3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

2000奪三振(14)

2011-05-03 21:38:01 | Weblog
通算2045奪三振の平松政次投手は奪三振率の高い投手ではありません。通算の奪三振率は5.48,昭和45年カミソリシュートと呼ばれた恐ろしい程切れるシュートが物凄く打者に恐怖感を与えた年でさえ,182奪三振、奪三振率4.92です。1回たりとも奪三振が200を超えた事も、奪三振率がかなり高かった年もありません。つまり通算3360.2イニングと多く投げた事により、2000個以上の三振を奪う事の出来た投手と言えるのでしょう。彼の場合あまりにもシュートが有名ですが、ストレートの球の速さも物凄く素晴らしいものでした。しかし彼の場合、奪三振率の低い理由は解り易いと思います。特に右打者の胸元を襲うかの様に投じられるシュートは、打者には恐ろしいものでしょうが、横の変化という事で何とかバットには当てられ、非常に詰まった当たりになるケースが数多く見られたものでした。又彼にはシュート以外にこれと言った武器になる変化球や、格別優れた制球力がなかった事もあると思います。殆どの投手が最も球の速かった時期に、奪三振率も最も高いのですが、平松政次の場合、前述の自己ベストの昭和45年、逆に自身の平均奪三振率より低い数字という事に、彼のシュートの凄まじさを感じてしまうものです。