鉄道の楽しみ方は多種多様だが、その中でも「秘境駅」も人気のカテゴリーである。 毎年ランキングも公表されているほどである。 個人的には、「秘境駅」だけを目的として移動することはほとんどないが、それでも、やはり「秘境駅」は魅力的な場所であることは間違いない。 大自然に囲まれ、人工物の音がなく静寂に包まれた中、鉄路の響きだけが遥か彼方から聞こえ、また遠くに去っていく雰囲気は、筆舌に尽くしがたい。
今回、「秘境駅」ランキングでは50位となっているが、大都会大阪から2時間弱、さらに運転本数も少なくなく、訪れることが比較的簡単な「紀伊神谷」に行ってみた。 そもそも、この「紀伊神谷」は大手私鉄の南海電鉄の高野線の駅で、その点も珍しい。 ただ、1日平均乗降客は9人となっており、もちろん南海の全駅の中で最も少ない。 大阪ミナミの巨大ターミナルなんばからは、まず高野線の急行「橋本」行を利用した。
南海本線との複々線区間である「岸里玉出」で分岐し、約1時間で「橋本」である。 ちなみに、途中の「中百舌鳥」までは泉北高速鉄道も乗り入れている。 この「橋本」までは、住宅地も多く、何となく通勤圏というイメージがあるが、ここからは景色が大きく変わる。
橋本からは、2300系の2両編成のズームカーが運行しており、車内もゆったりとした構造に加え、利用客もほとんどいなかったので非常に快適であった。
そんなわけで運転席後ろの座席に座って前方の景色を楽しむことができた。
From Face Book: A secluded train station, Kii-kamiya (1)