それは当時のヨーロッパの労働者たちの学識の問題である。マルクスは、その予測の一つに「労働者による革命が起き、労働者たちが企業を管理し、政治も支配する社会になる」とあるが、当時のヨーロッパの労働者たちの状況はどのようなもので、彼らは何を考えていただろうが。ヨーロッパのどの国も教育は普及しておらず、識字率も低く、労働者のかなりは文字も満足に読めなかったわけである。国や政治の事は大学などで法律などを広く深く学ばなければ想いも及ばないが、当時のヨーロッパには大学を卒業した労働者はいなかったわけで、従って、労働者たちが国家革命や社会革命の事に想いを寄せていたとは到底思えない。恐らくは、仕事の後の酒とか食事を楽しみに毎日を送っていたのだろう。又、万が一、革命が成功しても、まともに字も読めないような人たちでは、企業の管理などはできないではないか。非常に変である。
マルクスは極めて頭が良く、当時のヨーロッパのエリートだった。それゆえ、イギリスで労働者の実態を見ても、分析は確かに精密だったが、労働者たちを上から見下ろす感じで、労働者たちの身になって考える事が非常に不足していた。知的エリートに多くあるような事である。その欠陥の現れの一つが以上だったと推察される。
やはり、20世紀のロシアや中国なども同じ状態だった。マルクスの言う通りにしていたら、革命などは起きなかった。それゆえ、レーニンなどが知識エリートを集めて、革命の為の共産党組織を作り、革命後もそのような人たちが国や企業を支配し、結果的には封建時代の貴族みたいな役割をし、その頭目はロシアも、中国も皇帝みたいになっていった。歴史の皮肉である。でも、ロシアも、中国もそれまでは普及していなかった国民教育がなされるようになった点は社会進歩だと見て、どのような人たちも評価して良いのではないだろうか。
因みに、労働者たちも高度な学識を持つであろう未来社会において、何が起きるかについては判らない。歴史の流れに任せるしかない。でも、『資本論」にはかなりの欠陥があるのに、かつては批判も許されなかったのは何だろうか。悪い意味での宗教化というより、「教条」になっていた点は否めないし、その歴史は反省しなければならないだろう。何も教条化する事があってもいけないのに。
マルクスは極めて頭が良く、当時のヨーロッパのエリートだった。それゆえ、イギリスで労働者の実態を見ても、分析は確かに精密だったが、労働者たちを上から見下ろす感じで、労働者たちの身になって考える事が非常に不足していた。知的エリートに多くあるような事である。その欠陥の現れの一つが以上だったと推察される。
やはり、20世紀のロシアや中国なども同じ状態だった。マルクスの言う通りにしていたら、革命などは起きなかった。それゆえ、レーニンなどが知識エリートを集めて、革命の為の共産党組織を作り、革命後もそのような人たちが国や企業を支配し、結果的には封建時代の貴族みたいな役割をし、その頭目はロシアも、中国も皇帝みたいになっていった。歴史の皮肉である。でも、ロシアも、中国もそれまでは普及していなかった国民教育がなされるようになった点は社会進歩だと見て、どのような人たちも評価して良いのではないだろうか。
因みに、労働者たちも高度な学識を持つであろう未来社会において、何が起きるかについては判らない。歴史の流れに任せるしかない。でも、『資本論」にはかなりの欠陥があるのに、かつては批判も許されなかったのは何だろうか。悪い意味での宗教化というより、「教条」になっていた点は否めないし、その歴史は反省しなければならないだろう。何も教条化する事があってもいけないのに。