地元群馬県は、人口減少と少子高齢化社会に対応するため、効率的・集約的な都市構造(コンパクトシティー)への転換を図る「ぐんままちづくりビジョン」の素案を初めて策定しました。
この策定の背景は、約200万人の県人口が2035年(23年後)には169万人となり、このうち65歳以上の人口は57万7千人で、全人口の33.9%を占め、3人に1人は高齢者になります。
このような人口減少と少子高齢化社会は、高齢福祉にかかる福祉費の増加と税収の減少が見込まれます。公共交通の衰退、買い物弱者の増加など高齢者に住み見くい都市となると予想されています。
ビジョンでは、対策メニューなどを盛り込み、より具体的な方策を示します。市街地での空き家の有効活用、街中への転居を促進するための補助金などの優遇措置などです。
2005年(平成17年)の国勢調査では、群馬県の市街地の人口密度は、1平方メートル当たり4043人で全国45位でした。1990年(平成2年)以降、関東地方の他の都県では上昇しているか横ばいであるのに本県だけ下降しているというデータもあります。
県の都市に対する危機意識も納得がいくものです。ビジョンは、人口減少と高齢化が都市の衰退を加速させるという認識でまとめられていますが、そもそも「都市」はなぜ求められるかということが私の長年の命題です。
ある本で、ヨーロッパの都市の建設時の理念は「永遠」であるということを読みました。永遠を意識した街づくりが、いろいろ規制があるようですが、ヨーロッパの美しい街並みになるのでしょうか。そして、その根底には「キリスト教」という宗教があるのではないかと私は思っています。
無宗教の日本人に「永遠」を意識した都市(街)は創造することはできるのでしょうか。