張本勲は歴代の外野手でも上位にランクされる通算132個の補殺数を記録しています。補殺とは外野から内野への送球により、直接間接を問わずアウトにした場合に記録されます。この直接でなくとも記録されるという事が，結構鍵になっています。つまり外野手の肩が弱くとも、内野手の送球次第で記録されるという事です。又更に重要な事は，走者が次の塁を狙って走ってくれなければ成立ちません。主にレフトを守っていた張本勲でしたが，相手チームは彼の恐るべき弱肩を舐めきって、走者を次の塁に進めるサインを度々出し、多くの場合は成功しましたが、あまりにも彼の肩を馬鹿にした走塁もかなり見られ、それが彼の補殺に結びついたかと思います。実際の数字は把握出来ていませんが、史上最高の強肩遊撃手、大橋譲の守備の際、彼の超強肩により、張本勲の補殺数は増えたかと思います。この様に補殺に関しては、走者が走ってくれなければ成立たない為、単純に数だけでは全く評価出来ない記録といえるでしょう。しかしあの性格の張本勲のことですから、この自身の記録を自画自賛する恐れがないとは言い切れません。