あび卯月☆ぶろぐ

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福田恆存さんの誤訳

2006-05-14 23:51:54 | 歴史・人物
少し前の週刊新潮をパラパラとめくっていると「福田恆存」という文字が目に飛び込んできて驚きました。
確認してみると内閣府日本学術会議事務局長・西ケ廣渉さんの「ハムレット」と題された記事でした。
西ケ廣さんは小学三年の時、福田恆存さん訳のシェイクスピア全集を買い、
中学三年の時に「ハムレット」の原典にあたり、福田さんの訳と読み比べたのだそう。
そして以下のくだりがあった。

後年、私は編集者を通じてであるが福田氏の誤訳を指摘したことがある。
「ハムレット」第2幕第2場、宰相ポローニアスがハムレットに暇乞いをする場面だ。
ハムレットの台詞を、「暇ならやるが、(自分の)命はやらぬ」と訳している。
しかし、ポローニアスの娘、オフィーリアに失恋したハムレットには自殺願望が芽生えていた。
ここは、「命ならくれてやる」と正反対の意味に解するべきであり、同様の指摘は私以外にもあったのか、改訂版には、私見が反映されていた。


福田先生にも間違いがあったのだと意外な気がいたしました。
まぁ、人間ですから訳を間違える事くらい当り前なのですが、
小生としてはちょっと興味深い記事でした。
もちろん、かといって福田先生の評価が変わるなどと言う事は一切無く、
この記事でも次の文が続きます。

もっとも、これで福田訳の評価が左右される筈もなく、格調の高さといい、言葉のリズムの心地よさといい、依然、最高峰に位置している。


最近、様々な雑誌で福田先生のお名前を拝見する機会が多くなってきました。
歿後、十年が過ぎて福田先生が再評価されてきたのでしょうか。
このようなことが多くの人の福田先生を知るきっかけになれば喜ばしいことであります。

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