府に直接願い出ようとします。江戸に集団で願い出れば一揆強訴と見なされ藩は取り潰されてしまいますから、藩側は危機意識を強めて、訴願集団を何としても小田原藩内から出さないことだけに一所懸命になっていました。それでも足柄の地元百カ村以上の村々の住民は各地で集会を開き、その規模は5000人を超え、小田原藩役人の制止を聞かず、集団で江戸に訴願に行くことになりました。これを聞いた藩主は次々に使を出し、それを途中で止めようとしましたが、品川まで来たところで江戸藩邸からの使者がその場しのぎの二枚舌でやっとこれを食い止めるといった状況でした。

民衆を怒らせると藩などの言うことは聞かないのかもしれません。無力な権力は罪とも言えます。

富士山の大規模噴火と山体崩壊(宮地直道 日本大学文理学部 日本火山学界)
過去1万1000年間の富士火山の噴火史と噴出率,噴火規模の推移(宮地直道 山梨県富士山科学研究所)

古富士の変質帯が山体崩壊のすべり面となる可能性が高く、変質帯の分布を確認することが大切だということです。産総研の約50年ぶりに富士山の地質図を全面改定で調査されたかは分かりません。

「富士山 岩屑なだれ」で検索して出てきたページ(5番目)

富士山 山体崩壊の危機 ドローンで追う大沢崩れ(WEDGE 2015年10月14日)


Mount St. Helens Erupting(YouTube)

これは衝撃的ですね。

>昔から富士山の土石流は麓の人々の生活を脅かし被害を与えてきた。最近では1972年(昭和47年)と1979年(昭和54年)に大きな土石流が発生し、潤井川を始め数多くの川に被害が出た。このような災害を未然に防ぐために、大沢崩れの土石流を砂防ダムによって食い止める工事が国土交通省富士山砂防事業として継続されており、現在は土石流による下流域の被害はほとんどなくなったとのことである。

砂防ダムは無駄の象徴みたいに言われてましたが、必ずしもそうではないのではないかと思います。無駄無駄言われて必要な砂防事業が行われないことがあるとしたら問題ですね。景観に調和した砂防ダムも有り得ます(景観に配慮した砂防施設の紹介(今久保谷堰堤による地域振興支援 国土交通省四国地方整備局 内山俊浩)。

火山体崩壊 - 防災基礎講座 災害事例編 - 防災科学技術研究所

もっとも大型の成層火山であるがゆえにもっとも山体崩壊に注意すべきなのが富士山なのかもしれません。

火山土地条件図「富士山」について(国土交通省国土地理院)

>2000年11月21日に大沢崩れ下部で発生した大規模な土石流では、28万m3(ダンプカー5万6千台分)もの土砂が流出しましたが、大沢扇状地上に設置された砂防施設により下流への影響はありませんでした。


富士山の山体崩壊がつくった流れ山地形 Hummocky hills made by the Gotemba debris avalanche at Fuji Volcano(YouTube)

山体崩壊後も時が経てばこんな美しい土地になるんですね。美しくとも恐ろしいのが自然ということでしょうか。





久万高原×スキー

2018-03-27 20:13:36 | 政策関連メモ
前に少し言及した「「自動運転」が拓く巨大市場」(井熊均 日刊工業新聞)で、都心回帰でと携帯の伸張でマイカーを所有する郊外の生活の魅力が減じ、自動車は実用志向になってくる中、BMWは単に自動車としての性能を誇るだけでなく、価値観やライフスタイルを問いかけた結果、高価格帯で販売台数を伸ばした。自動車のある魅力ある生活をアピールするべきとあるのを読んで(要因4:相対的な魅力の低下)、あぁなるほどと思っていたのですが、東京一極集中の流れに逆らうためには、田舎に住んだ方が楽しいぞ、いいぞとアピールすることがひとつの方策だと思うんですよね(仕事のあるなしはありますがそれはさておき)。

それはやっぱり東京に比べたら過密でないということに尽きているんだろうと思います。東京でも郊外は土地はそれなりにあると思いますが、通勤・通学がきつくなりますし、都心に住んだら必然的に広々した土地は望めません(インドア派にとっては何でもないのですが)。ですから、やはりスポーツでありレジャーかなという気はしますね。

クオリティ・オブ・ライフ(ウィキペディア)

>クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life、QOL)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。QOLの「幸福」とは、身心の健康、良好な人間関係、やりがいのある仕事、快適な住環境、十分な教育、レクリエーション活動、レジャーなど様々な観点から計られる。

QOLなら大都会に勝っている(趣味はひとそれぞれですが)、そんな街づくりを愛媛では目指すべきではないかと思います(筆者がインドア派なのは目を瞑ってください)。

で、そういった趣旨で記事をこれから書いていこうと思っているのですが(ま~た溜まっているネタを脇において新しいのを始めたとか、そういうことは言わないでほしいと思います)、手始めに久万高原×スキーはどうだろうかと考えました。

スキーは衰退しているとも言いますが、検索したら復活の鍵を考えているページがヒットしてなるほどと思いました(スキーはもうオワコンなの?衰退の原因と復活へのカギを考えてみた 2016-02-15 あいむあらいぶ)。

①衰退の原因はスキーがお金がかかることで、仕送りが減っている(少子高齢化の影響でしょうか?)から、スキー人口が減ったと推測し、リフトや交通費を無料化した事例が紹介されています。その他いろいろプロが考えた施策が紹介されていますが、それはリンク先を見てもらうとして、先に進みます。

②インバウンド狙い。久万高原なら、冬の(道後)温泉とスキーでしょうか。この連携は国内旅行でもいけるかも。雪の降らないアジア客狙いで、わざわざスキーで四国というのがやや苦しいですが、あってもいいのかなと思いますね。松山城もありますし、城はまずまず人気みたいです(例えば、インバウンド人気観光地ランキング19位「松本城」の人気の理由・インバウンド対策とは 訪日ラボ)。雪の降らない南国の方にプラススキーはあると思いますが、スキーはある程度上手くなってからのところがあるかもしれませんが、雪遊びができると面白いかもしれません(雪上走って爽快感!タイからのツアー客、お目当ての雪遊び満喫 河北新報 2018年02月13日火曜日)。ちょっと趣旨から外れましたが、冬に久万高原に来てもらえるなら、何でもいいところはあると思います。やはりレジャーですから、如何に楽しんでもらうかでしょう。

課題はアクセスですね(松山―台北 チャーター便 エバー航空が11月 県、定期化に期待 日経新聞 2017/9/22 6:00)(日本でのスキー・スノボは訪日台湾人観光客にも人気 訪日ラボ 2016年04月15日)。スキー行くなら北海道に行くんでしょうから、これは中々難しいところです(近いとか、混雑してないとか???)。

③フリースタイルスキー。人気らしいです(近年爆発的な人気「フリーライドスキー」入門 - NAVER まとめ)。

フリースタイルスキー(ウィキペディア)

>フリースタイルスキー(英: Freestyle Skiing)は、スキーで滑走しながらエア等の曲芸を行ったりするスポーツである。
>モーグルやエアリアルを始めとした競技としての側面と、フリースキーやフリーライドあるいはニュースクールと呼ばれるようなエクストリームスポーツとしての側面を持つ。

エクスストリームスポーツはFISE広島大会(フランスと広島1)で取り上げました。

フリースタイルスキーヤー、フリースキーヤーのポータルサイト Re-Ski


'13-'14 フリースタイルスキー パークセレクション ~Freeskiing Park selection~

・・・現状で久万高原でこういうことをやれるかどうかは知りません。既存のお客さんは?となるかもしれませんしね。まぁでもスノボに次ぐ波らしいので。

>まとめ)欧米やオーストラリアなどでは、スキーリゾートは基本的に日常空間からは遠いところにあり、長期滞在を前提としてお金をかけてゆっくり楽しむスポーツでした。例えば、アメリカ人は1回あたり平均7日間滞在するそうです。これに対して、日本は国土が狭く、思い立てば車で2時間、3時間の近場のところに、日帰りでスキーを行ってきて楽しめる環境にあります。バブルの時のような熱狂はもう起こらないだろうけど、気軽に行って、気軽に帰って来れる。

働き方改革で日本人の余暇が増えたら、あるいは長期滞在でスキーリゾートも有り得るかもしれませんが、北海道に行くのかな、どうだか知りませんが。

以下、自分で幾つかアイディアを考えてみます。

まず、アクセスは昔に比べれば良くなっていると思います(松山河川国道事務所/道について/R33 三坂道路)。

久万高原観光のおもてなしポータルサイトくまこいネットによれば、冬のお勧めはこんな感じ(http://www.kumakoi.net/uploads/photos0/15.pdf)。

今時の子はスマホが手放せないので、スマホの雪山対策をサポートすることで、若者がスキーをし易くなるかも(雪山でスマホを使う場合の傾向と対策 ヤマレコ)(スキーにスマホを持っていく時の注意点 スキー場では防水&結露対策も コウキシン)。

スキーは生涯スポーツですが(統計データから見るスキー・スノーボードの参加人口 リサーチセンター)、「愛媛 生涯スポーツ」で検索して出てくるのは、[ECO-SPO] えひめ広域スポーツセンター愛媛大学総合型地域スポーツクラブですね。こんなのも(愛媛県生涯学習推進計画(第四次))。

さて最後に筆者が若者にスキーを普及させる上でちょっと面白いと思うのは、スキー部です。愛媛大学や松山大学にはあるようですが、高校や中学にスキー部があってもいいのかなと。首都圏にはあるらしいですが、私立が多いので、特に中学は厳しいかもしれません。

部活に「スキー部」のある高校(スタディ高校受験)
部活に「スキー部」のある中学(中学受験スタディ)

お金がかかる部活動ですが、中学校の「部活費用」は公立でも意外とかかる件 小学校時代の習い事を辞めてその月謝分を塾代に…と思っているとあてがはずれます(マネーの達人 野原 あき 2017/09/11)を参照すると、スキー部がお金がかかるは間違いないでしょうが、シーズン以外は遠征もないということを考えると、思ったよりは差がないのかもしれません。首都圏と違って近所にスキー場がある場合は尚更です。

久万スキーランド※今シーズンは終了しています。

モーグルコース(フリースタイルスキー)もありますし、雪マジ19というスキーを覚えた小中学生に19歳で戻ってきてもらう意図のキャンペーンのバナーもあります。筆者などに言われずとも、あらゆる対策は検討しているのかもしれませんね。

北朝鮮に圧力をかけてもらうための中国に対する協力

2018-03-26 17:19:58 | 政策関連メモ
北朝鮮に圧力をかけてもらうために中国とどう協力するか考えてみました。

とりあえず中国東北地方開発への協力、極東における中露関係の強化に協力はどうかなと考えています。


『日本満州見学地理』 奈良県立図書情報館

検索してもあまりいい地図が無かったので、旧満州地図(地形がよく分かります)。他意はありません。

北朝鮮経済を支えているのは明らかに中国です(北朝鮮の昨年貿易額 中国が9割超占める 朝鮮日報 2017/04/06 11:54)。中国は制裁に意外に協力的とも言われ、中国のやる気次第で北朝鮮に異次元の圧力をかけていける可能性があります。長い国境線ですが、密輸は取り締まることもできますし(脱北と区別がつかないので、北朝鮮が黙認することもないでしょう)、鴨緑江があって橋がかかってますから、正式の貿易は中国のやる気次第で止めることもできる訳です。


国境の鴨緑江に架かる「中朝友誼橋」は友好のシンボル Thomas Peter-REUTERS

北朝鮮との交易は中国の利益にもなっていますから、これを止めてもらうには中国に何がしかの利益を与える必要があります。ただし、これが東シナ海や南シナ海、歴史問題など既存の対立点における譲歩であってはならない訳ですし、望ましいのは東北3省の利益でもある譲歩である訳です。東北3省がただ損するような取引では、習近平氏の国内統治が難しくなってしまいますから、中々代償が大きくなってしまうとも考えられます。

第82話 なぜ中国東北地域の経済が一番悪いか?(日本経営合理化協会)

東北3省はあまり景気が良くないようです。日本が支援したら、建て直すことは可能ではないかと思いますね。その辺を春頃の日中韓首脳会談で話し合っても良いし、直接日中で話し合っても良い訳です。

瀋陽軍区と江沢民の「上海閥」は関係が深いと言われ、習近平氏と対立しているとも言われます(本当のところは分かりませんが、江沢民政権の終焉と東北3省の苦境は関係ある可能性もあります)。どう協力するかは難しいところもあるかもしれません。下手を打つと強くなり過ぎた中国に日本がやられる可能性もある訳で、難しい舵取りが迫られると思います。

東北3省が発展が遅れ気味のひとつの理由に北朝鮮との関係が上手くいかないこともあるでしょう。中国も言うこと聞かない北朝鮮に不快感があると思いますが、東の交易を断つなら、代替策が欲しい所です。第一には東北3省自身が発展して、例えば大連から輸出することだと思いますが、もうひとつは極東ロシアとの結びつきを強めて、北朝鮮の代わりにしていくことです。黒龍江省あたりはウラジオストクをドンドン使ってもいいと思いますし、「サハリン」の資源は中国に売ってもいいと思う訳です。北朝鮮に売られるよりはよほどマシなはずです。

中国は大き過ぎますから、ロシアは警戒する可能性もあります。が、安倍首相のプーチンコネクションが上手く働けば何とかなる可能性もあります。例えば中国の物資がウラジオストクに集まる形だったら、ロシアとしても文句ないかもしれませんし、中国としては言うことを聞かない北朝鮮なんかより、ロシアと関係強化した方がよほどましだと考えられます。シベリア鉄道を活発化させることも考えられますし、とにかく、ロシアとしては人口膨大な中国に荒らされる事態を避けられれば、結構上手くいく可能性もあります。

欧州とロシアは対立していますが、極東を活発化させるぐらいは関係悪化に繋がらないと思いますし、ロシアと対立しがちなアメリカも北朝鮮の核放棄のためなら、OKなのではないかと考えます。

ロシアはサッカーW杯を控えてイギリスと揉めているようですし、その辺を上手くとりなすことも考えられます。

ちなみにというか、ウラジオストクの語源は「東の領地」だそうです。筆者は「東方を支配せよ」と記憶していましたけどね(そういう説もあるようです。「ウラジオストク」はどういう意味か知りたい。 レファレンス協同データベース)。沿海地方水族館が凄いらしいですね。


中央広場(正式名称:革命戦士広場)ウラジオ.com

中国(東北3省)の話に戻りますが、安倍首相の母方の祖父岸信介元首相は満州国で官僚をやっていたんですよね。岸元首相は安保改訂で知られます(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 ウィキペディア)。日米同盟の基礎をつくった人と言っていいでしょう。


首相官邸ホームページ

今の日本が満州に野心があるはずもありませんが、何かと因縁深い場所です。

具体的なプランですが、「岐路に立つ中国とロシア」(中津孝司編著 創成社)を参照しました。

Chapter11が「中国の農業政策と食糧自給」となっていますが、中国の食料自給率問題はあるようです(中国が抱えるもう1つの時限爆弾「食糧問題」 日経ビジネス 2014年1月15日)。何でも90%を切って、習近平氏も危機感を持っているのだとか。

これを自給率向上で対処することは困難であるようです。何故なら中国は水問題・砂漠化の問題も抱えているからです。農業には水が必要ですし、農地を増やすために森林を切り開けば砂漠化します。全てを解決することは不可能で、中国は食料を輸入しなければなりませんし、実際にそうしています。

中国の水不足が深刻に、沿海都市の9割で―中国紙(Record china 2017年6月30日(金) 5時20分)

深刻化する中国の砂漠化、黄砂や大気汚染にも影響(Record china 2017年5月9日(火) 16時0分)

>無秩序で杜撰(ずさん)な開発建設。砂漠区の開墾(かいこん)、放牧、水資源等の過度な開発問題が吹き出している。5年間の砂漠区耕地と砂漠化耕地面積は共に3.60%と8.76%増加している。2014年の放牧区の平均畜産超過は20.6%に達している。内陸湖沼面積は萎縮し、河川の「断流」現象が発生し、地下水位は年々降下している。新疆タリム河農業用水は97%、内蒙古では幾つかの湖沼が近30年で30%も減少している、科爾沁砂漠農区地下水は10年間で2.07メートルも下がっている。これらは全て砂漠区生態建設と植林保護の大きな脅威となっている。

検索して出てくる情報は古いものが多く砂漠化は止ったという情報すら出てきたのですが、そうでもないようです。古い情報ですが、砂漠化・緑化の基礎知識 - 地球緑化クラブを見ると、原因は過度の伐採(原因の32.4%)、過放牧(29.4%)、過度の農耕(23.3%)が大きいようです。伐採は農地にする目的もあるかもしれませんが、木材の利用、製紙、薪が考えられるでしょう。黒竜江省での過放牧の証拠は以下の通り(2002年の情報ですが)。

中国黒竜江省における放牧圧の異なる草原植生の種多様性(日本草地学会誌 J-STAGE)

中国の情報は良く分からないところはありますが、抜本的に改善したということは無いような気はします。

いずれにせよ、中国の賃金は上昇し続けています(中国主要都市の最低賃金推移 - 三菱東京UFJ銀行)から、水不足や砂漠化を進行させる地方の農業や牧畜業は抑えて、都市への人の移動を促した方が良いのではないかと思えます。

食料自給率が減少した分は輸入で補えばいいはずです。有望な輸入先のひとつがアメリカ、そしてロシアです。

ロシアは世界最大の穀物輸出国になりつつある(Sputnik 2016年02月13日 06:55)

>ロシアは2016年世界最大の穀物輸出国になるかもしれない。ウォールストリートジャーナル誌が米農業省の予測レポートを引用して報じた。

極東ロシアは気候はそれなりに温暖でカナダに近い感じのようです(北海道は亜寒帯 気候区分ではシベリア、アラスカ、カナダと同じ ハンター日記)。ですから、開発すれば可能性があるかもしれません。まぁロシアの自然は失われる訳ですが、中国の環境悪化が避けられます。

【ロシア経済の未来】極東開発と農業生産の可能性(Money Glip 2017-08-09)

>旧ソ連時代の穀物保管・港湾設備の老朽化が進み、ロシア東部の農業生産効率がかなり落ちているので、ここに適切な資本・技術提供があれば農業生産は劇的に改善するとも言われている。
>ロシア極東の沿海州やアムール州では、中国・韓国が旧ソ連時代の耕作放棄地を狙った「ランドラッシュ」という農地入手行動が展開され、すでにかなりの地域でこの二か国の入植が進んでいるという報告もある。
>日本の極東開発やシベリア開発への援助の具体化はまだかなり先の話だが、これらが進展すれば中長期的にはロシアの農業生産の可能性は世界的にも大きなインパクトがあり、この要素も今後のロシア経済を考える上で無視できないものではないだろうか。

新たな農業市場 極東ロシア(AGRI IN ASIA 2016年10月25日)
極東で相次ぐ農業・食品生産プロジェクト(JETRO)
ロシア極東等農林水産業プラットフォーム(農林水産省)

極東ロシアで農業支援ができるなら、中国でもできるとは思いますがね。勿論、自給率を拡大するためではなく、効率改善して寧ろ農業や牧畜を止めるためです。

極東ロシアの森林保全|WWFジャパン
ロシアの森林資源の動態と森林管理・政策の動向 ロシアの森林資源の動態と森林管理・政策の動向―ハバロフスク地方を中心として(柿澤 宏昭(北海道大学大学院農学研究科))

確実に新しい情報が見つかりませんが、中国の需要を考えたら、森林伐採は進んでいるのではないかと考えます。研究(西シベリアのタイガにおける二酸化炭素フラックスの推定 地球環境研究センターニュース 2013年10月号)もあるようですが、良く分かりません。

日本にはチャレンジングな林業家もいるようですし(「もうからない林業」でしたたかに稼ぐ人たち 日経ビジネス 2017年3月7日(火))、タイガや中国の森林を守る人がいてもいいような気もしますね。

中国の環境が悪いというのもステレオタイプですが、やはり悪いんじゃなかろうかと。

北京の大気汚染:リアルタイム大気質指標(AQI)

あまり本当のことを言うと入れてもらえなくなるから、知ってる人も喋れないんですかね?

後、米中貿易戦争になったら非常に不味いので、それは先にどうにかしてほしい・・・と思っていましたが、どうにかなりそうですね。

それより金正恩出現で何がなんだか・・・。気が向いたら(何か思いついたら)、また中国の記事は書きます。

ただ、中国も日本に対して譲れないことをずっと言ってきているので、どうしていいのか分かり難いところはあります。中国が自分の金と労力で環境をやろうとかそういうことなら助けられると思いますが、どうもそんな話にはなりそうにもないですよね。日本との「戦争」に勝とうというなら、負けられないってことになってしまいます。必ずしも中国の環境を良くすることが中国にとって悪いということでもないと思うのですが。

いずれにせよ、急に協力を考えるとか言っても直ぐにそうはなりますまい。超特大級の爆弾(金正恩)が炸裂する可能性もありますしね。ちょっと様子をみたいです。