世界中は新型肺炎で大変です。大変さは僕も判りますが、それについては述べていません。医大で学んでおらず、風邪のメカニズムも説明できない者がどうして、新型肺炎の事を述べられましょうか。その点、芸術の話は専門知識がなくてもできるし、すれば心通じる。芸術の奥の深さを感じます。芸術はいいですね。
でも、医学から連想し、思い出された事があります。1980年。沖縄県宮古島のハンセン氏病療養所に毎年夏に交流キャンプされていた方が述べていた事です。当時の言葉を使い、再現してみます。
「ライ菌が内蔵、皮膚、脳、神経系統を侵していくメカニズムは複雑で、その説明を聞いても医学の基礎知識の欠如からどうしても我々は判らない。その患者さんの苦しみはものすごく、医者たちはそこから同情していく。我々医者でない者は同情もできない。また、その症状は一人一人違い、重症と軽症があるが、軽症の人達はより重症の人達の気持は判らない」と述べていた事です。伊藤まつさんというハンセン氏病の全生園にいた元患者さんの所に昇天するまで行き続けた僕ですが、やはり、医学の基礎知識も欠いていたため、実際はハンセン氏病問題は判らなかったし、僕と同行した人たちの全員もそうでした。それゆえ、今も僕はハンセン氏病関係の無責任な発言をしていないわけです。また、僕と同行していた人たちの中には「同情でやっている」と批判された人たちもいましたが、実際は同情もできない状態だったと今は気が付いています。元患者同士も互いの気持ちが判らない。病状も、受けた差別も、本当に一人一人違うからです。一人の元患者の言い分だけを信ずるわけにもいかない。医学知識の件に加えて、僕も尚更ハンセン氏病関係は述べられませんね。
それでも、伊藤まつさんは一生懸命に絵を描いた。その絵を見て、僕は魂もゆすぶられ、行き続けたわけです。同様の人たちもかなりいた。芸術は人を結ぶと言わざるを得ません。芸術の見方も一人一人違って、当然だし、そこがまた良い所ですね。
とにかく、言論には責任を持ちたいものです。
でも、医学から連想し、思い出された事があります。1980年。沖縄県宮古島のハンセン氏病療養所に毎年夏に交流キャンプされていた方が述べていた事です。当時の言葉を使い、再現してみます。
「ライ菌が内蔵、皮膚、脳、神経系統を侵していくメカニズムは複雑で、その説明を聞いても医学の基礎知識の欠如からどうしても我々は判らない。その患者さんの苦しみはものすごく、医者たちはそこから同情していく。我々医者でない者は同情もできない。また、その症状は一人一人違い、重症と軽症があるが、軽症の人達はより重症の人達の気持は判らない」と述べていた事です。伊藤まつさんというハンセン氏病の全生園にいた元患者さんの所に昇天するまで行き続けた僕ですが、やはり、医学の基礎知識も欠いていたため、実際はハンセン氏病問題は判らなかったし、僕と同行した人たちの全員もそうでした。それゆえ、今も僕はハンセン氏病関係の無責任な発言をしていないわけです。また、僕と同行していた人たちの中には「同情でやっている」と批判された人たちもいましたが、実際は同情もできない状態だったと今は気が付いています。元患者同士も互いの気持ちが判らない。病状も、受けた差別も、本当に一人一人違うからです。一人の元患者の言い分だけを信ずるわけにもいかない。医学知識の件に加えて、僕も尚更ハンセン氏病関係は述べられませんね。
それでも、伊藤まつさんは一生懸命に絵を描いた。その絵を見て、僕は魂もゆすぶられ、行き続けたわけです。同様の人たちもかなりいた。芸術は人を結ぶと言わざるを得ません。芸術の見方も一人一人違って、当然だし、そこがまた良い所ですね。
とにかく、言論には責任を持ちたいものです。