浅間神社二の鳥居の下を通る国道14号(千葉街道)を東に300mほど行ったところに建つ、旧神谷伝兵衛別荘。
神谷伝兵衛(1856~1922・三河生まれ)は、日本のワイン王と言われる明治の実業家。浅草の神谷バー、牛久シャトーの創始者。
この別荘は、大正7年(伝兵衛62歳)に建てられた。
現在は、国登録有形文化財として、千葉市民ギャラリーが管理する。(参観無料)
ワイン王らしく、葡萄の意匠が施されている。
二階は和室。
「床の間の掛け軸は、温故知新 の意味だね」と、Kさんが言った。
国道に出ると、現実に引き戻される。
海は、ずっと先だ。
散策の終わりは、せんげん通りのお蕎麦屋さん。
6月14日。Nさんに用事ができ、K・Kの散歩となった。
閑散とした京成線稲毛駅で待ち合わせ。
浅間神社は駅のそば。
境内の支社にも、小ぶりながら立派な鳥居が。
本殿に向かう坂道に祀られていた「あんば様」に注目。
富士講6代目を継いだ大行者、食行身禄(じきぎょうみろく)の像である。
身禄は享保14年(1729)、富士山7合目で断食行に入り入滅。
彼の弟子たちの布教で、富士講は急速に発展し、江戸八百八講といわれるほど広がり関八州へと拡大していった。(沼南風土記)
この像は、弘化4年(1847)ごろこの近くの信者によって建立された。(房総の石仏100選)
坂を上がると、境内が忽然と現れる。
神社に隣接する公園の松林は、このあたりが海岸線であったことを髣髴とさせる。